平成21年仕事始め式知事あいさつ

最終更新日 2010年2月4日ページID 007510

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このページは、平成21年1月5日(月)、仕事始め式に当たっての知事のあいさつをまとめたものです。

 新年明けましておめでとうございます。今年は年末年始が例年より長かったこともあり、ご家族との有意義な時間を過ごされたのではないかと思います。

 私も久しぶりに日々の課題から気持ちを別のところにおいて、様々なことを振り返ることができた数日間でした。今年も新たな気持ちで、みなさんとともに一年間頑張っていきたいと思います。

 年末には、久しぶりに紅白歌合戦を最初から最後までながめ、つくづく「昭和」は遠くなったという思いをいたしました。また、「真昼の決闘」や「荒野の決闘」など1950年代の西部劇、そして「スターウォーズ」や「ドリームガールズ」のビデオを見て、昔の気持ちを思い出しました。

 さて、新しい一年ですが、まず6月7日に「全国植樹祭」を一乗谷朝倉氏遺跡で開きます。天皇皇后両陛下をお迎えしての大会であり、準備も着々と進んでいることと思います。

 この植樹祭が、福井豪雨による水害からの復興と、また、福井の森や緑を守り、そして花や緑にあふれたまちづくり等のきっかけとなるよう、十分に準備をし、大会が成功裡に、そして将来に繋がるものとなるよう努めてまいりたいと思います。

 2つめは景気・経済対策であります。

 昨年の後半以降から続いた原油・諸物価の高騰は、一部に落ち着きも見られますが、昨年の経済危機・金融危機に端を発する世界的な恐慌による影響に対して、さまざま予算措置や経済対策を進めております。

 そして、来年度の当初予算や年度末の補正予算などを通じて、われわれのなすべきことを着実に進めていかなければなりません。自治体、国、また企業の方々などと情報を交換しながら、迅速にこの問題に立ち向かわなければならないと思います。

 日を追うごとに、様々な事柄が見えてくると思いますので、情勢の把握に努め、積極的に対応しなければならないと思います。

 国からのバックアップのための予算も投入されると思いますので、各分野で活用策を検討し、雇用や中小企業対策など長期的に効果を得られるような内容のものにするよう務めていただきたいと思います。

 さて、昨年は、様々な面で、福井の底力を示すことができ、福井が脚光を浴びました。

 とりわけ、南部陽一郎先生のノーベル賞受賞はとても素晴らしく、また明るい話題であり、これは福井の教育の底力を示したものだと思います。

 教育そのものとしても、全国学力・学習状況調査では2年連続で良い結果を挙げております。これも一朝一夕に築き上げたものではなく、昭和20年代ころから半世紀かけて、教育界のみなさんが頑張り、また地域でも支えていただいた成果であり、文字どおり福井の実力を示すものだと思います。

 さらに、小浜市民のまちづくりにおける活動や、福井産眼鏡のデザインなども話題になりました。そして、「ふるさと納税」もみなさんの努力で多くのご寄付をいただき、成果を挙げております。これらも、様々な分野で、長年にわたり、みなさんが地道に努力を重ねている結果だと思います。

 このように、昨年はいろいろな意味で注目を集めましたが、新しい年は、こうした実績をベースに置きながら、みなさんとともに次のステップへと歩んでいく必要があります。

 いずれにしましても、われわれは厳しい中ではありますが、自信を持ち、気持ちをしっかり入れて、前向きに取り組むことが重要であります。

 私は、二期目に当たって「福井新元気宣言」をマニフェストにしましたが、まさに再び「元気」を新たに心の中に持って、県民一丸となって難局に当たる時機であります。「元気」をキーワードに、再びこうした問題に取り組む必要があります。

 新年に当たり、担当する分野の方々と様々な場面でお話しする機会があるはずです。「景気はどうですか」と聞くことも大事ではありますが、「これから何が必要でしょうか」などという問いかけをして、前向きに種々の問題に取り組むことが重要ではないでしょうか。

 昨年は、新幹線の着工・認可の方向付けがなされました。これは、国会議員の大きなご努力、そして県議会、関係自治体、経済界、県民のみなさん、そして県庁職員の長年にわたる努力の結果だと考えます。

 こうしたことを踏まえながら、次の段階に進む必要があります。

 まずは、地域鉄道の問題や、中部縦貫道などのインフラの方向付けが必要であります。新幹線はほぼ目処が立った訳でありますので、これからの5年ないし10年を見据えて、県の予算編成や体制の準備をする必要があります。

 新幹線着工への重荷が少し軽くなりましたので、今年は別の立場で様々な場所に出向き、福井を積極的にPRしたり、福井の様々な課題についてアイデアをいただいて実行に移すということに努めていきたいと思っています。

 また、本年度中に、環境問題や農業問題、観光のビジョンが出揃います。また、文化やスポーツについても方向付けがなされますので、これらについても実行に移していかなければならないと思います。これらの政策を内容あるものにするためには、県民のみなさんが活動できる状況にないと成功はいたしません。

 例えば、農業については、後継者がいないということを問題にされますが、その前に今やっておられる方々に頑張っていただかないと、後継者の議論が出てこないと思います。

 環境ビジョンでも、教育、人づくりを第一に掲げていますが、まずは、県民一人ひとりが環境問題に意識して取り組んで、課題を一つ一つ解決していかなくては、地球温暖化などの大きな問題には到底到達しないのであります。

 観光においても、今ある福井の良いものを生かしていかないと、観光客数も伸びてこないと思います。文化も同様だと思います。

 「人材」という言葉づかいはともかく、人がそれぞれ活動することが大事なのですから、「人づくり」においても、このような観点で事業の仕組みを作ってほしいと思います。

 この新しい年は、ひとつの転換点になるはずです。
 市場主義の行き過ぎから、政治や人の育て方など、このような問題に転換していく年ではないでしょうか。また、福井にとりましても、新幹線などインフラの整備に方向付けがなされましたが、これも新たな転換を図るべきポイントになります。さらに、福井のことが全国で知れ渡りはじめています。ここ数年前まで、東京でスーパーに福井のカニが出ているなどのような話は聞きませんでしたが、この年末辺りからたびたび目に留まるようになりました。これも、みなさんが地道に売り込みに頑張っている結果だと思います。福井のことをさらに知ってもらえれば、福井を売り込む、ひとつの転換点になるかと思います。
 また、国土政策を見直し、地方に人が移住し、東京と地方のバランスをよくするという流れをつくるスタートの年にしていかなくてはならないと思います。

 いずれにしましても、このような大きな流れのコーナーにいる情況ですから、われわれとしては、福井を売り込んでいくという気持ちを持たなければなりません。みなさんの担当する分野でも、「何かを売っているのか」あるいは「買っているのか」の違いを考えてほしいのです。「注文をする」ことは買うことであり、「福井をPRする」ことは文字どおり売り込むことだと思います。みなさんの担当でも「買う」のか「売る」のかを念頭において、本来は「買う」のだけれども「売る」ようにするとか、逆に、売らなければならないものを、買うような形にはしないでいただきたい。「売る」ことは大変なことで、汗を流さなければなりませんし、人に訴えていかなくてはなりません。また、頭も下げなければなりません。こういうことを考えてほしいのです。

 福井県も、これまでの長年の努力を基に、元気を出して、自信を持って、進むべきであります。企業や働く人達が仕事をしやすいように、悪い条件を除去し、良い環境を整えてほしいと思います。

 県民の先頭に立って努力し、汗を流し、一生懸命に活動していることが、県民の一生懸命さに繋がり、県益に繋がるのだと思います。

 この一年間、公私ともに健やかで幸せな年になりますよう頑張っていただければ、ありがたく思います。

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