皆さんおはようございます。
本日ここに、多数のご来賓ならびに地元の皆様方をお迎えして「若狭西街道」の竣工式を挙行できますことは、この上ない喜びであります。
今日は国会議員の諸先生方、県議会議員の皆さん、若狭西街道事業促進協議会会長の小浜市長をはじめ、おおい町長、高浜町長、そしてこの道路の整備にご協力をいただきました皆様にご出席をいただき厚くお礼申し上げます。また、農業問題についても日ごろからお力添えをいただいており、重ねてお礼申し上げます。
さて、農業の問題でありますが、農政は今、大きな変換期にあります。
国におきましては、農業の構造改革を推進するため、昨年度から新たな経営安定対策として水田経営所得安定対策や農地・水・環境保全向上対策などを本格導入しております。しかし、米価の下落や農家の高齢化、肥料の価格高騰等により大変厳しい状況に直面しており、米の生産調整や転作のあり方を含め、農政のさらなる見直しが求められております。
また、食の安全・安心の観点からは、小麦や大豆などの輸入穀物の高騰や事故米の問題、さらには自給率の向上など、消費者の生産現場への関心が一段と高まりつつあります。
最近の雇用情勢は厳しい状況ですが、雇用に関する各種相談会を開催いたしますと、農業に取り組みたいという方が県内・県外から多く来られ、実際に就職される方も増えておりまして、今が大きな転換点でないかと思っております。
このような農業を取り巻く環境が大変厳しい中、福井県においては、農業を「産業」や「農村振興」の面はもとより、新鮮で安全・安心な農産物の安定供給など「県民の暮らし」を豊かにする機能にも着目して取り組むことが重要であると考えております。このため、「ふくいの農業のあり方検討会」において、本県農業の進むべき方向についてとりまとめた提言をもとに、さらに検討を加えた「ふくいの農業・農村再生計画」を策定し、新年度からはこの計画に基づき各種施策を展開してまいりたいと考えております。あわせて、「ふくいの食育・地産地消推進計画」、「ふくいのエコ農業推進計画」の2つの計画もこの3月までに策定し、3本の計画で福井県の農業を強力に推進していきたいと考えておりますが、その基盤となる道路整備は非常に重要であります。
このような状況の中、若狭西街道は小浜市とおおい町、高浜町の3市町を結ぶ総延長22.8kmの基幹農道として、事業費約320億円をかけ、平成7年度に着工し、以来14年の歳月をかけて完成したものであります。
この若狭西街道は、地域の農業振興や生活環境の向上はもとより、若狭地域の道路ネットワークの一翼を担う道路として大いに期待されております。また、若狭西街道に沿って明通寺や妙楽寺、神宮寺などの多くの神社仏閣や、若狭に春を告げる「お水送り」の行事など、歴史的文化遺産が多数受け継がれております。さらに、風光明媚な若狭湾国定公園を臨む立地条件にも恵まれております。
また、最近では、この若狭地域の皆さんが地域振興に様々な工夫を凝らして頑張っておられ、全国からも注目されております。そういう意味で、若狭西街道は、交通体系あるいは農林水産業や観光産業など様々な政策とあいまって地域の発展に大いに役立つものと確信しております。
若狭地域には、すでに美浜町と若狭町を結ぶ延長18.4㎞の若狭梅街道が平成10年から既に供用を開始しております。事業費約140億円をかけ、昭和59年に着工し、完成までに15年の歳月を要しております。また、この若狭梅街道と若狭西街道を連絡する農道も昨年秋供用を開始しており、本日の若狭西街道の全線開通により、若狭地域の農道が、一部県道を介して1本の線でつながり、ネットワークが形成されたわけでございます。
これにより、若狭地域の農産物輸送の効率化はもとより、交通の利便性が大幅に向上し、若狭地域が有機的連携のもと、ますます発展するものと期待しております。
今日は2時間ほどかけてこの式典会場へまいりましたが、途中、若狭梅街道や若狭西街道を経由し、2回にわたり舞鶴若狭自動車道の工事現場とクロスしました。高速道路の整備も間近となっております。
一方で、鹿に2回会いました。嶺南地域は鳥獣害の問題にも直面しており、こうした問題にも取り組んでいかなければならないと考えております。
いずれにしましても、この若狭の美しい農村を皆様と共に守らなければなりません。そして新たなものも加えなければなりません。文化財も守らなければなりません。このようなことを考えながら、皆様と共にこの嶺南地域の発展、そして、嶺北との一体的な発展のために、これからもソフト・ハードの両面を活用し、ふくいの農業を発展させるために努力したいと考えておりますので、皆様には引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
終わりに、嶺南地域のより一層の発展と本日お集まりの皆様の今後ますますのご健勝をご祈念申し上げ、式辞といたします。
|