明治大学・福井県連携講座「幕末維新期の福井藩」あいさつ

最終更新日 2010年2月4日ページID 010040

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 このページは、平成21年11月23日(月・祝日)に明治大学アカデミーホールで行われた、明治大学・福井県連携講座「幕末維新期の福井藩」での知事あいさつをまとめたものです。

211123あいさつ写真1 本日、明治大学・福井県連携講座「幕末維新期の福井藩―松平春嶽とその周辺―」が、納谷学長をはじめ関係各位の御協力により、このように盛大に開催されますことに対し、厚くお礼申し上げます。

 明治大学は、創立者の一人である矢代操(やしろみさお)先生が福井の鯖江藩のご出身であります。鯖江市は眼鏡枠の国内シェアが9割超であり、また、昨年のアメリカ大統領選挙で共和党副大統領候補であったペイリンさんの眼鏡もこの鯖江でつくられたものです。文学では、日本のシェークスピアとも言われる近松門左衛門が鯖江のご出身であります。このように、明治大学は本県とのゆかりが深い学校であります。こうした縁をきっかけに、本学において、各先生方のご協力を得てシンポジウムを開催させていただくことを大変喜ばしく思います。

 今年は安政の大獄からちょうど150年に当たります。また、福井藩の当時の政治顧問であった横井小楠の生誕200年にも当たります。幕末期に大きな役割を果たした福井を多くの方に知っていただくため、県内外において講演会を開催しており、今回はその一環としてシンポジウムを開催したところであります。

 幕末期の福井藩は、幕末の四賢侯のひとり、松平春嶽を中心として、財政・軍事・教育各方面にわたる藩政改革に取り組み、その一方で幕政改革にも参画するなど、屈指の「雄藩」として重要な役割を果たしてきました。今回のシンポジウムでは、その内容について深く検証していただけるものと期待しております。

 さて、福井県は、子どもたちの学力テストでこれまで3年連続して中学生が第1位、小学生が第2位と全国トップクラスの成績を収めています。また、昨年から実施された体力テストにおいても全国第1位の成績を収めています。幕末的に言うと文武両道という県です。福井県では本県出身の白川静先生の「白川文字学」を活用した漢字学習を実施しており、以前は小学校で教える漢字は1006文字で、学年ごとに配当が決まっていましたが、福井県ではそういう制限を取っ払い、自由に教えてテストをして評価したりしています。211123あいさつ写真2

 福井の教育の特徴は、質・量ともに日本一の宿題や共働き家庭でのおじいちゃん・おばあちゃんの活躍など、学校・地域・家庭がうまく機能している点にあると考えます。このたび、小学館から、福井の教育についての本「ネコの目で見守る子育て 学力・体力テスト日本一!福井県の教育のヒミツ」が出版され、福井の教育の特徴が分析されているので、ぜひお読みいただきたいと思います。

 幕末維新期の教育の研究者によりますと、幕末期の福井藩は、諸藩の教育事情についての調査を行い、維新直後には、学校教育の年齢別系列化や兵学や理数科の奨励を進めました。その後すぐに、四民平等の教育へ方向転換するなど、教育の面では常に全国に先駆けた動きを見せていました。そのことが、新しい国家体制の基盤をつくるに当たり、優秀な人材を多く輩出する結果となったと思われます。

 このように、幕末の福井は教育的側面から見ても非常に興味深いものです。本日のシンポジウムが、松平春嶽を中心とした「幕末の福井」について、皆様にますます興味を持っていただく機会になることを期待しています。

 来年放送されるNHK大河ドラマは坂本龍馬の生涯を描いた「龍馬伝」です。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」という歴史小説がありますが、いったい竜馬は何処へ向かって行ったのか、実は福井へ行ったのです。
 文春文庫の最終8巻目のほとんど終章に近いところにこのように書かれています。
 「街道は晴れていた。竜馬がゆく。岡本と藤吉が追いすがり追いすがりしながら、湖畔の野を歩いていた。越前福井は、松平家32万石の城下である。足羽川を北へわたると城が眼前にそびえ、人家が密集し、繁華街は大阪をおもわせる」
 「福井でのしごとの予定はふたつある。藩の老公の松平春嶽を新政府に参加させること、竜馬が見込んだあたらしい日本の財務担当官として推挙した三岡八郎(由利公正)を、足かけ5年ごしの禁錮のなかからひき出して京都にのぼらせることであった」
 その数日後に、竜馬は京都で暗殺されたのです。

 今日は、こうした時代劇的なお話も申し上げましたが、いろんな歴史について先生方と十分にお考えいただき、皆さんのこれからの知識に役立てていただけることを、県としても期待しています。そして、今月6日に解禁となった「越前がに」を召し上がりに福井へ来ていただきたいと思います。

 最後に、本日のシンポジウムの開催に当たり多大なご尽力をいただいた皆様にお礼申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

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