平成22年度新採用職員辞令交付式あいさつ

最終更新日 2010年4月1日ページID 011158

印刷

 

 このページは、平成22年4月1日(木)に県庁で行われた、平成22年度新採用職員辞令交付式での知事あいさつをまとめたものです。

220401あいさつ写真1 一言ごあいさつを申し上げます。
 今日はここに全体で86名の新採用の皆さんをお迎えすることになりました。厳しい試験を突破されまして、男性が48名、女性が38名、晴れて県職員となられましたことに対し、心からお祝いを申し上げますとともに、皆さんの入庁を歓迎いたします。

 本年度採用の皆さんの様子を人事の担当から伺いましたが、例えば集団面接において率先して司会を引き受けるとか、あるいは意見や提案を述べるなど、例年に比べますと積極的な方が多かったということを聞きました。また、学生時代に老人ホームでの介護や地域における清掃活動、あるいは街づくりボランティアなど様々な活動に積極的に参加している方もいるということで、大変期待をいたしております。今日からも元気を出して活力あふれた県職員として頑張ってほしいと思います。

 特に今年の採用は、経済環境が極めて厳しい状況であり、皆さん方も十何倍という倍率の中での採用だと思います。ほっとした、また誇りと自信もお持ちかと思いますが、皆さんは同じ世代の代表として県庁に採用されたわけですので、同じ年代の皆さんの気持ちも代表して、しっかりやるんだという心がけで県庁職員としてこれから望んでほしいと思います。

 皆さんは通常ですと、これから30年、あるいは40年近く県の職員として勤務する予定です。そこで今日あるいは今年がどういう年であったかということを、ぜひ記憶をしてほしいと思います。私も何十年か前、同じような経験があり、その時の様子がどのようなものであったかあまり記憶にありません。皆さんは頭に刻んでおいてほしいのです。初心ということに深く関わります。

 福井県の状況ですが、主に昨年、今年で言いますと、まず皆さんの後輩であります小中学生の学力・体力が日本一の県となっております。今から40年ほど前はそうではありませんでした。もっと低かったと思います。

 それから福井県が提唱した「ふるさと納税」が去年から実現しているということです。これも記憶してください。

 それから、今年6月にアジア・太平洋の21の国・地域から、エネルギー担当大臣など多くの方が集まる「APECエネルギー大臣会合」が開かれます。皆さんが採用された年に開かれるということです。地方ではあまりこういった国際的な会合は開かれたことがありません。初めてです。これは福井県のエネルギーあるいは原子力といった問題と深く関わるということをご記憶願いたいと思います。

 それから、今年は「恐竜王国ふくい」を代表する恐竜博物館が開館10年を迎えます。皆さんには先ほど40年と言いましたが、開館50年という年がきっと来るはずです。皆さんはその時には年を重ねていると思いますが、今年は開館10年であるということです。

 それから、文字学・漢字学の研究者であり、文化勲章を受章された白川静先生は福井県の出身です。この県庁の近くでお生まれになりました。今年はちょうど生誕100周年を迎える年です。

 福井県にはこうした様々な素晴らしいものがありますので、全国に知ってもらおうということで、ブランドとして様々な政策を進めていこうと考えています。

 それから福井県の置かれている課題でありますが、その1つに高速ネットワークの整備があります。北陸新幹線は、この夏までに敦賀までという方針が出るように、今は金沢までは決まっていますから、そういう方針の出る年として皆さんに記憶してほしいと思います。これはまだ少し未来のことであります。また、嶺南の方もおられるかもしれませんが、舞鶴若狭自動車道は平成26年度には完成します。中部縦貫自動車道もできるだけ早く進める、というような状況です。

 皆さんがこれから活躍していただかなければならない福井県の立地条件を、あるいは国土計画上の境遇といいましょうか、こういうものを変える大事な年であるということです。

 ただいま申し上げたようなことを、まず頭に1回刻んで、これから仕事をしてほしいと思います。

 こうした福井県の学力や体力、健康長寿、生活水準の高さがこれからも続くのか、もっと向上するのか、そしてさらに新しい良いことが加わるのかは、皆さんのこれからの頑張りにかかっているわけです。

 今日は新採用の皆さんに何を話そうかと、私は部屋が7階ですが階段を昇ってきまして廊下まで来たのですが、何かいつもと部屋が違うなと感じましたら、8階まで上がっておりました。こういうことはあまりないのです。よく6階で間違うことはあるのですが、よほど一生懸命考えていたのかなと自分で思っています。8階まで行ってしまいまして、そういえば今日はエイプリルフールだなと思いながら、また1階下に戻ったわけです。過ぎたるは及ばざるが如しと言いますが、階段を登るのも習慣にならないと自然に7階という感じがつかめないものでして、仕事は習慣とならないとまだまだこれはダメだなと思いながら、今皆さんにお話をしております。

 さて、せっかくの機会ですから、これから新採用の職員の皆さんに仕事の上で期待したいこと、心構えを簡単に申し上げます。これも覚えられないかもしれませんし、忘れるかもしれません。後でホームページに書きますから眺めてください。

 まず、これから仕事を覚えよう、という気持ちで臨んでいるかもしれません。当然仕事は覚えていただかなくてはなりませんが、仕事を覚えるということだけに専念しては困るということです。半年ぐらいしたら仕事が覚えられるかな、と思っているかもしれません。仕事は早く覚えていただかなくてはなりません。しかし、仕事を覚えるということを思っておりますと、30年、40年しても毎年新しいところで仕事を覚えたいということで終わってしまいます。これでは進歩がありません。仕事はすぐ覚えていただかなければいけません。次の新しいことを皆さんに期待したいのです。

 1つは、大きい話から申し上げますが、これまでの行政とか、あるいは政治、あるいは福井県の歴史ですね、世の中全体のこと、過去のこと、こういうことを知識として絶えず勉強してほしい。

 これは本を読まなければいけないと思います。皆さんの仕事の意味は何だとか、あるいは行動における考え方、こういう深さ、幅をつくるのは、知識や過去の様々な情報ですから、こういうものについて本を読んでしっかりとらまえないと、仕事を覚えるということだけになってしまいます。

 学生時代にも十分勉強していると思いますが、それでは全然足りませんから、よく書物、本などを読んで、過去の我々人間の歴史、あるいは遺産といいましょうか、小説なども入っているかもしれませんが、勉強を着実にしてほしいと思います。

 知識を深める、最近の言葉で言うとインプットを数多く行う。これをぜひともこれから30年、40年地道に重ねてほしいと思います。これがないと県庁職員として県民の皆さんにきちんとしたお話ができないと思います。これが1つです。これが一番大きい課題であり、時間がかかる課題です。

 2つめは、これは最近の言葉で言うと単なる情報ですが、世界、日本、あるいは県庁の様々な幅広い仕事、先ほど税務課の職員としての辞令を代表の方に渡しました。それは税の世界ですが、それ以外の原子力はどうなっているだろうとか、福井県の高速交通体系はどうだろうとか、あるいは学力、体力、教育にはどんな問題があるんだろう、文化はどうなんだろう、農業や水産業はどうなっているんだろうとか、政治のこともあるかもしれません。これは情報として様々掴まなければなりません。毎日、新聞やテレビなどを見なければ情報としては入ってこないです。これは2番目のレベルになります。こういうことを心がけてください。

 それから3点目ですが、これは仕事を覚えるといったところに近い話ですが、皆さんの職場、特定のセクション、そこにおける仕事、県民へのサービスそしてそれに関係する組織、人間関係、こういうものについての努力をしてほしいということです。

 これはどちらかといいますと、日常の仕事になります。これも仕事を覚えるだけではいけません。地域との関係、住民の皆さんに親切に奉仕する、正しい言葉遣いをする等、いろんなことがここに入ってくるわけです。

 ですから、最初に申し上げた仕事を覚えるというのは、この一番下のレベルの、必ずしなければいけないところがここですから、ここから先のずっと奥の方をやっていただきたいということです。まずは当面の仕事のことが大事ですので、そこをしっかり進めながら人間関係を考えてやってほしいと思います。

 特に、ものを自分の心の中に持たないで、思っていること、助言を受けたいこと、あるいはこういう考えではないかということをおっしゃってください。

 職場には、様々なタイプの人がいて皆さんを応援してくれると思いますが、遠慮なく、あまりお利口さんにならないで、こういうこと言うと恥ずかしいとか、恥をかきたくないというと進歩がありません。

 私は知事の立場ですから、職場を1~2年で動くということはありません。しかし、職員は何年かごとに異動があります。

 遠慮なくはっきりと、注意されても気落ちしない、それを理解して自分を改善する、そういう職員がだんだん仕事を上手くするようになります。遠慮したり、あるいは恥ずかしい目に遭いたくないといって、自分の中に閉じこもりますと、あまり良い仕事ができません。

 以上の3つかと思います。全体の知識を深めること、それから県庁の行政、福井県、日本、世界のこと、情報をインプットすること、できるだけ関係付けを頭の中で行い、整理をして仕事をすること。そして、当面の職場での様々な人間関係、言葉をはっきり、そして遠慮なく、多少の恥ずかしいことなどは気にしない、というふうに仕事を進めてほしいと思っております。

 最後に、一昨年にノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎先生から、昨年、子どもたちに「個性を持って生きよう」というメッセージをいただきました。これは「Boys be ambitious」という言葉がありますが、「Boys and Girls be ambitious」という言葉ですから、子どもたちに贈られたものですが、おそらく皆さんにも贈られていると思います。

 「ambitious」という言葉は、野心とか大志とか、少し立身出世的な言葉のニュアンスを感じますが、本当は福井県の将来に、また皆さんの未来に希望を持って、ただし、持つだけではいけませんので行動する、こういう意味かと思います。これが「ambition」の意味です。こうしたメッセージに託されましたように、これからふるさと福井を担う皆さんには大きな希望を持って行動してほしいと思います。220401あいさつ写真2

 一日も早く県庁の仕事に慣れまして、良いことが習慣になるようにしてほしいのです。先ほど階段の話をしましたが、6階で降りたり、場合によっては考え事をしていると8階まで行ってしまう。これは習慣ではありません、身に付いていないということです。良いことがきちんと自然に身について、そして頭で考えた新しいことを意識して行動し、実現するというのが、これから皆さんの20年、30年、40年に託された仕事ですので、ぜひともそのようにしてご奮闘をお願いします。

 以上で私の皆さんに対する歓迎の言葉にいたします。
 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、までメールでお送りください。

お問い合わせ先

(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)