新採用職員への訓示

最終更新日 2011年4月14日ページID 014491

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 このページは、平成23年4月14日(木)に県庁で行われた、新採用職員に対する訓示をまとめたものです。

230414あいさつ写真1 みなさん、おはようございます。

 今日ここに、全体で93名の新採用の皆さんをお迎えしました。4月1日は選挙期間中であったため、直接辞令をお渡しすることができませんでしたので、改めてごあいさつを申し上げます。

 厳しい試験を突破され、男性61名、女性32名が県職員となられたことに対し、心からお祝いと歓迎を申し上げます。

 厳しい経済・社会情勢のなかで福井県職員となったわけですが、特に今年は1か月前に東日本大震災が発生し、未曾有の被害が出ており、今もなお収束を見ていません。

 数百年あるいは1000年に一度とも言われる今回の大災害によって、被災地では多くの方が亡くなられ、今も多くの方が避難所暮らしを余儀なくされています。

 現地では市役所や役場の庁舎が流されたり、多くの公務員、あるいは公務に携わる方も犠牲になっています。また、幸い難を逃れた職員も、昼夜を問わず住民のために心血を注いで復興を目指しています。

 皆さんの中にも何人かは被災地に近いところで生活をしていた方もいると聞いていますが、福井県職員となったこの時期に類を見ない災害が発生し、多くの公務員が懸命に働いていたということを忘れてはなりません。

 真っ先に住民の避難などに従事して、尊い命を失ったという事例も多く聞いており、あらゆる厳しい事態に対し、公務員が先頭に立ってやらなければならないということを改めて認識してほしいと思います。

 福井県ではこれまでに、義援物資の受入れ・搬送、被災自治体への「ふるさと納税」の代行業務など、あらゆる支援策を実施してきました。また、避難所での医療活動やボランティア活動の支援などに当たるため、200名以上の職員が現地に出向いています。

 皆さんの中にも採用までの間に義援物資受入れのボランティアに参加した方がいると聞いています。

 被災地の厳しい現状を目にした職員から、更なる支援が必要との報告を受けており、今後、実際に現地に出向いたり、復興に向けた業務に携わっていただくこともあるかと思います。

 通常のときであれば、ともすると関心が向かない分野かもしれませんが、自然災害、危機から県民の生活を守ることは、自治体として最大の責務であります。

 私も選挙期間中、県内各地をくまなく回りましたが、どの地域においても地震や津波などの自然災害や、原子力発電所の事故に対する不安を訴える県民の声をじかにお聞きしました。それこそが、まさに今の県民生活の現実であり、県職員に対する住民の生の声であると私は理解しています。

 県民が何を求めているのかを常に意識し、県民サービスを向上させるという信念を持って仕事に当たってほしいものです。

 そのためには、内向きに自分の中に閉じこもらず、たえず外に関心を向け、県民のもとに実際に足を運び、その声を聞くという心構えが重要です。何に実際困っているのか、何を必要としているのかを注意深く聞き、相手の立場に立って理解し行動することが、皆さんのこれからの仕事の原点だと考えます。

 さて、全般的な仕事の進め方ですが、みなさんはこれから組織の一人として仕事を進めていくことになります。そこでは人間関係も重要になってきます。学生時代にはクラブ活動などもあったと思いますが、大概のことは自分だけで問題が解決したかもしれません。しかし、これからはそうはいきません。

 悩んだり迷ったりした場合には、遠慮なく上司や同僚に質問し、助言を求めてください。思っていることや自分の考えを気軽に言えることが、極めて大事な人間関係です。

 ただ注意してほしいのは、人に何か質問して良い助言を受けたら、必ず実行すること。質問するだけで助言に従わないというのは非常に悪い習慣です。誰かに質問する時は心構えを持って、尋ねた以上はその助言の良いところを実行することが大事です。実行するつもりもないのに人に質問することはやめてください。質問をしたら必ず参考にして行動する、そして自らが進歩する、さらに相手から次の新しい助言を求める、こうしたことにより皆さんの成長はあると思います。

 さて、次に県政の話を申し上げます。

 昨年12月、県民が力を合わせて実行していくための県の方向性や将来像を描いた「福井県民の将来ビジョン」を策定しました。このビジョンは、約1年間にわたり、県民の方にも広く参加していただき、対話や議論をしながら作り上げたものです。

 ビジョンでは、これからの福井県の方向として大きく2つをあげています。
 第1には、福井の良さである三世代の家族の協力や地域のつながりを活かし、若者のチャレンジ、女性の活躍、高齢者の更なる活動を応援し、安心して暮らせる「ふるさと」をつくっていくこと。

 第2には、成長するアジアに目を向け、攻めの産業、農林水産業、観光・ブランド政策によって、福井の「元気」をさらに引きあげること。

 私の新しいマニフェスト「福井新々元気宣言」でも、こうした視点に立って、4年間の新しい施策を県民に約束したところであり、新採用職員の皆さんとも決意を共にし、施策を実行していきたいと思います。

 さきほど災害の話をしましたが、「ふるさと」、「つながり」、「希望」、「元気」というのがキーワードだと思います。

 特に今回のマニフェストでは、若者のチャレンジ、面白い提案、元気な活動を、行政や政治が積極的に応援していこうというテーマがあります。これは、皆さんを含めて若い人たちの頑張りを応援したいということでありますので、若者としてあるいは県職員としてもっともっと頑張ってほしいという気持ちを持っています。

 福井県ではこれまでも、「ふるさと納税」を提案するとともに、全国11県で「ふるさと知事ネットワーク」を活発化させるなど、国中心ではなく、地方が国を支え、活発な活動をしていこうと、「地方からの政策」の実行を進めています。
 皆さんも、若い立場で是非そうしたことを実行してください。

 最後に一点申し上げます。
 今回は災害で大河ドラマなどに関心が弱くなっているかもしれませんが、また落ちついた段階で、こうした様々な福井県のブランドを展開していかなければなりません。
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 本県には他県に例のない「観光営業部」という部局を設けており、今年で3年目を迎えます。各部局、各職員がそれぞれ「営業」という、行政ではあまりそういう言葉は使わないのですが、積極的に売り込んでいくといった気持ちを常に持って仕事に臨まなければなりません。

 みなさんはこれから30年、あるいは40年近く県職員として勤務することになりますが、初心を決して忘れることなく、それぞれの部署で頑張ってほしいと思います。

 今年は例年よりも桜が1週間ほど遅く、昨日今日が満開だと思います。
 皆さんが今回採用された今年、国を揺るがす大きな災害が起りました。これは、日本あるいは地方の再生、わが福井県が元気を出す、こういう大きな教訓でもあり、大事なきっかけでもありまして、今が踏ん張りどころです。

 そういう大事な年であったということ、また、この話を聞いている今日、例年に遅れて美しい桜が咲いていたということを是非とも覚えておいていただいき、健康に気をつけて、県職員として先頭に立って仕事に励んでくれることを期待して、私のあいさつといたします。

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