職員に対するあいさつ

最終更新日 2011年5月17日ページID 014701

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 このページは、平成23年5月17日(火)に県庁で行われた、職員に対する知事あいさつをまとめたものです。
(知事あいさつの模様(映像)は、福井県インターネット放送局(F-iネット)でご覧いただくことができます。)

今回、平成23年度の人事異動を本日実施いたしました。午前中に幹部の皆さんを中心に辞令を交付したところです。今日から新しいスタートとなりますので、今回の人事異動を機会に、是非皆さんに心がけていただきたいことを申し上げます。
 年に1回人事異動があります。気持ちを新しくし、アイデンティティは変わりませんが、新しい心がけで、気分を新たにして仕事をしてほしいと思います。
 私も先般、知事選挙を経まして、3期目の任期をスタートしたところであり、皆さんと同じ気持ちで新たな立場に立ち返って仕事を進めたいと思います。組織も同じだと思いますので、絶えず新しい気持ちで物事を運営してほしいと思います。先に一般的なお話、その上で個別のお話を申し上げます。

 まず一般的なことですが、皆さんにあまりやっていただきたくないことを申し上げます。一つ目は、まず引継ぎについてです。前任者のいろんな経験とか、あるいはやりたかったこと、まだやっていないことがよく分かるので、引継ぎというのは大事です。そして、引渡す側の前任者は誠意をもって親切に後任者に伝えることが大前提ですが、後任者の心構えとして、それをそのまま引き継いでほしくはありません。前任者の業績をバックに、さらに次の段階に進めていく必要があります。例えて言うと、前任者におんぶをするのではレベルが上がりません。頭の高さが一つ低くなってしまいますので、むしろ肩車に乗るくらい、前任者の実績を大事にし、さらに自分はその上に物事を進める、高い視線で行う、という気持ちで仕事を進めてほしい。この程度でいいんだという気持ちでは、皆さんも、また組織も進歩がありません。

 二つ目は、あまり使ってほしくない言葉についてです。私も含め、例えば「なかなか」とか「やっぱり」とかいう言葉を思わず使っていると思います。「なかなか難しい」などという具合にです。できる限りそういう言葉が出ないよう、より積極的な言葉が発せられるように仕事を進めてほしいと思います。

 三つ目は、ポケットに手を入れないようにしてください。県庁にいて、ポケットに手を入れてうまく出来るようなタイプの仕事はあまり思いつきません。できるだけ姿勢を良くして仕事を進めてほしい。冬になると特に多いと思いますし、夏場でもポケットに手を入れることが多いので、姿勢を正しくして活動的に仕事をしてほしいということです。

 四つ目は、パソコンを見過ぎないようにしてください。新聞やテレビはどんどん見てください。情報の宝庫だと思います。しかし、パソコンばかり見ていても仕事は進まないと思います。パソコンの見過ぎは是非やめてほしい。
 やってほしくないことで思いつきますのは、まず以上の4点です。他にも、皆さんがご自身で考え、やらない方がよいと思うものはやらないようにしてください。

 次に、皆さんに是非やってほしいことについてです。
 それは、情報に敏感であってほしいということです。先ほど情報の宝庫という話をしましたが、情報に敏感であるということは、これからの県政を進める場合に極めて重要です。一般的な情報のほか、危機管理上の様々な情報の交換、やりとり、共有がこれからますます大きな役割を果たします。ここ数日の原子力の事故等の様子を見ていても、いかに間違った情報で仕事をしていたり、情報がない段階で誤解をして仕事をしていたりすることが、極めて多いということが分かると思います。

 やってほしいことがもう一つあります。それは、行動、活動を活発にしてほしいということです。県庁の仕事では説明や解説、記録はあってもいいし、また、なくてはならない部分もありますが、あまりそういうものに専念をしないでください。行動のために、記録や説明があります。しかし、そこで終わってしまっているレベルの仕事がいかに多いか考えてほしいのです。以上が、やってほしくないこと、また、やってほしいことの一般的な話です。

 さて、ここ1~2年間の重要なことについて、何点か申し上げます。
 まず、1つ目はマニフェスト「福井新々元気宣言」では、4つの元気、これを柱に県政を進めます。重要プロジェクトや部局横断の課題については、副知事、政策幹、各部長、企画幹、課長が、部局の枠を超えた質の高い政策を、スピーディーに企画立案し、実行に移してほしい。そういうつもりで、いろいろ組織に手を加えました。全国的に比べますと、様々な優れた施策が出てきていますが、これらをさらに力強く、パワフルな枠組みを持ったプロジェクトとして実行することが大事なことです。そういう心がけで、あまり細かいことまでは入り込まず、力強くはっきりとした形の政策を心がけて進めてほしい。

 特に、今回は、企業立地等に関しては、戦略本部を設置したほか、東京事務所長、大阪事務所長をトップに東日本、西日本の2つのエリアで営業本部を設け、企業誘致をより攻撃的に行うことを考えています。また、新幹線についても、東京事務所長をトップとする「北陸新幹線建設推進東京本部」を設けています。
 さらには、これからの4年間は、嶺南、嶺北の一体化というのが大きな課題です。これは、舞鶴若狭自動車道の完成や敦賀港の完成など、いろいろなファクターが前提としてあるわけですが、嶺南振興局長をトップに「舞鶴若狭自動車道活用推進本部」を設け、「観光」や「環境」、「産業・貿易」など様々な分野で、嶺南地域の振興そして嶺北との一体化を図っていかなければならないのです。
 より広域的な行政というのが極めて重要な時期になると思いますので、そういうつもりで組織をつくっていますので、実行してほしいです。

 その他、今回の機構改革では、産業政策、これはアジアを視野に入れた小規模企業への支援強化などの産業の活性化、福井米のブランド化など農林水産業の展開、それから特に福井型18年教育、高校教育の充実なども含めた福井県の「教育は福井で」というプロジェクト、さらには、若者の応援など様々なテーマについても体制を強化しました。
 また、今回の異動におきましては、これまでの業務経験者を元の所属に兼務をするということもやっていますので、意識も新たにして、仕事を積極的に進めてほしいと思います。

 2つ目は、先進的な政策を地方からますます力強く進めなくてはならない点です。国に要請することもないわけではありませんが、それに頼ってばかりではおれません。待つわけにはいかないことが現実的にあるということは、皆さんここ数か月の状況でもわかると思います。福井がリードする政策を積極的に進めてほしい。
 一般的・平均的に良い成果は上っているのですから、さらに目に見える形で個性をもって訴えられるような、いろいろな実例をつくっていくことが、福井県の優れたパワーを意味ある形にすべきです。そのような関心をもって仕事を進めてほしいと思います。

 3つ目は、特に、今年は観光営業部を作って3年目になるわけです。恐竜や子どもの体力・学力など全国に誇れる水準を上げているわけですが、これに満足することなく、次の日本一を市町と協力し、できるだけ多くしていくという動きです。先ほどの2点目と関係すると思いますが、そのような努力をお願いします。

 4つ目は、仕事の進め方の中で、「現場主義」と絶えず唱えております。今回の災害においても、大都市を除くと福井県は最も多くの職員や県民の皆さんが東北3県に応援に行っています。岩手、宮城、福島の災害対策本部に県庁職員が2か月以上、常駐する体制をとっています。これは、他県ではやっていないことです。もちろん3県への応援ということもありますが、ここでいろいろな経験を積み、これを福井県のいろいろな危機対策に活かすとともに、東北のいろいろな情報を知ってほしいということを期待してのことです。
 しかし、一番気をつけるべきは、現場にいるだけでは、単に授業を何となく聞いているだけの学生と変わりません。現場に行って何をするか、どのような情報をとり、どのようなことを実行するか、行動するかということが重要です。いろいろな課題は現場にあります。
現場に赴くと同時に、そこで様々な活動をすることが重要です。今回、東北地方でも頑張ってもらっていますが、他にももっとやれることはあったのではないかという気もします。そういう気持ちで、現場主義を第一に仕事を進めてほしい。現場とは他にどういう表現がぴったりするのか知りませんが、分かりやすく言うと「ローカル」です。東北地方も福井県もローカルな現場でありますし、嶺南もローカル、半島で崖崩れが起きた場合はそこもローカルですので、責任をもった人たちが真っ先に現場に駆けつけるということをしてほしいと思います。

 最後は、職員同士がしっかりとした議論をしていただきたい。議論という言葉を使いましたが、互いに助言したり、上司は部下にしっかりと助言ができるように、同僚同士の大いなる意見の戦わせを遠慮なくできる文化をつくってほしいのです。閉鎖的な文化はいけない。「もの分かりの良い」だけの上司というのはいけません。「まあまあ」とか「なあなあ」も良くありません。大いに、公のために、思ったことを積極的に発言し、そして良い結果を出すというのが公務員の努めですので、そのつもりで仕事を進めてほしいと思います。

 以上、全般的な事柄、個々の分野における心構えについて思っていることを申し上げましたので、是非ともこれをそれぞれの分野で実行してほしいと思います。
 私の方から申し上げたいことを挨拶として述べました。どうか皆様方、この1年全力で頑張ってほしいと思います。
 

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