カルマ・ウラ氏来県記念セミナー知事あいさつ

最終更新日 2012年3月16日ページID 017124

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 このページは、平成24年3月16日(金)に県国際交流会館で行われた、カルマ・ウラ氏来県記念セミナーでの知事あいさつをまとめたものです。

 今日は、「王立ブータン研究所長来県記念セミナー」にご参加いただき、感謝申し上げます。また、ブータン王立研究所、カルマ・ウラ所長にはご多忙の中、福井にお越しをいただきました。県民を代表して歓迎申し上げます。あいさつ

 昨年、国王夫妻が日本をご訪問され、最近、ブータンが日本で話題になることが多くなっています。特に、経済指標だけではない「豊かさの指標」としてブータンの国民総幸福(GNH)を提唱されておられ、「幸せの国」として注目を浴びています。

 わが福井県も昨年度から、幸福に欠かせないものである「希望」に関する研究を始めています。のちほど、福井県が検討しているふるさと希望指数(Local Hope Index)の話もいたしますが、これはブータンのGNHの考えと共通する部分も多く、今回の講演が実現したのも、お互いの研究を学び合うためのものです。

 ブータンがGNHを提唱されたのは、1970年代、現在の国王の父君が第4代の国王の時代にさかのぼります。
 国づくりの目標を経済力の強化を重点に置くのではなく、国民の幸福そのものに置くという発想は、当時の国際社会の中では独特の考えでした。しかし、この国としての信念は揺るぐことなく、現在に至るまで30年以上、ブータンはGNHを国の羅針盤にすえて国家経営に取り組み、また、同時にGNHの大切さを世界に呼びかけています。
 そして、いまや国連をはじめ、イギリス、フランス、そして日本でも「幸福度」を新しい豊かさの指標として取り入れようとする動きがあります。見方をかえれば、やっと、世界がブータンに追いついたということかもしれません。

 本日の講師、カルマ・ウラ氏は、そうしたブータン王国の活動の中枢において、GNHの学問的な確立にご尽力されています。
 ブータン国の憲法では「国家の仕事は国民総幸福の追求を可能とする社会づくり」と述べられていますが、カルマ・ウラ氏は、この憲法の起草委員のお一人でもあるとうかがっています。

 したがって、本日は、長年にわたるGNHの研究についての興味深いお話があるのではないでしょうか。

 ところで、わが福井県は、昨年、「幸福度日本一」にランクされ、最も幸せな県であると全国に紹介されています。これは、われわれ家族の信頼感、地域的なつながりなどがしっかりと残されていて、県民の皆さんが子育てや雇用の安定に努めてきたことの結果だと思います。
 県内に住んでいる自分たちは、こうしたことを普通のこと当り前のことと受けとめているわけですが、これを福井の将来のために、具体的に目に見える形ではっきりさせていくことが大事です。地方政府として何をなすべきかが大きな課題になります。

 今年は福井県にとって、今後進むべき道を方向づける重要な年です。
北陸新幹線の決定が見え、新たな発展の段階に入ろうとしています。また、グローバル化、情報化の進展に伴い、人々の価値観も大きく変わろうとしています。さらに、原子力やエネルギー、環境の問題なども大きな懸案だと認識しています。

 こうした中、経済と精神のバランスを取りながら国家の発展を目指すブータンの生き方に学ぶべきところはすこぶる多いと考えます。

 今後も、交流など人々の様々な面を通してブータンとの関係を促進していきたいと考えます。今日ご出席の皆さまにも、一人ひとりの立場で、あるいは企業や団体のリード役の立場で実践していただくことを期待します。

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