本日、福井県公立学校の教職員として辞令を受けられた、213名の皆さんに心からお祝い申し上げます。
壇上から皆さん一人ひとりの顔を拝見すると、期待に胸を膨らませ、あるいは緊張感を抱きながら、この場所におられるように感じます。教職員としての新たな人生のスタートであるこの日を忘れることなく、これからの一日一日を大切にし、努力を積み重ねていってほしいと思います。
福井県の教育水準は、皆さんの先輩方の努力や、家庭・地域の協力などによって、「学力・体力日本一」の地位を確立し、これを継続しています。
全国から大きな注目を集めており、23年度の一年間で850人を上回る教育関係者等が、県内各地の学校に勉強に来られました。また、茨城県からも1年間、2名の教員が勉強しに来られました。
このように、各都道府県の先生方が福井県の教育の良いところを一生懸命学び、追いつこうと努力しています。皆さんも、各県の努力に負けてはいけません。日々の授業の中身や教材の水準を高めるなど、各県を上回る努力が必要だと思います。
特に、これからの時代は、少子化やグローバル化、情報化のスピードが一段と早まってきます。子どもたち自身の希望や、子どもたちに対する周囲の期待、また子たちが身につけるべき資質・能力は、自ずと変わっていくと思います。
こうした時代の変革期において、子どもたちの将来に深く関わる教職員の責務と役割の大きさを、今一度、考えてみてほしいと思います。
福井県では昨年、「幸福度日本一」という高い評価をいただきました。私は、今ある福井の豊かさや住みやすさにさらに磨きをかけ、県民の「暮らしの質」を高めるため政策を全力で進めているところです。
教育は、県民の暮らしそのものに深く関わる重要な政策分野であり、現在、学校における更なる創意工夫や教職員の皆さんの頑張りを応援するなど、教育委員会と相談しながら、新しい政策を実行に移しています。
そのキーワードに、「福井型18年教育」の推進を掲げています。日本一の教育県として次の課題に挑戦しようとするものであり、幼児期の教育から高校までの教育のレベルを上げながら、できるだけ一貫性を持たようとするものです。
具体例をあげると、白川文字学を活用した漢字教育、英語・中国語などの外国語音声教育、学校内外におけるサイエンス教育を強化しています。理科が苦手だというのでは困ります。先生は教えることが仕事ですからしっかり取り組んでほしいと思います。
また、教員グループの教材研究や勉強会の応援、授業力向上のためにICTを活用した優良教材の集約・活用、さらには、産業界や企業の応援を得た職業教育の充実など、福井ならではの教育を進めています。
ぜひ、皆さんには、福井県の公立学校の教職員であるという自信と自覚を持って行動することはもちろん、ご自身の興味や関心の範囲を常に広く持って、いろいろなことにチャレンジしてほしいと願っています。
英語や中国語を1日最低30分以上聞いて、英語や中国語を3~4年でできるようになってほしいと思います。また、様々な分野の本を読むなど、ご自身が毎日継続的に実行する事柄・目標を1つ決めて、これを実行してほしいと思います。
学校の子どもたちは、若い先生が好きです。しかし、皆さんはいつまでも若くはありません。若いだけでは教育はできません。気持ちはいつまでも若く、子どもたちにわかりやすい授業ができるように、しっかりと学び続けてほしいと思います。
終わりに、これからの教職員としての人生を、心身ともに健康で、職務に全力で当たっていただくことをお祈りし、お祝いの言葉とします。
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