機構改革および人事異動に当たっての知事あいさつ

最終更新日 2012年4月9日ページID 017283

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 このページは、平成24年4月2日(月)に県庁で行われた、機構改革および人事異動に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 それでは、年度当初のご挨拶を申し上げます。
 
 平成24年度の組織改革、人事異動に関し、今日午前中、幹部の方々に辞令を交付いたしました。今日から新たな年度のスタートとなりますが、今回の機構改革と、人事異動に関し、幹部職員に心がけてほしいことについて申し上げます。あいさつ

 昨年度23年度は、県民の念願でありました北陸新幹線の敦賀までの認可・着工の方針の決定や中部縦貫自動車道和泉・油坂間の新規事業採択が決まるなど、長年の課題について県政の大きな進展または課題解決があった年であります。

 また、健康長寿、子どもの学力・体力日本一、そして「幸福度日本一」という評価もいただいております。

 そこで、今こそふるさと福井を県内外に発信していく絶好の機会であり、この機会を逃すことなく、県政を次の段階に高めていく必要があると思います。
 このため、高速交通ネットワークの県内整備を迅速かつ着実に進めるほか、平成26年度の北陸新幹線金沢開業、舞鶴若狭自動車道の全線開通に向け、しっかりした準備をしながら、「突破力」あるいは「発信力」を高めまして、福井県への誘客またそれぞれの市や町の地域づくり、ふるさと福井の発信、未来の人づくりなどを進める必要があると思います。

 また、少し先になりますが、平成30年の国体の開催に向けた準備を進めます。そして、防災力など県民の安心・安全を評価していかなければなりません。

 このような考え方に基づき、今年度の機構改革を行いました。ポイントは大きく4つあると思います。

 一つ目は、高速交通ネットワークの整備推進に向けた体制強化であります。

 「新幹線・交通政策監」を中心に、早期の開業に向け、国や市町、鉄道・運輸機構、鉄道事業者との連携を進め、並行在来線対策や2次交通対策、地域交通などの推進に向かってもらいたいと考えています。

 二つ目は、「にっぽんのふるさと」福井の発信であります。
 高速交通ネットワークが整備されるこの時期に福井に関心を持っていただき、人が来るための魅力づくりを進め、全国に発信していく必要があります。

 そのため、観光営業部を拡充しました。新しい交流が生まれる北関東・信越などフロンティアエリアでの観光プロモーション活動や、本県を強力にアピールする観光拠点づくり、また福井の特色であります「食」のブランド化を進めていきます。

 そして、教育庁から観光営業部に文化振興業務を移管し、文化、文化財、景観や地域の魅力づくりや地域活動などに幅広く活かし、全国に発信していきます。

 文化財の指定や埋蔵文化財の発掘、学校での文化活動に関して、教育庁と連携を持ちながら、文化政策全体を力強く進めていきたいと思います。

 三つ目は未来の人づくりであります。

 本県の小中学生の学力・体力は日本一という評価をいただいていますが、現状に満足することなくこれを伸ばしていかなくてはなりません。

 このため、「学校教育政策課」を設け、中高一貫教育や高校再編など学校づくりの大胆な見直しを進めるとともに、本県独自の学力向上策、教員の人事を行う体制としました。

 四つ目は、新しい国体の本格準備の推進であります。

 国体を開催してきた他県と同様、開催6年前となる今年度に、業務を教育庁から総務部に移管しました。

 「新国体推進課」を設置し、職員を増員し体制を強化し、広報・県民活動、施設整備などの準備を本格的に行います。

 このように組織を改正したわけですが、組織はいわば「フレーム」、「システム」でありまして、その中身こそが重要になってきました。
 今回の組織改正をどのように活かしていくかは、職員の仕事次第であります。
 各部局あるいは各所属が、ある時は力を出し合い、ある時は競争をするときもあると思いますが、県政の課題に的確に対応する組織にしなければと思います。

 仕事の進め方について、年度始めでありますから、最近思っていることを2、3申し上げます。

 これから10年、国政もそうでありますが、福井県の全体の県政の推進、局面が大きく変わる時期だと思います。まさにこのタイミングを逃すことなく、はっきりとした備えをしながら取り組まなければならないと思います。そのためには、職員の意識や仕事の進め方を、今よりも進歩、進化させることが重要です。

 一つ目ですが、機敏に判断し、行動することです。よく円滑にとか、スピーディにとか、スピードを上げるといいます。しかし、それでは最早あまり速くないという世の中になっているかも知れません。もちろん、長い目で見る視線も必要なのですが、それ以前に眼前において機敏に仕事を進める必要があります。

 機敏というのは英語で言いますと、「スピーディ」とか「クイック」というような意味とは違います。あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、英語では、「agile(アジャイル)」という言い方があります。それから「alert(アラート)」という言い方もあります。これは「フットワークが軽い」、「頭の回転が速い」、「機転が利く」、「すぐに行動をとる」という意味があります。こうした機敏な行政行動をとって、これからの10年に備える必要がありますので、このことを一つ頭に入れてください。

 二点目でありますが、最新の情報をしっかり掴みに行くということです。情報にも機敏に対応すると言った方がいいかも知れません。昨年の東日本大震災の初動を見ても分かりますが、とくにそこに集中的に現れているのが、政府や行政の情報の把握力、あるいは伝達力、統制の仕方の課題であったということです。これは危機対策であるからこそ、はじめて国民の目にはっきりと見えたことでありますが、通常の仕事では失敗していたり、油断していても、そういうことは感じられないまま、見えない部分があります。これは、すべて情報の欠如、あるいはまずい処理によって、ちっとも効果が現れないという分かりやすい立証であると思います。普段から情報、今般の問題に敏感であって欲しいと思います。

 福井県は大都市ではありませんから、一般的にいうと情報が入りにくいのであり、この点を注意して欲しいと思います。情報が入りにくいということは、また情報を効果的に出しにくいということでもあります。情報を出しても伝わらないという問題でもあります。それには情報の量の問題、質の問題も関係するのであります。組織として、または個人としても様々なメディア、新聞、テレビ、これは情報の宝庫でありますから十分に活用して、それを役立てて欲しいと思います。あいさつ

 それから三点目でありますが、皆さんはそれぞれのセクション、あるいはそれぞれに関係する管理職でありますが、互いに協力することが大事であります。各セクションがもたれあって仕事をしないようお願いします。冒頭申し上げましたが、色々な業務は時間は待ってくれませんので、限られた時間の中で、協力して目に見える成果をあげることがきわめて重要だと思います。各セクションというのは、もともと初めからそこに存在するのではなく、全体がうまく回るために便宜につくられたものであります。ですから、連携や協力あるいはつながりが無ければ、決して良い結果が出るわけはないと思います。今回、各部の企画幹の課題を明確にするため、業務発令も行っています。これはそのことが重要なのではなく、そういう意識の中で連携と協力をするという心構えを願いたいのです。

 そして四点目、視線といいますか目線を上げて考えて欲しいということです。県庁の組織にも知事は知事として、副知事は副知事として、あるいは部長、課長、それぞれ役職があります。それぞれの役職の目線で見ることがありますが、ぜひとも、視野を広げて、目線を一段上げて欲しい。課長であれば課長レベルでいつもものを考えないようにして欲しいと思います。常々申し上げていますが、これからは互いに助言をする社会です。部下に対しては教育する立場にありますので、良い上司は助言をするということです。はっきりと「こういうことである」、「こうした方が良い」と助言をする。このことをあいまいにしていると、後で皆さん自身も困るわけであります。組織としても困ります。互いに助言をし高めあっていく必要があります。それは公のためでもありますし、本人のためでもありますから。正しく助言をして、全員でやっていくということを行ってほしいのです。

 今の四点、機敏、情報、協力、助言、この四つをまずしっかり頭に入れて、課題に責任を持ってやってほしいと思います。

 そして、これからは難しい課題がますます多くなりますが、課題の解決には全体的に積極的に問題を考えるということでなければならないと考えています。

 それが福井県民の県民益あるいは県民の期待に応えることでもあると思います。

 以上、組織的な考え方、そして仕事の進め方について申し上げましたが、それぞれ自身の考えがあると思いますので、これを応用、活用した県政推進を願って、あいさつにいたします。
 

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