このページは、平成２４年４月３日（火）に県警察学校で行われた、警察学校入校式における知事あいさつをまとめたものです。

　　皆さん、おはようございます。本日、ここに「福井県警察学校入校式」が、厳粛に挙行されるに当たりまして、一言お祝いを申し上げます。

　皆さん方は、採用試験の難関を見事突破され、本日晴れの日を迎えられたわけであります。皆さんはもとより、ご家族の方々もさぞお喜びのことと、心からお祝い申し上げます。


　福井県では、県公安委員会・警察本部と共同で作りました「安全・安心ふくい」実感プランに基づきまして、治安の良さを実感できる安全で安心な福井県を目指すため各種の施策・事業に取り組んでおり、その結果、刑法犯認知件数を９年連続で減少させ、検挙率においても全国上位の高い水準を維持するなど、治安の回復傾向を維持することができました。

　しかしながら、凶悪事件、子供や女性が被害者となる悪質な犯罪、巧妙化する振り込め詐欺の問題、さらには交通事故の大幅な増加や飲酒運転が後を絶たないなど、県民の安全・安心を取り巻く情勢は依然として厳しいものがあります。

　昨年、法政大学の研究チームが発表した「４７都道府県の幸福度に関する調査」では、福井県が全国第一位となり、さらにその中の部門別評価で「安全安心に関する実感」が全国第一位にランクされました。

　この評価を維持するためにも、引き続き官民一体となった「犯罪の起きにくい社会づくりの推進」が重要となってきております。

　警察の任務は、県民の生命・財産を保護し、社会の安全と秩序を維持することであり、県民が明るく平和で幸せな生活を送り、安心して社会活動を営むことができるのは、皆さん方の先輩が犯罪の抑止・検挙、交通の取締り等、日夜その職務に精励され、責務を全うされておられるからであります。合わせて、日々生活をしておられる県民の皆さんとの良好なコミュニケーションと協力関係が保たれているからだと思っております。

　昨年は、幸いにして長年の課題でありました北陸新幹線の敦賀延伸や、舞鶴若狭自動車道、中部縦貫自動車道の方向性が出るなど、広域交通ネットワークの整備が着実に進展し、今後、全国から福井県へ訪れる観光客等の増加も予想されます。
　こうした反面、犯罪や交通事故の増加も懸念されることから、防犯や治安の維持等について県民の警察に対する期待はますます大きくなると思います。

　皆さんは、警察官または警察職員として必要な知識と技能を身につけるため、今日から、ここ警察学校での勉学や訓練に励んでいただくわけですが、一日も早く立派な警察官、警察職員に成長され、県民の安全と安心を守るためにご尽力されることをお願い申し上げます。

　私は、刑事物などの映画をよく見たり、江戸時代の捕物帖を読んだりしています。しかし、いつでもそのようなことの仕事ばかりではありません。書類も作らなければなりませんし、コンピュータも使うなど、いろんな仕事があるはずです。ハードな部分ももちろんあるはずですが、さまざまな社会的なことを勉強していただくことが福井県警察にとっても、これからの皆さんの成長にとっても重要です。こうしたバランスのこと、ハード・ソフトを組み合わせながら、さまざまな読書などもしていただいて、幅広い人格と識見をもった立派な警察官として成長されることを心から念願いたしまして、お祝いの言葉にいたします。