平成24年度の福井県立大学入学式が挙行されるに当たりまして、一言お祝いを申し上げます。
今朝明けましたら、うぐいすの声を初めて聞きました。一声鳴いただけであります。まさにすばらしい春の日だなと思いつつ、入学式にまいったところであります。
今年も、県内外から、423名の希望に満ちた優秀な新入生の方々を、福井県立大学にお迎えすることができました。開設者である福井県としても大きな喜びであります。
難関を乗り越え、晴れて福井県立大学に入学された皆様に対し、心からお喜び申し上げます。また、今日まで深い愛情をもってお育てになられましたご家族の皆様に対しても、心からお祝いとお喜びを申し上げます。おめでとうございます。
県立大学は、平成4年に県民の皆様や各界からの期待を担い、「魅力ある大学」「個性ある大学」「開かれた大学」の建学の精神を掲げ大学をつくりました。現在では、経済学部、生物資源学部、海洋生物資源学部、看護福祉学部と4学部を擁する総合大学として、教育、研究そして地域貢献に努め、多くの人材を輩出いたしております。
卒業生はすでに6,000名を超え、福井県内はもとより、全国で活躍してくださっています。
今、学長のお話にもございましたが、世界はますますグローバル化が進んでいます。地域の経済や私たちの生活にも大きな影響を与えています。開学20周年という大きな節目を迎える今年は、地域経済研究所に新しくより実践的なアジア研究部門を設置し、県内企業のアジアビジネスの応援に力を入れてまいります。大学は、社会の変化とともに進化していく使命を担っているわけであります。
今日入学された諸君も、福井県立大学の学生として自覚と誇りを持って行動し、新しい変化に対応できる幅広い教養や深い専門知識をしっかり身につけていただくことを期待いたします。そして、勉学や交友を通して生涯切磋琢磨できる友人をつくってほしいと思います。
せっかくの機会でございますので、新しく大学生活を送られる皆さんに助言といいますか、言葉を2つばかり申し上げます。
1つ目は、自律・独立の気持ちを育ててほしいということであります。大学では、今までと異なり、多くの時間を皆さん自身の自由な気持ちで使うことができます。高校時代と違い、与えられた教科書やスケジュールは基本的にはありません。自ら優先順位をつけて、自分の時間をどう配分していくかを自分の判断ですることができますし、また、そうしなければなりません。
是非とも自律・独立の習慣を身につけ、有意義な学生生活を送ってほしいと思います。高校時代に習ったと思いますが、福沢諭吉の「学問のすゝめ」にこんなことが書かれています。「一身独立して一国独立する」という有名な言葉です。皆さん一人ひとりが自立・独立することが、地域や国の活力につながるということです。「一身独立して、我が福井県立大学も独立する」ということでもあると思います。
以前ですと、東京や大阪で勉強しなければものにならないということがあったかもしれませんが、今は日本のどこにいても自らの気持ちと意志があればいろんなことができる時代であります。そういう条件が整っていると私は信じています。
2つ目でありますが、失敗をおそれず、挑戦の行動をしてほしいということです。若い方のアンケートをとりますと、約8割の方が「何か行動したい」という気持ちを持っておられますが、実際に行動を実行している人は、そのうちの半分以下でございます。例えば、毎日15分の英語のトレーニングをする、あるいは、ボランティア活動をするなど、小さなことからでよいのでありますが、行動をおこし、少しずつ挑戦を広げてください。
私も、実は車に乗っているとき、ちょうどその時流れてくるラジオで英語の15分程度の番組を聞いています。わずか15分でも毎日やっていますと、これを1年くらいやれば相当ものになるかなと思っております。途中でやめないようにしたいと思っております。
大学の留学支援や県の若者チャレンジ応援プロジェクトなど、色々な応援の仕組みが整っておりますので、ぜひ皆さん積極的に遠慮なく活用してほしいと思います。
県が今進めている「希望学」、これはブータンなどいろいろな国との関係もありますが、この研究によりますと行動は希望を生む大きな力です。我が国では、世界各国に先駆けて本格的な人口減少・高齢化社会が到来します。取り巻く環境が大きく変化しております。また、東日本大震災の被災から1年を経過し、ようやく今、復興が始まったところです。引き続き厳しい状況にありますが、こうした時こそ、皆さんとともに希望を持って行動することが大事だと思います。
県立大学では、下谷学長を中心に社会の変化に対応する新しい大学づくりを進めていらっしゃいます。皆さんも希望を高く掲げ、困難や逆境にひるまず行動することで成長し、福井県ひいては我が国を担う人材に育ってほしいと思います。
皆さんの中には、県外から入学された方もいらっしゃると思います。福井県は、子どもたちの学力、体力が日本一の県であります。また、お米のコシヒカリの発祥の地でもあります。また、昨年は日本一幸福度の高い県であるという統計結果をいただいております。そういう所でございますので、これから福井県で様々な良さを学生生活で満喫してほしいと思います。
ここ福井の地での皆さんの学生生活が、輝かしい未来への第一歩となりますことを心からご期待申し上げまして、お祝いのごあいさつといたします。おめでとうございました。
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