越前塗山車・山車会館の完成記念式典 知事祝辞

最終更新日 2012年9月19日ページID 018660

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 このページは、平成24年9月15日(土)にうるしの里会館で行われた、越前塗山車・山車会館の完成記念式典での知事祝辞をまとめたものです。

 越前塗りの山車および山車会館が立派に完成し、本日ここに盛大に記念式典が開催されますことを心からお祝い申し上げます。

 越前漆器協同組合におかれては、昭和24年の設立以来、伝統技術を受け継ぎながら、時代のニーズに合った漆器づくりの指導、育成に努められ、漆器産地の発展のために尽くしてこられました。これまで、産地の皆様と工業技術センターとの共同研究により、食器洗浄機や電子レンジに対応する漆器の開発など、先端技術を取り入れた新製品開発を行うことにより、新たな需要を開拓してこられました。

 しかし、伝統的工芸品の漆器は、日本人のライフスタイルの変化に加え、リーマンショック以降の世界的な不況の煽りを受け、この産地の生産額はピーク時の約120億円から約50億円に減少しております。

 このような中、新たな市場を開拓するため、新たな大型製品である山車の製作に取り組まれ、越前漆器の高度な技術・技法を駆使し、また、井波彫刻協同組合と協働して完成されました。これは、越前漆器産地が、塗りから蒔絵や沈金などの加飾まで全工程を行える全国でも数少ない産地として、多様な需要に対応できるという強みがあるからこそ実現したものです。あいさつ写真

 山車を見てみますと、土台はケヤキの木目が美しく映える木地呂塗りが施され、そこに鯖江の伝統行事である「やんしき踊り」、「おこない」や「殿上(でんじょう)まいり」、鯖江市の鳥である「おしどり」などが蒔絵・沈金で描かれており、とても華麗で迫力があります。さらに、山車の屋根には金箔が貼られ、美しさを際立たせています。

 一方、山車会館については、隣接している建物の職人工房に合せ、土壁塗で鎧板(よろいいた)塀仕上げの和風なつくりとなっており、建物の2階からも山車を眺められるなど、様々な角度から観覧できるようになっています。

 組合におかれましては、完成した山車および山車会館を活かし、全国の山車の漆塗り需要を取り込むため積極的に営業活動を展開してください。また、漆器製作・実演などの体験施設と併せ、新たな観光資源として活用され、恐竜博物館、一乗谷朝倉氏遺跡や越前和紙の里などと連携した広域観光の一拠点として、地域の活性化に努めてください。

 最後になりましたが、越前漆器協同組合の発展と本日ご参集の皆様の健勝とご活躍を祈念申し上げまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

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