このページは、平成２５年３月２３日（土）に越前町朝日生涯学習センターで行われた、越前丹生農業協同組合第１２回通常総代会での知事祝辞をまとめたものです。

　一言ごあいさつ申し上げます。
　本日は、越前丹生農業協同組合の第１２回通常総代会が盛大に開催されますことを、心からお祝い申し上げます。

　皆様には、日頃から本県の農業振興や地域の活性化にご尽力をいただくとともに、県政の発展にご協力とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。

　貴農業協同組合におかれましては、区分集荷・販売のための施設整備など福井米の品質向上や、担い手・集落営農組織の育成、また、農産物の直売所として頑張っておられる「丹生膳野菜」を拠点とした地産地消の推進と安全・安心な農産物の提供、女性部を中心とした第６次産業化の推進、そして、県の花でもあります越前水仙のブランド力強化など、髙橋組合長を中心に、地域農業の発展に積極的に取り組んでおられることに対し、心から敬意を表します。

　さて、昨年は、県民一丸となり永年運動を展開してまいりました、北陸新幹線の金沢・敦賀間の着工が認可されました。今月には、中部縦貫自動車道の勝山市と大野市間が開通したします。明日いよいよ開通式となります。また、1年半近く後になりますが、平成２６年には、舞鶴若狭自動車道の全線開通、北陸新幹線の金沢開業、そして、中部縦貫自動車道が北陸自動車道と福井北ジャンクションで接続します。
　こうした数十年にわたる我々の要望してきた高速交通ネットワークがいよいよ具体化をいたします。多くの人が来ていただけるような、魅力ある「明るく強いふるさと福井」をつくるため、地方としての基盤を整え、皆さんとともに総力をあげて挑戦してまいりたいと考えています。

　さて、ただ今組合長から紹介がございましたが、２４年の福井米は、ご協力を得て進めてまいりました「五月半ばの適期田植え」や大粒化などの品質向上対策の成果により、うるち米の１等比率が８８パーセントとなり、特にコシヒカリにつきましては全国平均より１４ポイント高い９０パーセントということで、北陸４県では最も高くなっております。

　また、食味ランキングにおいても、最高ランクの「特Ａ」評価を得るなど成果を上げることができたところであります。

　今後は、すべての稲作農家のエコファーマー化や、すべてのＪＡで食味検査に基づく区分集荷・販売を進めるなど、「特Ａ」評価の継続、「おいしく環境にやさしい福井米」を一層ＰＲし、福井米のブランド化と販売の強化につなげていきたいと考えております。

　さて、ＴＰＰでありますが、安倍総理は、日本が国際的なルールづくりから取り残されないようにとの観点から、先般、交渉参加を表明しておられます。

　しかし、このことは、福井県の農業に大きな影響を与える恐れがあり、政府においては、具体的に農業分野にどのような影響があるのか、対策も含めてその内容について、我々国民に迅速かつ正確な情報を開示し、いやしくも農業に不利益とならない貿易づくりに向けた議論を進めることが是非とも必要と考えます。我々は、皆さんと力を合わせてこの問題に対応してまいりたいと考えております。

　ＴＰＰにかかわらず、福井の農業を儲かる強い産業に育て、美しい農村風景を次の世代に引き継いでいくことが私たちの務めであると考えます。

　その中でお米に関しましては、福井米のさらなる評価向上のため、すべてのカントリーエレベータにおいて食味検査に基づいた区分集荷を行う施設整備や、「こだわり米」の販路開拓による福井米のブランド力強化を図るため、福井米の新たな商品の企画・販売に対する支援を行ってまいりたいと思います。

　園芸に関しましては、大規模な露地栽培・生産設備の設置など、企業的に取り組む法人を支援することにより、園芸生産の拡大を図るとともに、次代を担う農業者の育成・確保にも、引き続き取り組んでいきたいと思います。

　そしてこの４月からでありますが、東京には今青山に「南青山２９１」がありますが、さらに銀座に、特にブランド野菜や海産物などを全国にＰＲしようとサテライトショップも出したいと思いますので、是非ともご活用していだきたいと思います。

　本県農業の発展のため、これらの施策とあわせまして、これからも皆様のような担い手をバックアップし、支援する施策を提案してまいりますので、今後も変わらぬご支援とご協力をお願いいたします。

　福井の農業は福井県民の健康と幸せの基盤を根っこで支えている大事な産業であります。子供たちの学力、体力も日本に誇れる福井県で、昨日も選抜高校野球では２校が出場し、それぞれ健闘し頑張っている県であります。

　どうか、この大元を支えている農業について、皆様の大きな力で今後とも引き続き福井の最も大事な産業として振興していただきますよう心からご祈念申し上げまして、ごあいさつに代えさせていただきます。おめでとうございます。