県中学校長研究大会での知事講話

最終更新日 2018年5月11日ページID 038651

印刷

 このページは、平成30年5月11日(金)に敦賀市で行われた、県中学校長研究大会での知事講話をまとめたものです。

 
 県中学校長研究大会の開催されるにあたり、お祝い申し上げます。

 さて、本日は県内の全中学校の校長先生が一堂に会し、研究主題に沿って研究を深めたと聞いています。子どもたちの学力向上と健全育成のため、日々御尽力されていることに心から感謝を申し上げます。

 まず福井は教育県として注目を集めています。昨年度は、すべての都道府県から2,700名を超える教育関係者が視察のために福井を訪れました。皆さんの先輩である牧野先生が、3年間和歌山県の改革や助言に行かれました。今年度から教育総合研究所長として就かれています。

 また、引き続き教員1名を県の東京事務所に派遣しています。私学や進学塾における指導方法や教材の分析を行うとともに、文部科学省や東京都教委が主催する研究会などにも参加し、本県の先生への多くの情報を提供するよう努めてもらっています。

 本県の学校で直接学ぶため、今年度は茨城県、埼玉県、長野県など6つの県から12名の先生に小・中学校などで勤務していただいています。皆さんの学校にもお世話になっています。一方、1名の先生を県外の学校に派遣し、他県から学んでいただいています。

 今年度から文部科学省初等中等教育局の国際教育課にも教員1名が専門職として赴任し、福井県が外国語教育の先進県ということで、国が進める外国語教育についての最新の動向を全国に普及しています。福井県の先生は頑張っています。

 さて、今日は、日頃皆さんが考えていること、大切にしていることをお聞きしながら、話をしていきたいと思います。
 校長先生として、やりがいがありますか。(全員挙手)
 楽しいですか。(約8割挙手)
 苦しいですか。(約8割挙手)
 先日は小学校の校長会で話をしましたが、小学校の校長がよかったと思いますか。(数人挙手)
 小学校と中学校と何が違いますか。
(A校長)子どもとの距離感が違うように感じます。小学校は子どもから声をかけてきますが、中学校では自分からかけています。

 やはり、小学校の校長先生とは苦しさや厳しさが違います。小学校に課題が無いわけではありませんが、中学校に比べると深刻さがそれほどではないかもしれません。思春期でもありますし、中学校は高校につながりますので、高校入試をどうしたらいいかという課題もあり、大変だと思います。でもやりがいがあると思いますので、がんばっていただきたい。中学校での問題解決が小学校にいい影響を与えますし、高校にもいいと思います。

 授業を見学された校長先生はいますか。(全員挙手)
(B校長)授業を見たり、生徒の様子や反応の様子を見たりして、空気を感じたいと思います。
(C校長)授業を見に行くのは、私が若い時から当時の校長先生は行っていました。

 どういう点を注意しますか。
(D校長)生徒と教員との関係を見ます。授業の発問や生徒の反応、生徒の返し方を見ながら、信頼されているのかをみます。

 信頼関係がつくられていない先生にはどんな助言をしますか。

(D校長)子どもといる時間を増やし、コミュニケーションをしっかりとることや授業での指示を明確にすることです。

 
 いつ助言しますか。

(D校長)教員を呼んで話をしたり、自分から話をしに行ったりすることもあります。

 いま言っていただいたように、教員を見ていただき、最前線で仕事をしていただきたい。どうしても校長になると、教頭や学級担任などに任せるということが多いと思いますが、できるだけ直接的に学級担任などと話をし、情報をとり、意見も聞いて仕事を進めることが大事です。緩やかな、しかし確かな指導を受けているという気持ちにさせてほしいです。学校運営には大切であると思います。

 ALTを紹介するときには、どこで誰が紹介するのですか。

(E校長)ALTが3人いますが、私は今年赴任しましたので、教頭が全校集会で紹介しました。

 ぜひ、校長が英語で紹介してください。原稿は英語の教員に作成してもらってもいいです。「もう校長になった」と考えるのでなく、「まだ校長になったばかり」と考え、チャレンジするする姿、努力している姿を見せることが大事です。挑戦してください。子どもにはいい印象が残ると思います。失敗しても結構です。自分の中にある潜在能力がどれくらいかがわかると思います。校長しかできませんから、チャレンジしていただきたい。

 英語教育で気をつけないといけないのは何ですか。

(F校長)最低ラインをあげることが大切で、使える英語、話せる英語であることが大切です。そのために、授業の中で、学校の中で、生活の中で、英語を使いたいという気持ちを持たせることが大切です。

 歴史についてどう思いますか。

(G校長)これから生きていく上で参考になる、繰り返しながら発展しているものだと思います。

 若い先生と英語について、歴史について、コミュニケーションをとっていただきたい。教員は一人ひとりなので、県庁みたいにはいかないと思いますし、ネットワークをつけるのも難しいと思いますが教員と日常的なコミュニケーションを取ってください。教員の機嫌をとってもいけないです。教員と一緒に学んでいく、教えていくということが大切です。

 国語教育では、漢字や漢文、古典を学習することは何の意味があるのか、何が楽しいのか、学習して何がいいのかを若い教員と話をしていただきたい。基本的なことを話していただきたい。国語をおもしろくしていただきたい。短歌や俳句、和歌などがすぐ口をついて出てくるような学識のある国語の先生を養成していただきたい。

 学校はものを言いやすい雰囲気であることが一番大事なので、お互いに意見を述べ合うことは重要です。そういう雰囲気をぜひとも校長が作ってください。

 ラジオ番組を聞いていますか。(約10人挙手)
 今日から英語のラジオなどを聞いてください。15分間の365日は膨大な情報ですから、今日から始めていただいたらどうでしょうか。教員にアドバイスしていただきたい。

 高校入試を全部解きましたか。(3人挙手)
 自分の専門分野だけを解きましたか。(全員挙手)
 校長は高校入試で投げかけている問題を実感していただく必要はないでしょうか。高校入試がすべてではないですが、あらゆることを知ることは大切です。

 では、次に全国学力・学習状況調査を解きましたか。(約4分の1挙手)

これは課題があるように思います。


 数学を教えるに大切にしていることは何ですか。

(I校長)基礎の計算は大切でありますが、日常の生活の中で、どう数学が使われているのかを実感させることが大切です。

 つまずいている分野は何ですか。

(I校長)函数や割合です。ものとものとの関係が難しいです。

 世の中は日々変わっていきますので、世の中に敏感になっていただきたい。学校運営をがんばっても、昔よりは感謝されなくなってきているかもしれません。学校がすべてではなくなっているからです。世の中は日進月歩です。自分の学校だけを見ていてはだめです。他の学校や他の県、外国に関心を持って、教育番組に興味をもっていただきたい。いい教育をするには、いろんな教育番組をみていただきたい。インターネットなどを見ると、おもしろく教えています。ぜひ見て教え方を改良していただきたい。


 ふるさとを大事にして、教育を進めることは大事です。橋本左内や由利公正、南部陽一郎など、福井にゆかりのある先人のエピソードを掲載した「ふるさと福井の先人100人」や、福井ゆかりの百人一首などを取り入れた独自教材「古典音読・暗唱ノート」を活用していただきたい。百人一首も覚えていただきたいし、子どもたちに和歌や古典などを記憶にしみ込ませていただきたい。


 子どもたちは、昔の人のことは古くさいと思い、先人に興味を示さないことがあると思います。これをどうするかが課題です。昔の人は、我々よりも若々しく野生的で元気であったというイメージを持っていただきたいと思います。ぜひ郷土教育を進めていただきたいと思います。


 今日は校長の心がまえとして大きく3点、最前線で仕事をすること、教員とコミュニケーションをとること、世の中の動きに敏感になることを申し上げました。ぜひ校長自らが学び続け、チャレンジしていってください。

 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、までメールでお送りください。

お問い合わせ先

(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)