2012年 新春知事対談

最終更新日 2012年1月2日ページID 016504

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 このページは、平成24年1月2日(月)にFBCテレビで放送されたおはようふくい730「知事対談 福井の明日をリード!羽ばたく!ふくいのアスリート」の内容をまとめたものです。
 好きなスポーツに打ちこんで素晴らしい成績をあげている選手や指導者のエピソードを聞きながら、平成30年の福井国体に向けてスポーツを盛り上げるための県の事業について、西川知事が語ります。
 ゲストは、バドミントンのアジアジュニアユース大会で日本人初の2冠に輝いた、勝山南部中学校の山口茜さん、自転車競技の少年男子スプリントで高校総体と国体で2冠に輝いた春江工業高校の野原雅也さん、光陽中学校ハンドボール部の監督で、監督として全国大会で優勝5回、準優勝4回に輝いた高野郁代さんの3名です。

(スポーツの魅力)


【司会】
 まずは、好きなスポーツに打ち込んで素晴らしい成果を上げている皆さんにその魅力を伺います。まず、山口さん、バドミントンのどんなところが好きですか。

【山口さん】
 スマッシュが決まった瞬間の気持ち良さが好きです。

【司会】
 続いて、野原さんにとって自転車競技の魅力はどこでしょうか。

【野原さん】
 風を感じながら、速いスピードで駆け抜ける感覚です。

【司会】 
 その感覚を味わってみたいと思いますね。
 高野先生、ハンドボールの魅力はいかがでしょうか。

【高野さん】
 「走る、投げる、飛ぶ」この三拍子が流れるようにつながったときに出てくるスピード感ですね。それから、体と体のぶつかり合い、これは球技の格闘技と言われるほど迫力があります。

【司会】
 私も高校の体育の授業でハンドボールをしたことがあるんですけれども、かなり激しいですよね。西川知事、3人の言葉を聞いていかがですか。

【知事】
 今日は正月早々、1つのスポーツに打ち込んでおられる皆さんのすごいパワーを感じて元気をもらった気持ちです。福井県の子どもたちは、スポーツ少年団の加入率が高く、また、運動習慣のある率も全国平均に比べて高いです。
 しかし、大人になりますと、あまり運動をしない方が多く、全国平均を下回ることが多いです。そこで、今日は、皆さんのいろんなお話を聞いて、スポーツを始めたり、あるいはスポーツを継続する、そういうきっかけにしてほしいと思います。

【司会】  
 スポーツは体力の向上以外にも仲間が増えたり、絆が深まるという魅力もありますよね。


(バドミントンで世界を!)

【司会】  
 では、早速バドミントンのアジアジュニアユース大会で日本人初の2冠に輝いた山口さんにお話を伺います。5歳でバドミントンを始めたということですが、きっかけは何ですか。

【山口さん】  
 2人の兄がバドミントンをやっていて、練習などについていくうちに興味を持って始めました。

【司会】  
 毎日どのぐらい練習していますか。

【山口さん】  
 1日に2~3時間練習しています。

【司会】
 そこまで頑張れるのは、どうしてですか。

【山口さん】
 勝山市はとてもバドミントンが盛んで、卒業した勝山出身の人や県外の大学生なども練習に参加してくれて、とても縦のつながりが強いです。そういった周りのサポートがバドミントンを続けて来ることができた一番の理由だと思います。

【司会】  
 高野先生、やはり周りからのサポートが大切ですよね。

【高野さん】  
 サポート体制がなければ選手は強くなっていきません。全日本に選ばれた選手たちも、どちらかというと家族よりも地域の方々に育てていただいたという感じがします。今、私が勤めている光陽中学校も、校区の中でスポーツ少年団の指導者や高校生、一般の選手と一緒の体育館で練習するという体制づくりが非常に大切になってきていると思います。

【司会】  
 いい選手が育つためには、環境づくり、これは欠かせないことですよね。


(平成30年福井国体に向けて)

【司会】  
 西川知事、平成30年の福井国体の期待が膨らみますね。

【知事】  
 こうした立派な選手をもっとたくさん育てるため、県はさまざまな事業を進めています。特に小学生の場合は、オリンピックのメダリストや国内の有名選手を先生として招いてスポーツ教室を進めています。
 それから、中学生や高校生から、およそ500人の選手を選抜し、認定証を渡して、強化合宿などのさまざまな教室を進めたいと思っており、山口さんには認定証授与式の際に選手宣誓をしてもらっています。

【司会】  
 平成30年というと山口さんは20歳ですね。地元福井での国体開催についてはいかがですか。

【山口さん】  
 今回、強化選手にも選ばれて、平成30年の福井国体までにはさらに技を磨いて地元で良い成績を残せるように頑張りたいと思います。

【司会】  
 西川知事、福井国体に多くの県民の皆さんに参加してもらおうと、県では3つの実施目標を掲げていますね。

【知事】  
 まず、「参加」です。これはさまざまな参加の仕方があると思います。県民の皆さんがご自分で選んでいただいて、ボランティアをしていただいても結構ですし、いろんな形で支えていただくということが基本にあります。
 それから、2つ目は、「スポーツ」。スポーツに親しんでいただく、この大事な問題に取り組もうと思います。
 3つ目は、福井にはすばらしい食べ物、自然、いろんなものがありますが、これを「自慢」していただくということですね。
 こういう3つの運動を平成30年に向かって進めたいと思います。

【司会】  
 我々、県民一人ひとりが福井国体の一員ということですよね。

【知事】  
 そうですね。「する、みる、支える」という運動を進めることになると思います。

【司会】  
 ぜひ、多くの皆さんに参加していただきたいと思います。
 さて、実は今日は皆さんに、思い出の一品をお持ちいただいています。
 山口さん、見せてください。

【山口さん】  
 アジアジュニアユース大会で2冠をとったときのメダルです。

【司会】  
 きらきら輝いていますよね。このメダルを手にしたとき、どんな気持ちでしたか。

【山口さん】  
 とてもうれしかったです。

【司会】  
 メダルがもっともっと増えるといいですよね。試合を振り返ってみるとどうでしたか。

【山口さん】  
 シングルスの決勝では、身長が高く、手足も長いインドの選手が相手だったんですが、大事なところでミスをせずにチャンスをしっかり決められたのが勝因だと思います。

【司会】  
 メダルをとるまでには大変なこと、つらいこと、悔しいこともあったんじゃないですか。

【山口さん】  
 去年の全日本総合バドミントン大会では、土壇場で逆転負けをしてとても悔しい思いをしたので、もっと精神力も技術面も鍛えていきたいと思います。

【司会】  
 その悔しさをばねにこれからうれしい報告を待っています。


(自転車を楽しむ!)

【司会】  
 続いては、競技自転車で大活躍の野原さんに伺います。親子2代にわたって競技自転車で大活躍ですが、野原さん、お父さんから何かアドバイスはあるんですか。

【野原さん】  
 ただ「頑張れ」とだけ言われています。

【司会】  
 でも、心強いサポーターですよね。西川知事、県でも自転車を積極的に利用してもらおうとさまざまな事業をされていますね。

【知事】  
 競技スポーツ以外に、普通の通学、通勤あるいは買い物などに環境にやさしく安全な自転車を愛用していただくことを進めています。健康のためにもなりますので、県内のさまざまなサイクリングロードの整備も進めています。
 また、最近では、特に石川県と福井県とが共同で、サイクリングロードの整備、マップ作成、イベントの開催などを積極的に行っています。
 また、車道と歩道との区別をもっとしっかりするなど、安全に運転できるようにするための整備もこれから積極的に行っていきたいと思います。

【司会】  
 野原さん、通学は自転車ですか。

【野原さん】  
 はい、ごく普通の自転車です。

【司会】  
 競技用自転車ではないんですね。

【野原さん】  
 はい、競技用じゃないです。(笑)

【司会】  
 練習ではふるさと納税で寄せられた寄付金で購入した自転車を使っているということですけども、その思いの詰まった自転車はいかがでしょうか。

【野原さん】  
 寄付していただいた皆さんの思いがこもっているようで、練習に力が入ります。また、今まで以上に自転車を大切にするようになりました。

【司会】  
 皆さんの思いを乗せて走り続けてくださいね。
 西川知事、ふるさと納税をした人の思いがしっかりと届いていますね。

【知事】  
 ふるさと納税については福井県から提案して国の制度として出来たものです。福井県は1年間に7,000万円を超えるなど、全国的に最もたくさんご寄付いただいている県だと思います。
 それから、昨年の大震災をきっかけに全国では10億円を超える寄付が集まっています。これを、スポーツや文化の面で具体的に使っていただくことにより、寄付者の気持ちを活かしていけるような動きをもっと加速したいと思います。

【司会】  
 西川知事が提唱したふるさと納税が全国に広まっていますよね。ぜひ、ふるさとへの貢献としてふるさと納税を多くの皆さんにしていただきたいと思いますね。

【知事】  
ぜひともお願いします。


(アジアを舞台にチャレンジ)

【司会】  
 さて、山口さんはアジアジュニアユース大会で2冠、そして野原さんは韓国のトップ高校生に勝利ということで、アジアを相手に堂々の成績を収めていますが、高野先生、ハンドボールはいかがでしょうか。

【高野さん】  
 韓国は非常に強いです。昔は日本のほうが強かったんですが、今は逆転されていますし、1つの県に1つの学校、そこでハンドボールをやる。一極集中という形で強くなるためのシステムが整っています。

【司会】  
 そういった外国の選手の体制づくりなど、選手たちも刺激を受けますよね。

【高野さん】  
 特に勝利に対する執着心は、非常に学ぶべきところがあると思います。

【司会】  
 西川知事、福井県もさまざまな分野でアジアには注目していますよね。
 
【知事】  
 アジアは、特に経済面で発展している地域ですから、アジアの活力を取り入れるため、昨年は上海にビジネスサポートセンターを設けて、福井県の中小企業の皆さんがアジアで活躍する後押しをしています。
 スポーツについても、オリンピックなどでは中国をはじめ、アジア勢がたくさんのメダルをとるようになりましたよね。すると日本だけがとれなくなってはいけないので、同じようにメダルをもっととれるようにアジアの皆さんとの交流も深めながら、スポーツ力を向上する、こういう動きの中で国体を進めたいと思います。

【司会】  
 メダルの期待が膨らむのが野原さん、そして山口さんですが、周りからの期待がこれほどまで大きいとプレッシャーというのは感じますか、山口さん。

【山口さん】  
 小さな大会に出ても周りから注目されることが多くて、大変な面もありますが、そういったプレッシャーをばねにして、今まで出たことのない大会に出たり、高度な技の修得などにどんどんチャレンジしていきたいと思います。

【司会】  
 野原さんはいかがですか。

【野原さん】  
 勝たないといけないというプレッシャーで、大きな試合の前日は寝れないことが多いです。
 でも、勝ったときの喜びやチームメートの励ましもあって、ここまで乗り越えてくることができました。今後もどんどん高いレベルにチャレンジしていきたいと思います。

【司会】  
 2人のチャレンジを、私を含めて多くの皆さんが応援していますからね。
 西川知事、福井県では若者のチャレンジを応援していますよね。


 (若者チャレンジ支援)

【知事】  
 今日は中学生や高校生のしっかりしたお気持ちを持ったお話を聞いて、本当に安心し、また逆に、励ましをいただいたような感じになりました。もう少し大きな年齢の方も含めて、若者に元気を出してほしいと思います。これは雇用とか、結婚とか、子育ての問題にも関係しますよね。
 そこで、昨年末、「若者チャレンジクラブ」を若い皆さんでつくっていただいて、さまざまな分野で、国内もそうですが、海外にも出かけていただくという動きを強めています。今後、積極的に行政の立場で若者の活動を応援し、女性の活躍、あるいは高齢者の皆さんの活躍に連携させる方向で臨んでいきたいと考えています。

【司会】  
 パワーとか可能性が膨らんで期待が大きいですね。

【知事】  
 若い皆さんに頑張っていただくと地域が活力を持ちますよね。

【司会】  
 そうですよね。
 では、続いて野原さんの思い出の一品を見せていただきたいと思います。野原さん、何でしょうか。

【野原さん】  
 競輪選手のプロテストの合格通知です。

【司会】  
 その合格通知はいつ手元に届いたんですか。

【野原さん】  
 先月12月16日に届きました。

【司会】  
 どんな気持ちでしたか。

【野原さん】  
 すごくうれしかったです。

【司会】  
 また、新たなチャレンジのスタートですよね。将来、どんな競輪選手になりたいと思っていますか。

【野原さん】  
 自分の走りを見ている人たちが、わくわくするような走りをして、「自転車って格好いいな」と思ってもらえる選手になりたいです。

【司会】  
 プロ選手として福井をますます盛り上げていってくださいね。
 西川知事、福井県にはプロスポーツで活躍する選手もたくさんいますよね。

【知事】  
 特にプロ野球、あるいはボクシングですか、人口の割には非常に多くの選手が出ている県ですよね。最近はプロとアマの区別があまりないかもしれませんね。連続しているかもしれませんし、スポーツ全体として私たちに力、あるいは希望を与えてくれますよね。そこで、プロやアマを問わずに、全体に福井県がスポーツで頑張れる県になってほしいと思います。


(女子ハンドボールを有名に!)

【司会】  
 続いてはハンドボールの指導者として活躍されている高野先生にお話を伺います。
 どういった思いでハンドボールを教えられていますか。

【高野さん】  
 技術面だけでなく、ハンドボールを通して同じ目的を持った生徒たちが高い意識の中で仲間を思いやったり、それから、人の気持ちが分かったり、感謝したり、そういうことが身についてくれたらいいなと思っています。
 それから、厳しい練習ですけれども、その中で本当に楽しい、厳しいけれども楽しいという本物の楽しさを味わってほしいと思っています。

【司会】  
 ヨーロッパではハンドボールの人気が大変高いようですね。

【高野さん】  
 サッカーに次いで2番目ぐらいに人気はあります。
 女子のプロリーグもありますし、非常に人気の高いスポーツです。

【司会】  
 日本でも、もっともっと盛んになってほしいというお気持ちがあるんではないですか。

【高野さん】  
 韓国では金メダリストが主役になった映画が大ヒットするなど、高い人気を誇っていますので、日本でもぜひ盛んになって、オリンピックに出場してほしいと思っています。

【司会】  
 福井国体の国体競技でハンドボールがありますから、また広がりそうですよね。

【高野さん】  
 本当に、魅力を持った素晴らしいスポーツだということをたくさんの方々に知っていただいて、ぜひ会場に足を運んでいただき、福井国体をきっかけにオリンピック出場、そしてオリンピック選手が生まれてきたらいいなと思っています。


(体力全国トップの福井の子どもたち)

【司会】  
 そうですね。高野先生、これまで全日本選手を6人も育てられてきたわけですけれども、大切なことは何でしょうか。

【高野さん】  
 その子たちに共通していることは、基本技術がきちんと身に付いていること、それから身体能力が非常に高いということ、それから特出すべき特徴、背が高いであるとか、左利きであるとか、走るのが速いとか、そういうものを持った選手が非常に伸びていっています。

【司会】  
 西川知事、基礎的な身体能力については福井県の子供たち大変素晴らしいですね。

【知事】  
 スポーツの基本を支えるのは基本動作ですね。福井県の子どもたちは学力もそうですが、体力も日本一の成績を収めていますよね。ですから、こういう規則正しい生活と学校での先生のご指導が重要だと思います。
 今、高野先生のご指導を見まして非常に具体的で、実践的で、人間的ですよね。先ほどの野原さんの先生、あるいはお父さんもきっとそんな教え方をしておられると思いますが、具体的な指導と子どもたちの体力を高めることが一体となって、福井県のスポーツ、あるいは国体に向けての成績向上が見えてくるのかなと思いました。

【司会】  
 高野先生、子どもたちを指導していて、いかがですか、そういった実感というか。

【高野さん】  
 福井県の子どもたちは、運動能力は高いと思います。小学生で4人に1人がスポーツ少年団に加入していることとか、中学生の運動部への加入率が、少し減ってきているとはいえ、5%以上全国平均を上回っています。
 全日本選手もそうですが、小学校時代からバスケットや陸上をやっていたりして、身体能力を高める基本的な能力を身に付けています。

【司会】  
 そういった日々の習慣が全国トップの体力ということにつながっているんですよね。

【高野さん】  
 中学校での体育などもそうだと思います。

【司会】  
 では最後に、高野先生の思い出の一品を見せてください。(教え子たちからの写真入りの寄せ書きアルバムを見て)ハートがいっぱいですね。

【高野さん】  
 これは生徒からもらった思い出の品です。これは全国大会に優勝したときの時代の子たちがくれたものです。

【司会】  
 メッセージもたくさん書いてありますね。

【高野さん】  
 本人と保護者からのメッセージが入っています。

【司会】  
 先生の愛のある指導がまた子どもたちや保護者の皆さんから愛で返ってきてるわけですよね。

【高野さん】  
 この子たちのパワーをもらって、私も今日まで頑張ってきています。


(今年の抱負、将来の目標)

【司会】  
 皆さんの宝物を見せていただきましたけども、最後に皆さんに今年の抱負や将来の目標をお伺いします。

【山口さん】  
 今年は3年生で中学校最後の年なので、まだ優勝していない全国中学生バドミントン大会でぜひ優勝したいです。また、個人だけでなく団体でも良い結果を残してみんなと一緒に喜べたらいいなと思います。

【野原さん】  
 まずは、高校生活残り3カ月で最後の合宿などを通し、後輩たちにノウハウを伝えられたらいいと思います。また、自転車の面白さや素晴らしさを広めていきたいです。

【高野さん】  
 まずは今年の5月にあるオリンピック最終予選に勝って、オリンピックにぜひ出場してもらいたいし、オリンピックで活躍できる選手を育てていきたいと思います。それから、ハンドボールをメジャーにしていきたいと思います。

【司会】  
 西川知事、最後に一言お願いします。

【知事】  
 一流のスポーツ選手に頑張っていただいて、その魅力を伝え、夢を県民に与えてほしいと思います。また、地道な努力ですね、例えば握力が弱いという学校で、地道に握力の指導をするとか、こういうことを組み合わせて福井のスポーツ王国を築いていくことが大事だと思いました。私も行政の立場で、頑張ってバックアップします。
 

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