2017年 新春知事対談

最終更新日 2017年1月3日ページID 034631

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 このページは、平成28年1月3日(火)にFBCテレビで放送された新春知事対談の内容をまとめたものです。
 番組では、地域のにぎわい創出や地域住民のために活躍されている皆さんのそれぞれの活動を聞きながら、西川知事が来るひとも住むひとも楽しい福井県の実現について語りました。
 ゲストは、芦原温泉とあわら市のにぎわい創出のために活動しているあわら湯けむり創生塾塾長の前田健二さんと、えちぜん鉄道代表取締役社長豊北景一さんです。

(北陸新幹線について)
【司会】  
 知事、いよいよ新幹線の方向性が固まりましたね。
【知事】   
 はい。県を挙げて40年以上にわたって運動してきました小浜-京都ルートが決定されました。
 この結果、福井から京都、大阪までの移動時間がびっくりするくらい短縮します。例えば福井から新大阪までは2分の1、小浜から新大阪は4分の1くらいになります。
 これによって観光の振興が大きく図られ、ビジネスチャンスも広がるとともに、将来には福井県から関西への通勤・通学も可能になると思います。
【司会】  
 北陸新幹線は県内のにぎわいの大きな鍵になりますね。
【知事】  
 環境は整ったと思います。

(地域づくり)
【司会】  
 にぎわいづくりには地域づくりも大事になってきますが、前田さん、あわら湯けむり創生塾はどういった活動をされているんですか。
【前田】  
 芦原温泉内の旅館にある温泉とセントピアあわらという共同浴場のうち、3カ所の温泉に入れる湯めぐり手形を販売しています。
 また、えちぜん鉄道のあわら湯のまち駅の前に屋台村を10店舗運営し、駅前はにぎわっています。
 それと、JR芦原温泉駅、あわら湯のまち駅で観光案内業務をしています。そして、あわらおもてなしキャラクターの「湯巡権三(ゆめぐりごんぞう)君」を観光PR大使として、あちこちでPR活動を続けております。
【司会】  
 前田さんはその活動が認められまして、昨年、国土交通省から地域づくり表彰を受けられましたが、これからの励みになるではないですか。
【前田】  
 はい。昨年11月に国土交通省から日本政策投資銀行賞をいただきました。私たちの取り組みがビジネスモデルとして継続性が高いということで表彰され、非常にうれしかったですし、みんな喜んでいます。
 非常にモチベーションも上がってよかったんですが、その上の大臣賞がまだ残っていますので、引き続き、芦原温泉開湯140年に向けて大臣賞を目指したいなと思っています。
【司会】  
 福井を代表する温泉街がこれからどのように育まれていくのか、楽しみにしています。
 知事、このような魅力あるまちづくりに対して、県ではどういった支援をしていますか。
【知事】  
 市町の観光スポットをスケールアップすることが大事ですよね。芦原温泉では、大変好評な無料で入れる足湯「芦湯(あしゆ)」の整備、石畳の温泉街の応援をしてきました。
 そのほか、勝山市の旧料亭跡の花月楼、南越前町の北前船主の館、小浜市の旧芝居小屋「旭座」の整備やまちの駅の応援をしてきました。
 こうしたことで観光地の魅力が高まってきましたので、交通関係がよくなったのと合わせて観光の大きな力になってきていると思います。
【司会】  
 昨年はえちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れも始まりましたね。
【知事】  
 はい。知事に就任した時から、えちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れが必要だろうということで努力してきました。
 線路やシステムの問題など、難問を抱えておりましたが、福井市の応援も大きな力となり、相互乗り入れができたと思います。
 さらに、えちぜん鉄道、福井鉄道、それぞれが新しい車両を購入するなど、さまざまな努力が実を結んだと思います。
【司会】  
 豊北さん、相互乗り入れを始めて、どういった実感をお持ちですか。
【豊北】  
 昨年の4月から11月までに相互乗り入れ区間を利用された方はおよそ9万2,000人と、田原町駅で乗り換えが必要だった一昨年同期のおよそ3倍となっています。
 特に丹南方面から福井商業高校や啓新高校などに通う生徒からは、「駅から学校までの歩く時間が減り、楽になった」という声も聞いています。
【司会】  
 えちぜん鉄道を利用される方は増えましたか。
【豊北】  
 はい。えちぜん鉄道全体で昨年の4月から11月までの利用者数は一昨年同期よりも4%多く、特に通勤定期利用者は11%も増えています。これは相互乗り入れ開始、まつもと町屋駅の新設、福井駅西口再開発ビル「ハピリン」オープンなどの効果があらわれていると言えます。
 相互乗り入れに合わせ導入した低床車両「ki-bo(キーボ)」も温かく優しいデザインが人気で、利用者増加の要因の1つだと思います。
【司会】  
 黄色くてかわいいお顔の「ki-bo(キーボ)」ですよね。
 知事、相互乗り入れに合わせて福井駅周辺の整備も進みましたね。
【知事】  
 はい。福井鉄道が駅前に延伸し、バスターミナルも立派になりました。それから、JR、えちぜん鉄道も駅前全体で結ばれ、全国的に珍しいコンパクトに集中する整備ができたと思います。
 駅に降りた人たちは全ての鉄道、交通関係が目の前に見えるので使いやすいです。福井は雨や雪がよく降りますが、屋根ができましたので、濡れずに鉄道などに乗れると思います。
 それから、福井市の頑張りもあり、ハピリンがオープンし、いろんな意味で全国的に誇れる駅前になったと思います。
【司会】  
 観光客にとっても、私たちの生活にとっても、便利になりましたね。
【知事】  
 はい。その通りです。

(地域をつなぐ観光)
【司会】  
 前田さん、えちぜん鉄道に乗ってあわら温泉に来る観光客は増えたという実感はありますか。
【前田】  
 北陸新幹線が金沢につながって関東のお客様が増えていますが、宿泊よりも観光に来る人が非常に多いです。県庁所在地である福井市内に泊まり、えちぜん鉄道で屋台村まで食事に来る人が何人もいますので、効果はあると思います。
【司会】  
 えちぜん鉄道に乗って、田園風景も楽しんでほしいですね。
【前田】  
 坂井平野のすごく広大な敷地に植えられた緑や秋に見られる稲の黄金色などは非常にいい景色だと思います。
【司会】  
 豊北さん、えちぜん鉄道では観光客向けのサービスがありますよね。
【豊北】  
 はい。当社では、芦原温泉の旅館組合と連携し、芦原温泉宿泊フリー切符を2,000円で販売しております。宿泊日と翌日の2日間、えちぜん鉄道乗り放題となり、さらに、宿泊料金1,000円がキャッシュバックされるというものです。
 また、恐竜博物館に向けてはきょうりゅう電車といった企画列車の運行や、恐竜セット券という恐竜博物館の入場券とえちぜん鉄道1日乗り放題、恐竜博物館までのバス往復利用券を組み合わせた割引切符を販売し、観光地への誘客を図っています。
【司会】  
 知事、地域との連携を高めると、さらなる観光誘客につながりますね。
【知事】  
 はい。ネットワークを強化することが大事だと思います。この春、いよいよ中部縦貫道が福井から勝山、大野まで整備され、県内の主要都市が全て高速道路で結ばれます。
 この機会に、県と沿線市町が力を合わせて、例えば奥越の恐竜博物館、六呂師高原、そして今年は白山の開山1300年ですので、平泉寺を結びつけて、観光客がネットワークでいろいろ見れるようにしていきたいと思います。

(おもてなし向上・人材育成)
【司会】  
 観光客の皆さんには、いろいろな地域をめぐってほしいですよね。
 豊北さん、観光客に満足してもらえるように、おもてなしに関してはどのようなことを心がけていますか。
【豊北】  
 当社では、「鉄道業ではなく、地域共生型サービス業」を合い言葉として、安全運行をベースにサービスの向上に努めています。その1つが女性アテンダントの電車への配置です。切符の販売やお年寄りの乗り降りの補助、観光案内などを行っています。
【司会】  
 えちぜん鉄道に私も乗ることがありますが、女性アテンダントの皆さんの細やかなお心遣いに癒やされるし、安心します。
 前田さん、おもてなしについてはいかがですか。
【前田】  
 屋台村は全店舗、地元の食材を使った料理を提供しているので、地域の食材にも触れられます。
 また、それぞれが8人ほどしか座れない狭い店舗なので、地元のお客様と観光のお客様が触れ合え、知らない者同士が急に仲よくなれます。観光のお客様が地域に住んでいる人と触れ合える、それが最高のおもてなしだと思っています。
【司会】  
 地域の人とかかわり、交流があると、旅も味わい深いものになりますね。
【前田】  
 はい。ただ見るだけでなく、人に触れるというのはみんなが目指すおもてなしだと思います。
【司会】  
 そうですね。
 知事、観光誘客に向けたおもてなしの向上や人材育成についての課題、取り組みなどはいかがですか。
【知事】  
 北陸新幹線の金沢開業により、観光客が非常に増えていると思います。でも、せっかく福井県にお見えになっても、おもてなしが十分じゃないといけないので、もっとレベルアップする必要があると思います。
 このために、旅館、レストランの従業員、ドライバーの方、ガイドさんたちなどにいろんな知識と最新の技術を身につけてもらうように頑張っています。
 他にも、福井県出身のJTBの田川会長などに来てもらい専門的な観光の知識について直接講義をしていただき、新しい形の観光あるいは誘客に努めたいです。
【司会】  
 福井県に住む一人一人が福井県のPR隊だという意識で、福井をより深く知って、愛して、発信していけたらいいですよね。
【知事】  
 はい。真心と専門的な知識が融合してバックアップする必要があると思います。

(今後の抱負)
【司会】  
 では、最後に、抱負を教えていただきます。
 まずは、豊北さん、お願いします。
【豊北】  
 えちぜん鉄道は今年で開業14年を迎えます。これからも皆さんの生活の足として、また、観光路線として地域活性化のお役に立つよう、全社を挙げて取り組んでいきます。
 特にパーク・アンド・ライド駐車場の増設や新しいサービスの導入で、通勤客や日中の買い物客、観光の利用者を増やしていきたいと思います。
 また、相互乗り入れをきっかけに、これからも利便性の高い公共交通になるよう、努力を続けていきたいです。
 現在、当社の福井駅から福井口駅までの高架事業を平成30年6月末の運行を目指し進めています。福井の顔となる大きな事業であり、地域鉄道としての責務を果たしていきたいです。
【司会】  
 そして、前田さんはいかがでしょうか。
【前田】  
 オリンピック、福井国体、新幹線の敦賀延伸、そして何といっても9年後の芦原温泉の開湯140周年など、大きなイベントが盛りだくさんですので、さらに屋台村の運営などを頑張っていきたいです。
 人づくりが大事なので、今のメンバーにさらに加えて、地域づくりに魅力を感じ一緒に地域づくりをやってもらえる女性を増やしていきたいと思います。
【司会】  
 西川知事、お願いします。
【知事】  
 これから数年間は福井国体、また、前田さん、豊北さんからさまざまな努力について紹介がありましたが、立地条件が良くなりますので、これをしっかり土台にしながら観光客でにぎわう福井県にしていきたいと思います。
 そして、我々住んでいる人たちが楽しみ、福井県に来た人も幸せを感じる、まちづくり、あるいは観光地づくりに努めたいです。
【司会】  
 幸福度日本一の福井県がよりにぎわうことを願っております。
 今日はどうもありがとうございました。
【一同】  
 ありがとうございました。

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