2018年 新春知事対談

最終更新日 2018年1月3日ページID 037438

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 このページは、平成30年1月3日(水)にFBCテレビで放送された新春知事対談の内容をまとめたものです。
 番組では、福井の新しいブランド米「いちほまれ」のブランド化や生産に携わった皆さんにそれぞれの活動について聞きながら、西川知事が、いちほまれを日本を代表するお米に育てていくための今後の戦略について語りました。
 ゲストは、株式会社CUISINE KINGDOMの代表取締役 中沢美佐子さんと、加藤農産代表 加藤秀信さんです。

(いちほまれの生産について)
【司会】
 さて、昨年は福井県の新しいブランド米「いちほまれ」の販売が始まりましたが、加藤さん、出来栄えはいかがでしたか。
【加藤】
 昨年は長雨や日照不足などが続き、天候に恵まれませんでしたが、そのような状況の中でも、1年目からおいしいお米ができたと思います。
 いちほまれは特に稲が倒れにくく、病気にも強いので、育てやすかったです。
【司会】
 雨や風に負けず、無事に出荷ができて、まず、一安心ですね。
 そして知事、いちほまれは農家の方からの評価も高いんですよね。
【知事】
 そうですね。今、加藤さんがおっしゃったように、「いちほまれ」はつくりやすく、それから、天候や病気にも強く、農薬も少なくて済む、環境にも優しい、そういうお米なんです。そして、「コシヒカリ」をつくった福井県の農業試験場が満を持して、6年の歳月をかけて、およそ20万種類の中から選抜した1つですので、すばらしいお米だと思います。 コシヒカリを超えるお米の決定版であると自負しています。
【司会】
 福井県からエリート米が誕生しましたね。
【知事】
 おっしゃるとおりです。
【司会】
 ポストこしひかりブランド化戦略会議の委員を務めていらっしゃった中沢さん、「いちほまれ」の魅力はどこにあると思われますか。
【中沢】
 コシヒカリを生んだ福井県だからこそという、安心感というんですか、真面目にきちんとつくっているお米だということがよくわかります。それと同時に、ロゴにしてもネーミングにしても奇をてらったものではなくて、とても王道感があって、さらに安心感を与えるお米だなと感じます。
【司会】
 知事、委員の方から評価をいただいて、心強いですね。
【知事】
 そうですね。もともと前評判のいいお米だったと思います。名前を募集した際、全国から10万件を超える応募がありました。普通のブランド米ですと、1桁少ないぐらいかと思いますので、それだけ人気があり、消費者の皆さんのご期待に応えられるお米だと思いますね。味、白さ、粒感など、どれをとってもすぐれたお米です。
 日本穀物検定協会が科学的に調査をしたところ、10人のうち7人の方がいちほまれをおいしいと感じることが分かりました。通常のブランド米ですと大体5人ぐらいの方がおいしいと感じるそうですので、実力は十分のお米だと思います。コシヒカリをはるかに超えるいちほまれ、こういうふうに我々は売り込んでいきたいと思いますね。
【司会】
 専門家のお墨つきをもらっていますよね。
 このおいしいいちほまれを消費者の皆さんに届けるためには生産者の皆さんの力が不可欠になると思うんですけども、加藤さん、どのような思いで生産されていますか。
【加藤】
 生産者として、いちほまれというブランドを大切に守っていきたいと思います。少しでも品質が十分でないものが出回ると、消費者に悪い印象を与えてしまい、ブランドのイメージが崩れることにつながりかねないので、生産者は足並みをそろえていちほまれをつくらなければいけないと思います。
 また、自分の農場では記録をつけて生産管理を行っています。農家ごとに得意な栽培の方法を生かしたいちほまれをつくればいいと思います。
 例えば私は大規模な農場で生産しているので生産量が多いのですが、特別に細かい管理は行き届かないところもあります。でも、小さい農家ですと、有機栽培など特殊な管理を得意としている場合があります。そうした中でいろいろなタイプのいちほまれをつくり、消費者の選択肢の幅が広がると満足度も高まるのではないかと思います。
【司会】 
 選べるいちほまれ。おもしろいアイデアですよね。
 また、高品質を保っていくことも重要になってくると思うんですけども、知事、いちほまれの品質を守るために県ではどういった取り組みを行っていますか。
【知事】
 消費者の皆さんに安心していちほまれを買っていただく必要がありますから、生産者の皆さんのすぐれた栽培技術をしっかり統一しなければいけません。水の管理や田植えの時期、刈り取りの時期などを決めて、マニュアルをつくりながら、生産者全体が優れたいちほまれを栽培し、販売していく必要があると思います。その中でいろいろな特徴を持ついちほまれを楽しんでいただくことが大事かなと思っております。

(いちほまれのPR戦略について)
【司会】
 いちほまれをまず知ってもらうためにはPRも大事になってくると思うんですけども、中沢さんは戦略会議でどういった提案をされたんですか。
【中沢】
 戦略会議では、まず、ターゲット、つまりどういう人にこのお米を食べてもらいたいかということをしっかりと決めていくということがPRにつながるいうことを申し上げました。
 それと同時に、いちほまれの魅力をきちんと伝える人選び。一過性に終わるのではなくて、いちほまれの本当のすばらしさ、良さというものをしっかりと伝えてくれる人を選んでいくということも必要だと思います。
【司会】
 発信側のファンも増やしていきたいですよね。
 そして、加藤さんは生産者の立場として、消費者に対してどういったふうに「いちほまれ」をPRしたらいいと思いますか。
【加藤】 
 安全・安心において、品質管理を徹底して栽培しているので、安心して買っていただきたいと思います。また、そのためにGAP認証などを福井県全体の生産者に取っていただき、生産者自体のブランド力を高めていけたらと思います。
【司会】
 知事はいちほまれのおいしさを消費者の皆さんに知ってもらうためにどうしたらよいとお考えですか。
【知事】
 中沢さんをはじめ戦略会議の皆さんから助言を受けながら、まずは昨年、首都圏と県内で試験販売を行いました。飽きのこない、しかしインパクトのあるブランドにしたいという思いで、名前の募集、米の袋の形、色、ロゴの発表会などを次々に行い、消費者の皆さんの関心を集めてきました。私も東京の百貨店で販売をしましたが、あっという間に完売し、上々の滑り出しだったなと思います。
 いちほまれは、炊き方が重要でありますので、販売店の店頭では、専門のコンシェルジュによっていちほまれの性質に合う料理の仕方を消費者の方に伝えるなどして売り込んでいきたいと思います。
【司会】
 首都圏でのPRを強化しているんですね。
 そして、売れ行きも好調のようで、いちほまれの人気の高さがうかがえますね。中沢さんはプロの料理人の方と関わる機会が多いと思うのですが、いちほまれの評判を耳にされたことはありますか。
【中沢】
 ちょうどこの10月にいちほまれを使った首都圏でのレストラン・プロモーション、新米を味わうフェアが開催されていたんですけれども、その中でミシュラン星付きレストランのシェフたちと話す機会がありました。
 そこで伺ったのは、今、ブランド米がいっぱい出てくる中で差別化をするのは非常に難しいと。ただ、いちほまれというのは、見た目で白さと艶感、あと、食べてみると粒感というものがわかりやすいということでした。それと同時に、料理と一緒に提供する中で、すごく主張し過ぎない。甘さであったり香りであったり、全てがバランスがよいというようなお言葉を、皆さんおっしゃっていました。

(いちほまれのこれから)
【司会】
 主役としての存在感もあって、名脇役にもなれる。すばらしいお米ですよね。
 最後に、今後、どのようにいちほまれに関わっていかれるのか、お二人にお尋ねします。
 まず、加藤さん、お願いします。
【加藤】
 消費者の皆さんに喜ばれるような、また、経験を生かして、おいしい「いちほまれ」をつくっていきたいと思います。
【司会】
 本格販売に向けた期待はいかがでしょうか。
【加藤】
 いちほまれが高く売れれば生産者も頑張ってたくさん作ろうという気持ちになると思いますし、そうすれば福井の農業がもっともっと元気になっていくと思います。いちほまれは特においしいので、きっと高く売れると思います。
【司会】
 そして、中沢さん、いかがですか。
【中沢】
 私は料理人のための情報誌『料理王国』を発行しています。ですから、料理人たちと接点が非常にありますので、彼らから直接、いろいろなおいしい食べ方だったり提供の仕方だったりというようなアドバイスなんかを聞き取って、また、知事にお伝えしたいと思います。
【司会】
 いちほまれのPRについてのアドバイスはありますか。
【中沢】
 これは私の希望ですけれども、福井県にいっぱい人が来てくださって、そこで食べたお米がおいしいかったという思い出を持ち帰って、いろんな方に伝えていただきたい。それと同時に、「またあのお米を食べたい」というふうに口コミでどんどん広がっていくような、そういう人たちをどんどん増やしていくPRにつなげられたらと思っています。
【司会】
 口コミの力は強いですからね。
 では、最後に、知事、お願いします。
【知事】
 今年はいよいよ2年目、本格販売の年ですので、東京などの首都圏に加え、関西、中京圏にも販路を広げたいと思います。
 そして、国体・障スポの年でもありますね。間もなく新幹線や中部縦貫道もさらに延びていきますので、多くの方が福井に来られますから、このチャンスを生かしてまいりたいと思います。
 これから、いちほまれを日本一、また世界一のお米に育てていきたいと思います。そのためには消費者の皆さんに親しまれ、愛され、日本一のお米になる必要がありますので、特にJAの皆さんと力を合わせながら、お米屋さん、あるいは料理人の皆さん、いろんな方の協力をいただきながら売り込んでいきたい思います。
【司会】
 日本一おいしい誉れ高きお米、いちほまれがコシヒカリのように大きく、ここ福井県から大きく羽ばたいていってほしいと思います。
 中沢さん、加藤さん、西川知事、どうもありがとうございました。
【一同】
 ありがとうございました。

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