第395回定例県議会知事提案理由説明要旨
平成29年 2月 15日 第395回定例県議会
知事提案理由説明要旨
福 井 県
第395回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および平成29年度当初予算、平成28年度2月補正予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。
昨年の12月20日、40年以上の長きにわたって県民の念願でありました北陸新幹線小浜京都ルートが決定しました。県議会をはじめ、県選出国会議員、市町、経済界、その他多くの方々とともに一丸となった運動の成果であり、改めて心からお礼を申し上げます。
今後、北陸新幹線の敦賀開業、中部縦貫自動車道の県内全線開通など高速交通基盤の整備を進め、本県を取り巻く交流環境をここ数年の間で大きく変革いたします。これによって県内各地域の結びつきを強固にすることはもとより、東西南北の4つのゲートをさらに大きく開き、人や情報の行き来を活発化させ、本県の一層の発展につなげてまいります。
そこで昨年春に取りまとめた「高速交通開通アクション・プログラム」を改訂し拡充いたします。国内のみならず海外との交流・交易の拡大を図るとともに、若狭湾エリアの新たな地域構想を検討してまいります。
また、恐竜化石や一乗谷朝倉氏遺跡、年縞、里山里海湖など本県固有の資源を磨き上げるとともに、近隣府県とも連携し、ブランド・魅力の発信を国内に限らず海外に向けても強化してまいります。
さらに近年、若い人たちのバイタリティが広く発揮されてきており、誠にうれしく心強く感じています。先月には、全国競技かるた名人位決定戦の決勝が福井県勢同士の対決となり、来月には、映画のモデルにもなった福井商業高校チアリーダー部「JETS」が日本代表として全米選手権5連覇に挑むなど、様々な分野において目を見張る活躍が相次いでおります。日本トップクラスの評価を受けている子どもたちの学力・体力や県民の幸福度だけでなく、こうした若者たちに受け継がれてきた福井が持つ優れた実力を今後存分に発揮して、新しい時代をひらく産業の振興や福祉、教育の充実などを進め、県民一人ひとりの暮らしの豊かさをしっかりと発展、充実、さらに飛躍させてまいります。
新年度は県勢発展の基盤の充実に力を注ぐこととし、当初予算においては、「高速交通体系の整備」「定住人口、交流人口の拡大」「魅力発信の強化」に重点をおきながら、人口減少対策の充実や未来を担う人材の育成、県内企業の活性化、農林水産業の振興、国体・大会の準備など、「福井ふるさと元気宣言」に掲げているいずれも重要な施策を、全力をあげて加速させてまいります。
それでは当面する県政の主要な課題について申し上げます。
まず北陸新幹線の整備促進について申し上げます。
金沢―敦賀間については、29年度の政府予算案において1,340億円の事業費が盛り込まれ、うち本県分として今年度の約1.7倍となる871億円が確保されております。
敦賀以西のルートについては、結論が先送りされた京都―新大阪間について、国土交通省による南回りルートの追加調査の結果が今月中にも与党検討委員会に報告され、来月中には与党としての結論が得られる予定であります。来年度からは、国土交通省において敦賀―新大阪間の環境アセスメントの前提となる詳細なルートや駅の位置を決める調査を行う見込みとなっております。
北陸新幹線の開業効果を早期に発現させるためにも、北海道新幹線札幌開業より早い大阪までの全線開業が必要であります。
今後は、県議会、市町、経済界はもちろんのこと、これまで以上に沿線府県との連携を強化し、特に関西から大きな声を上げていただいて、財源の確保と早期の着工、完成、開業を政府・与党に強く求めてまいります。
次に用地取得および工事の進捗状況について申し上げます。
用地取得については、えちぜん鉄道が仮線運行している新幹線建設予定地など来年度以降の取得が確実な用地を含めた取得率は8割となっております。引き続き、鉄道・運輸機構や沿線市町とともに速やかな用地取得に全力を挙げてまいります。
九頭竜川橋りょう工事については、8基の下部工のうち、これまでに左岸側の4基が完成し残る4基の工事を進めるとともに、上部工についても昨年11月から始めております。また1月からは竹田川橋りょうの工事にも着手いたしました。今後も、更地化や埋蔵文化財調査を終えたところから、速やかに工事を進めてまいります。
新幹線駅周辺の整備については、駅へのアクセス道路について、南越駅(仮称)から国道8号までの約600m、敦賀駅東から国道8号バイパスまでの約700mの区間を県道として新たに認定し、来年度から調査・測量、用地取得等に着手いたします。
また駅周辺のまちづくりについては、敦賀市金ケ崎エリアの賑わい創出に向け、赤レンガ倉庫に続く新たな集客施設の整備や、敦賀駅構内にあった転車台など鉄道遺産の活用方策について、市とともに検討してまいります。
この他、地域交通の革新については、旧京福電鉄永平寺線跡「永平寺参ロード」を利用した県内初となる電気自動走行の実証実験の誘致を、永平寺町とともに進めております。県としましては、自動走行に必要となる路面の補修などを支援し、観光客や高齢者等の移動手段として新たな交通システムの確立をめざしてまいります。
県都デザイン戦略に基づく福井城址「山里口御門」の復元については、櫓門屋根の下地となる板を張り終え、現在、笏谷石を使った石瓦を葺く工事などを行っております。
また来月には、「福井」の由来とも言われている井戸の「福の井」が福井城天守跡に整備、完成いたします。天守台周辺での茶会に利用するなど幅広く活用いただき、福井の歴史を身近に感じていただく一助になればと考えております。
次に、原子力行政について申し上げます。
原子力発電所の再稼働については、今月13日、県原子力安全専門委員会を開き、県内のプラントにおいて進められている安全対策の実施状況について事業者から説明を受けました。引き続き、国や事業者に対し、原子力発電の必要性や重要性に対する国民理解を深めるよう求めるとともに、国の審査状況や事業者の安全対策の達成状況等を厳正に確認してまいります。
こうした中、先月20日、高浜発電所敷地内においてクレーンが倒壊する事故が起こり、今月8日に、関西電力から事故の原因と対策について説明を受けました。事業者は、最も安全性が求められる原子炉建屋の周辺において工事を行っているという緊張感と責任を忘れず、安全管理に努めることが何より重要であります。県としましては、他のプラントを含む安全管理の総点検の結果や情報伝達・指揮命令など工事管理体制の改善について、改めて報告するよう求めているところです。
「もんじゅ」については、昨年12月21日、廃止措置に移行するとの政府方針が示されましたが、今後の廃止措置の体制などについては、引き続き、政府との間で協議を行うこととなっています。
原子力行政は、国と立地地域の信頼関係の上に成り立つものであります。地元に十分な説明がないまま、わずか3か月余りで拙速に方針転換する政府の姿勢に対しては、強い不信感を抱くものであります。
12月27日、松野文部科学大臣は廃止措置について、「4月を目途により詳細な体制や計画を提示する」、「事前に県や敦賀市の十分な理解を得た上で進める」との考えを示しました。これに対し、県としましては、県民に対する丁寧な説明を改めて要請するとともに、現場の運営体制の強化について、内閣官房を含め政府一体となって、地元が安心できる具体的な提案を行うよう強く求めたところです。
国においては、地元を軽視した一連の経緯を深く反省し、今後の運営体制が将来にわたって安全かつ安心できるものとなるよう、早急に国民・県民に政府の考え方を示し、地元と十分に議論を深める必要があると考えます。
次に、原子力防災対策について申し上げます。
原子力災害制圧道路については、美浜第3トンネル(仮称)菅浜工区の仮契約を終えており、今議会において決議いただいた後すみやかに工事に着手いたします。これにより半島部に7つあるトンネル全ての工区で工事が行われることになります。また、県道舞鶴野原港高浜線においても神野難波江トンネル(仮称)の工事に着手いたします。
以下、主な施策について「福井ふるさと元気宣言」に沿って申し上げます。
まず、「元気な社会」についてであります。
人口減少対策については、市町や経済界、大学などと協力し「ふくい創生・人口減少対策戦略」を随時改訂しながら進めております。
特にU・Iターンの促進については、福井Uターンセンターでの相談件数が既に昨年度を超える5,444件となっており、今年度1月末のU・Iターン者数も目標の500人を大きく上回る574人となっております。その中でミレニアル世代と言われる30代前半までが7割を占めることから、引き続きこの世代を中心に働きかけを強化してまいります。
来年度からは新しい試みとして、福井ゆかりの著名人に協力いただき、福井の恵まれた環境や魅力ある暮らしを紹介するラジオ番組を首都圏等において放送することとしております。
交流人口の拡大については、都市部の元気な中高年層を対象に福井に生活の拠点をおいて中長期間滞在する、いわゆる二地域居住の拡大を新たに進めてまいります。また、都市部の大学生が夏季休暇などを利用して一定期間県内に滞在し、企業の商品開発等に携わる「ふくいワークキャンプ」を行い、将来の移住につなげてまいります。
結婚支援については、地域の縁結びさんや結婚相談員の新たな活動拠点として、生活学習館内に「ふくい縁結び交流室」を来月18日から開設いたします。結婚支援セミナーや縁結びさんによる結婚相談会などを行い、若者の出会い応援と結婚への機運を盛り上げてまいります。
次に、医療・福祉について申し上げます。
子ども医療費については、国は、平成30年度から窓口無料化した場合に国民健康保険の国庫負担金を減額調整する措置について、未就学児までについては廃止する方針を決定しました。
県としましては、さらに中学校3年生までのすべての子どもについて自己負担分を除き窓口無料化することとし、減額される国庫負担金については県が全額負担いたします。新年度は、30年度からの運用開始に向けた支払システムの改修を行います。
「ふくい健康の森」については、開設後20年以上が経過したことから屋外施設のリニューアルを行い、より多くの地域からさまざまな世代が集まる施設となるよう再整備いたします。県内初となるスケートパークや屋外イベントが可能な大型屋根を設けるなどして、平成31年春のオープンをめざします。
県立病院については、昨年4月に開設した「脳心臓血管センター」を充実するため、外科手術と内科のカテーテル治療を同時に行うハイブリッド手術室を設け、迅速で感染リスクの少ない安全な治療を可能といたします。また「こころの医療センター」については、精神と身体の合併症患者の増加に対応するため「精神科救急・合併症病棟」を新たに設けます。
次に、教育について申し上げます。
「教育に関する大綱」に基づき一人ひとりの学力を伸ばしていくため、小中学校において、各学校の優れた指導法や教材をまとめた県独自の教材・確認テスト集を作成し、授業改善を進めてまいります。また高等学校においては、教科ごとの到達度確認テストの分析結果をもとに授業を改善してまいります。
さらに退職教員等による部活動指導の改善や校務の統一的な効率化を進め、教員が授業づくりに力を注ぐことのできる環境を整えてまいります。
英語教育については、平成32年度から全国で予定されている小学校での教科化を、本県では30年度から2年前倒しして実施し、児童に負担のかからない授業をめざしてまいります。そのため、指導案や独自教材の開発、教員への研修を進めるとともに、外国語指導助手(ALT)と話す機会を増やし、話せる英語力を伸ばしてまいります。
教育研究所については、4月15日から「教育総合研究所」として春江工業高校跡地に移転し、新たな教育課題の対応や教材づくりなど学校への支援機能を強化いたします。また新たに福井ゆかりの教育者や教育の歴史を紹介する「教育博物館」を設け、未来への教育研究遺産として発信してまいります。
次に、環境行政について申し上げます。
年縞研究展示施設については、平成30年度の開館に向け整備を進めるとともに、スマートICからの利便性を高める連絡橋の整備や縄文ロマンパーク全体の魅力向上等について、若狭町とともに検討を進めてまいります。また、年縞研究者による講演会や展示施設見学会、立命館大学による中高校生を対象にしたサマースクールなどを開くとともに、今後さらに世界に発信できる年縞研究や教育、そして新たな教育観光へと広げてまいります。
「おいしいふくい食べきり運動」については、本県が呼びかけ「外食時のおいしい食べきり共同キャンペーン」を年末年始にかけて行い、県内全市町に加え全国18道県62市区町村が参加しました。今後さらに、外食時における持ち帰りの普及や全国展開しているレストランなどと共同してこの運動を進めてまいります。
次に、「元気な産業」について申し上げます。
最近の経済情勢については、国は1月の「月例経済報告」において、「一部に改善の遅れも見られるが緩やかな回復基調が続いている」と基調判断を据え置き、また「福井県内経済情勢」においても「県内経済は緩やかに回復している」としております。トランプ新大統領就任による米国の政策の動向に留意するとともに、引き続き県内の経済団体等と緊密な情報交換と対応を行ってまいります。
海外への販路拡大については、昨年11月に県議会、経済団体等とともに香港とシンガポールにおいて食文化の提案会や商談会を行った結果、甘えびや越のルビー、日本酒など現地の10店舗との取引が始まっております。また香港貿易発展局のベンジャミン・チャウ上席副総裁が、本日来訪され、繊維や眼鏡、食品、工芸品など交易拡大について相互協力する覚書を締結いたします。これからさらに、人気が高い梅酒やトラウトサーモン、眼鏡など現地小売店での常設販売などにより、輸出の増加につなげてまいります。
併せて小松空港については、石川県と協力して香港をはじめとするアジア各国と結ぶ国際線の新たな路線を開拓してまいります。
県民衛星プロジェクトについては、現在、衛星の設計を行っており、来年度から製造に着手します。また、県内企業が今後も衛星の製造を受注できる環境を整えるため、工業技術センターに熱真空試験機などを整備します。さらに県民衛星の打上げを計画している平成31年度において、「第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)」の本県開催が内定しました。宇宙産業の振興、サイエンス教育の充実につなげてまいります。
中小企業の経営支援については、金融機関等と協力して新たに5億円規模の投資ファンドを設けます。株式公開をめざす企業に対し専門家による経営指導や投資を行い、事業規模の拡大や雇用の確保、創出を促してまいります。
越前陶芸村に整備している「越前古窯博物館」については、本年秋の完成をめざし建築工事を進めております。越前焼の変遷を知る上で貴重な国の登録有形文化財「水野コレクション」を展示し、その文化的価値を発信するとともに、福井の伝統工芸品を使用した茶会を開くなどブランド力向上や丹南エリアへの誘客拡大につなげてまいります。
海外クルーズ客船の誘致については、敦賀港において大型クルーズ船の寄港が可能となる施設整備が来月完了いたします。そして今年9月と10月には、乗客定員2,700名の誇るアメリカの大型クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」が初寄港いたします。福井ならではの食や伝統芸能などで歓迎し、次なる誘致につなげてまいります。
次に、農林水産業の振興について申し上げます。
ポストこしひかり(越南291号)については、新品種にふさわしい名称を全国から募集した結果、10万7千件の応募がありました。他県の例を上回る最高の応募件数となり、注目度の高さが伺えます。平成30年度からの本格販売に向け、県内はもとより全国の消費者に愛され、特に首都圏において高い評価が得られるよう、効果的な販売や情報発信を工夫してまいります。
園芸については、ふくい園芸カレッジの卒業生など新規就農者や若手農業者に対し、スイカ、メロンなどを組み合わせた周年出荷に必要な園芸ハウス団地の整備を支援してまいります。
また、園芸研究センターにおいて、園芸や薬草について学習・体験・交流できる施設を美浜町とともに整備してまいります。
中山間地域の振興については、新たな農業ビジネスを展開するため、県産ブドウを活用したワインを醸造する施設の整備を支援します。併せてブドウ栽培や醸造技術、ワイナリーの経営方法を学ぶワインカレッジを平成30年度に開設いたします。
林業については、特にいわゆるA材の利用を拡大するため、都市圏での大規模展示会や大手ハウスメーカーとの商談会などを行い、デザイン性の高い内装材や不燃木材など付加価値の高い製品を売り込んでまいります。
水産業については、生産・加工技術の研究や人材の育成を行うため、小浜市に設置予定の水産学術産業拠点の基本構想を来月末までに策定してまいります。来年度からは拠点構想の一環として、トラウトサーモンの中間育成施設、マハタの種苗生産施設を整備し、最先端の養殖技術の開発や種苗供給を進めてまいります。
次に、観光とブランド戦略について申し上げます。
観光誘客の拡大と観光消費額の増大を図るため、各市町と連携し県内6エリアにおいて、周遊・滞在型の観光推進計画を策定しております。今後、ハード・ソフトの両面から各エリアの魅力づくりを進めてまいります。
また近隣府県とも連携して、魅力発信の強化に努めてまいります。泰澄大師白山開山1300年を記念したキャンペーンを石川県や岐阜県と行うほか、滋賀県・京都府とともに観光促進協議会を3月に設け、日本遺産や鉄道遺産を活かした誘客を行ってまいります。
日本政府観光局の統計において2016年の訪日外国人旅行者数は、2,400万人を超え過去最多となっておりますが、旅行形態も、いわゆる「爆買い」と言われる買物中心の「モノ消費」から、体験重視の「コト消費」へと変化がみられます。
そのような中、外国人誘客のブランドである“ZEN”を視覚的に紹介するブローシャーを先月作製いたしました。日本の歴史や文化に関心を持つ海外からの旅行者等への営業に活用し、誘客拡大を進めてまいります。またSNSを活用し、本県ならではの魅力である恐竜や食、歴史、文化、自然などを発信してまいります。併せて、そば打ちや鯖寿しづくりなど外国人が福井の文化を体験できるプログラムの充実も進めてまいります。
一乗谷朝倉氏遺跡博物館(仮称)の整備については、今年度、展示の基本設計を行いました。建設予定地において発見された石垣などの保存方策を検討するためスケジュールに変更が生じましたが、平成33年度の完成をめざし、引き続き建物の基本設計、展示の実施設計を進めてまいります。
第2恐竜博物館の整備については、機能や展示についての基本的な考え方などについて有識者らと検討を進めており、来月中に基本構想・計画(案)を取りまとめる予定であります。引き続き、整備の候補地や施設の配置計画を調査、整理するとともに、官民の役割分担、来館者拡大策などを検討してまいります。
平成30年に開催する幕末明治福井150年博(仮称)については、市町や商工・観光団体等による準備委員会を設け、実施計画の策定作業を行っております。併せて、県内各地の博物館等での企画展実施に向けた準備も進めてまいります。また来月19日と20日には、JR福井駅前においてプレイベントを開き、政治・産業・教育など各分野において新しい時代を切り拓いた福井の先人の功績や考え、当時の人々の暮らし等を楽しくわかりやすく紹介してまいります。
次に「元気な県土」について申し上げます。
中部縦貫自動車道の永平寺大野道路については、全線開通時期が本年夏前までに延期となり、一日も早い開通を求めてまいります。現在、軟弱な地質帯が確認された永平寺町轟地区の法面対策や浅見地区の地質改良と盛土工事を進めております。
大野油坂道路の大野東~和泉間については、白谷川橋の下部工が12月に完成し、上部工に着手しております。また和泉~油坂間については、川合地区、長野地区に続き、12月から大谷地区での用地取得を始めました。
また敦賀港の鞠山南地区の第2期整備については、ふ頭用地の整備について、年度末までに全体の約2割となる25万㎥の土砂を投入する予定となっております。先月9日には、石井国土交通大臣が敦賀港を視察した際、国直轄の岸壁整備について「前向きに検討する」との発言がありました。
中部縦貫自動車道の平成34年度までの県内全線開通と鞠山南地区の岸壁の早期着工を実現するため、今月10日、関係市町とともに国土交通省に対し要望いたしました。引き続き、県選出国会議員、県議会、沿線市町と一体となって、国に強く求めてまいります。
次に、「元気な県政」について申し上げます。
平成30年の「福井しあわせ元気国体」まで、2年を切り591日となりました。
競技会場施設の整備については、県営体育館の整備が来月完了いたします。4月8日には完成式典およびプロバレーボールチームの親善試合などの記念行事を行い、供用を始めます。また、来年度末までにはテクノポート福井総合公園スタジアムや越前町営朝日総合運動場など10施設が完成し、改修等が必要な施設の整備がほぼすべて完了する予定です。
その他の準備についても、来年度、県外開催も含めた37種目のプレ大会において競技進行や送迎などのシミュレーションを行い、本大会の成功に万全を期してまいります。また、公式ポスターや参加章・記念章の制作や総合開・閉会式典に向けた練習などを進めてまいります。
国体と障害者スポーツ大会の融合に関しては、国体開会の約1か月前から障害者スポーツ大会閉会までを、県民スポーツ交流期間とし、障害の有無にかかわらずスポーツを通して交流できるイベント等を行います。また全国で初めて、両大会の略称を「国体・障スポ」と定め、融合をPRしてまいります。さらに国体会期中に車椅子バスケットボールと車いすテニスの競技会を行うこととし、市町や競技団体等とともに会場の準備や運営体制などの検討を進めてまいります。
競技力の向上については、今年の愛媛国体での10位以内、そして福井国体での優勝をめざし、県、体育協会、全競技団体が一丸となって、選手強化を着実に進めております。昨年の国体の結果分析を基に、必要な強化費を予算化し更なる向上を図ってまいります。日本代表クラスの有力選手の獲得のほか、ふるさと選手の愛媛国体からの出場、強豪チームとの対戦の増加などにより、接戦を勝ち抜く力やメンタル面を強化してまいります。
次に、ふるさと納税について申し上げます。
今年度12月末までに県および市町に行われたふるさと納税額は約9億円、前年同時期の約2倍となり、地域を元気にする事業に活用することとしています。来年度からは、寄付者に対し恐竜博物館の特別ツアーを提供するなど本県独自の仕組みにより、継続的な寄付の確保を図ってまいります。
また制度の健全な発展のため、賛同する自治体や民間事業者とともに、制度本来の趣旨を広げる運動を行ってまいります。
以上、予算および事業を含めて申し上げましたが、その結果、29年度当初の一般会計予算額は4,719億円を計上しました。
歳出については、中部縦貫自動車道整備や国体競技会場へのアクセス道路の舗装補修などの公共事業のほか北陸新幹線の建設負担金など、投資的な経費を1,042億円余計上するなどいたしました。
一方、歳入については、県内企業の動向や地方財政計画を考慮し、県税収入は1,074億円、地方交付税は1,297億円などといたしました。
また、28年度2月補正予算については、国の「地方創生拠点整備交付金」を活用し、ロボット研究開発施設の整備などを実施するほか、事業費の確定に伴う減額補正を行うものであります。この結果、28年度一般会計の累計額は4,702億円となります。今年度末の県債残高は4,962億円、基金残高は180億円となり、いずれも第四次行財政改革実行プランの目標を達成する見込みとなっております。
最後に、第20号議案の福井県手数料徴収条例の一部改正については、建築基準法の改正に伴い手数料の新設等を行うものであります。その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由にもとづき提案した次第です。
以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題等について申し上げました。なにとぞご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。
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