第418回定例県議会提案理由説明要旨

最終更新日 2021年9月6日ページID 047709

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                                                                       令和3年  9月 6日                                                                第418回 定例県議会


                     知事提案理由説明要旨


                                               福 井 県

                                     

  

 

  

  

  

  

 第418回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和3年度9月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 はじめに、7月29日に福井市西部から越前町を中心に降った大雨により、志津川で堤防が決壊したほか、各地で越水・溢水による被害が発生しました。また、先月中旬の全国的な大雨により、県内でも土砂崩れなどの被害が発生しました。

 被災されたみなさまにお見舞いを申し上げますとともに、被害を受けた河川堤防、護岸、道路の速やかな本復旧や、再度の災害を防止するための対策を実施してまいります。

 

 今回の東京2020オリンピック・パラリンピックでは、本県ゆかりの選手が過去最多の20人出場し、世界最高の舞台で見事な活躍をされました。中でも、フェンシング男子エペ団体の見延和靖選手が日本フェンシング史上初、野球の吉田正尚選手、栗原陵矢選手がオリンピック正式競技として初となる金メダルを獲得し、このコロナ禍において、県民に大きな感動と希望を与えてくれました。

 心からお祝いを申し上げますとともに、3選手に「福井県栄誉賞」を授与し、その功績を称えたいと考えております。

 

 インターハイについては、一部競技での感染者の発生や出場辞退など、新型コロナウイルスの影響を受ける中での大会運営となりましたが、無観客での開催やマスク着用、消毒の徹底など、最大限感染防止に努めながら、大きな混乱なく先月24日までの全日程を終了することができました。

 先月13日に開催された総合開会式では、オンラインで秋篠宮皇嗣殿下にお言葉を賜り、同妃殿下とともに、県内の高校生とご交流いただきました。

 また、競技大会では、ボートやホッケー、体操での優勝をはじめ、多くの競技において入賞を果たすなど、県内の高校生も素晴らしい成績を収めたところです。

 開催に当たり、準備や広報活動に取り組んでこられた高校生のみなさんをはじめ、大会開催に向けご尽力いただいた会場地市町や学校、競技団体関係者ならびにご支援いただいた企業、団体のみなさまに心から感謝申し上げます。

 

 新型コロナウイルス感染症について申し上げます。

 県内では、7月下旬以降、感染者が急激に増加したことから、先月6日に福井県緊急事態宣言を発出し、県境をまたぐ旅行・帰省等の原則中止・延期や飲食店に対する営業時間の短縮などを要請しております。

 今回の措置にご理解とご協力をいただいております県民や事業者のみなさまに、心から感謝を申し上げますとともに、全国で感染拡大が続いている状態にあることから、今後も引き続き、みなさまのご協力をいただきながら、感染の抑制を図ってまいります。

 ワクチン接種については、先月末時点における1回目の接種率が7割となり、特に先行して接種した高齢者は9割と高い水準にあります。本県における接種に必要なワクチンは来月上旬までに供給される見通しであることから、市町、医療機関、経済界等と十分連携しながら、来月末までに希望者が接種を受けられるよう努めてまいります。

 医療体制については、新たに病床を20床、軽症者用の宿泊療養施設を70床確保し、合計640床にまで拡充いたしました。今後とも、医療体制の確保・拡充を進め、さらなる感染拡大に備えてまいります。

 最近の経済情勢については、国は8月の月例経済報告において、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している。」とされております。

 県としては、県独自の緊急事態宣言や時短要請等の影響を受け、売上げが減少した幅広い業種の方々に支援が届くよう、「中小企業者等事業継続支援金」の対象を拡大し、引き続き、苦しい状況に置かれている県内事業者を支援してまいります。

 また、県内の感染状況が改善したのちには、デジタルバウチャー「ふく割」の追加発行や「GoToEatキャンペーン」の販売再開、県産食材を活用した「マスク会食推進キャンペーン」等を実施するなど、県内消費の喚起に努めてまいります。

 

 観光業については、依然として厳しい状況にある事業者を支援するため、県内の感染状況や国の動向等を踏まえ、「ふくい de お得キャンペーン」の冬シーズンにおける割引上限額の引上げ、県内スキー場等におけるリフト券購入等への支援、さらには国の「GoToトラベル事業」の再開後における県の上乗せ支援などを行い、県内外からの誘客促進を図ってまいります。

 

 高速バス・タクシー・運転代行事業者等については、コロナ禍の長期化が経営に与える影響を踏まえ、車両維持のための経費について、県として追加の支援を行ってまいります。

 

 林業については、通称ウッドショックと呼ばれる、海外の木材需要の増大に伴い、県内においても建築用輸入木材が入手しづらい状況が続いております。これを契機として、住宅建築における輸入木材から県産材への転換を支援し、県産材の需要拡大と安定供給を図ってまいります。

 

 県内の雇用情勢については、7月の有効求人倍率は1.83倍となり、都道府県別では16か月連続で全国1位となっております。特に介護福祉や製造業、情報通信等の成長産業や人手不足分野では有効求人数が増加傾向にあることから、今後、これらの分野への労働移動を促進し、雇用の安定化を進めてまいります。

 

 次に、北陸新幹線の整備促進について申し上げます。 

 金沢・敦賀間については、県内の土木工事がほぼ完了し軌道等の設備工事に移行するとともに、敦賀駅部については、予定を約1か月前倒して本日より建築工事が開始されるなど、順調に進捗しています。令和5年度末までの開業が確実に実現するよう、引き続き、工程および事業費を確認してまいります。

 

 敦賀・新大阪間については、7月に開催された与党整備委員会に京都府知事、大阪府知事、関西広域連合長とともに出席し、早期整備に全面的に協力することで一致しました。私からは、貸付料の算定期間延長など財源確保策についても提案しました。

 先月18日には、北陸新幹線建設促進同盟会として、令和5年度当初の着工と一日も早い全線開業を政府・与党に要請しました。今後も、関西をはじめとする沿線府県や経済界との連携を一層強化しながら、その実現を強く求めてまいります。

 

 新幹線開業後の特急存続については、6月議会での議論を踏まえ、新快速乗入れ等に関する検討を行うとともに、沿線市町の意向を確認しました。新快速乗入れ等についても、特急同様、多額の初期投資や運営赤字の発生が見込まれ、沿線市町からは、並行在来線の収支悪化による財政負担の増加への懸念が示されました。

 県としては、特急存続に代わる対策として並行在来線での快速列車の運行等を行うこととし、先月26日に実施したJR西日本の長谷川社長との会談において、敦賀駅での乗換利便性の確保を求めるとともに、並行在来線の資産譲渡について基本合意に至ったところです。

 

 並行在来線については、県、沿線市町、経済団体、利用者団体等からなる「並行在来線対策協議会幹事会」を先月開催し、運行計画や運賃水準、経営安定化策、鉄道利用促進策など基本事項を定めた経営計画の案をとりまとめました。今後、県議会や市町のご意見も伺いながら、来月には計画を決定し、開業に向けた具体的な準備を着実に進めてまいります。

 

 ローカル線の維持・活性化について申し上げます。

 7月に、JR西日本が小浜線および越美北線の列車ダイヤの減便について公表しました。これまで県議会、沿線市町とともに、性急な減便を行わないよう要請してきたところであり、今回の減便は遺憾であります。

県としては、日常利用・観光利用の両面からの利用促進に向けて、沿線市町と利便性確保に向けた協議を継続するとともに、新幹線開業を見据えた観光誘客策についても具体的に提案するよう、JR西日本に対し、強く求めてまいります。

 小浜線、越美北線をはじめ、並行在来線などの地域鉄道は、地域にとって不可欠な社会インフラです。今後も、地域鉄道の維持・活性化に向け、法整備を含め安定的な経営に対する支援策を講じるよう、県議会、市町と連携しながら、国に対し要請してまいります。

 

 中部縦貫自動車道大野油坂道路については、7月7日に議長および高規格道路建設促進議員連盟会長とともに、国および与党幹部に対し、全線開通に必要な予算確保と着実な工事推進を要請したところです。引き続き、県選出国会議員、県議会、沿線市町と協力し、一日も早い全線開通を国に強く働きかけてまいります。

 

 名古屋事務所については、今月1日、名古屋駅前に開所いたしました。中部圏は、中部縦貫自動車道や冠山峠道路の開通により、今後、ビジネス・観光面で交流の拡大が期待できるエリアであり、事務所開設を機に、企業誘致をはじめ、UIターン、観光誘客など、営業活動を強化してまいります。

 

 今後10年間の主要な道路整備箇所の見通しを示す「道路整備プログラム」について、事業化を目指す箇所を含めた最終案を今回取りまとめました。「福井県道路の将来ビジョン」の実現に向け、来月にはプログラムを決定し、効果的・効率的な道路整備を進めてまいります。

 

 次に、北陸新幹線開業に向けた魅力発信について申し上げます。

 アンテナショップ「食の國 福井館」については、「ふくい南青山291」の物販機能を集約しながら、銀座1丁目のより人通りの多いエリアの物件に移転拡充することとし、来客数の拡大を目指してまいります。今後、南青山も含めた両館の運営事業者を募集し、令和4年度中のオープンに向けて準備を進めてまいります。

 

 一乗谷朝倉氏遺跡博物館(仮称)については、令和4年10月の開館に向け、1年前イベントを来月に開催するほか、戦国列車の運行準備やまちなかでのサテライト展示など、さまざまな工夫を凝らし、新博物館や遺跡の魅力を全国に強く発信してまいります。

 

 北陸新幹線福井・敦賀開業に合わせ開催を予定している「ふくい桜マラソン」については、大会ロゴマークの選定など機運を盛り上げるための仕掛けを進めていくとともに、大会開催に向けて参加者を拡大していくため、街中でのランニングコースやランニングステーションの整備など、多くの県民がマラソンに挑戦しやすい環境づくりを進めてまいります。

 

 次に、子育て支援について申し上げます。

 来月1日から、すべての妊婦と子育て世帯が県内の店舗や企業で割引・特典などの優待サービスを受けられる、「ふく育」応援事業を開始します。

 これに合わせて、「ふく育」応援団登録店舗で使える「ふく割」クーポンを発行することとしており、今後は、クーポンの発行回数を増やし、県内企業の応援団への参加を一層促進しながら、社会全体で妊娠や出産、子育てを応援する機運をさらに高めてまいります。

 

 児童相談所・一時保護所の再整備については、鉄筋コンクリート造りを計画していた児童相談所についても、一時保護所と同様に木造とする方針といたしました。ストレス抑制効果のある県産材の活用を図りながら、児童が落ち着ける環境となるよう、令和5年度の完成に向けて整備を進めてまいります。

 

 次に、教育について申し上げます。

 平成27年に開校した高志中学校の1期生がこの春に高校を卒業したことから、検証委員会を設置して中高一貫教育の方向性を議論し、先月27日に報告書が取りまとめられました。

 高志高校については、理数や国際教育を強化する専門学科への移行を進めるほか、高志中学校からの進学生と高校からの入学生が刺激し合うクラス編成を行ってまいります。

 また、金津、丹生、美方高校については、市町と連携し、中高一貫で取り組む探究プログラムの策定や、オンライン等も活用した高校教員による先取り学習など特色ある教育を進めてまいります。

 

 聴覚障がい教育の支援については、嶺南地区の聴覚障がい児や保護者にとって、専門機関である嶺北のろう学校までの送迎が大きな負担となっていることを踏まえ、今後、嶺南東特別支援学校内に聴覚検査に必要な機器の整備を行い、新年度からは、嶺南地区において聴覚検査や相談、支援を受けられる体制を構築してまいります。

 

 原子力政策について申し上げます。

 次期エネルギー基本計画案については、国の総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会における議論を経て、9月3日からパブリックコメントが実施されているところです。

 計画案では、2030年度の電源構成における原子力比率を現在の6%を20~22%程度に引き上げることが示されております。さらに、2050年に向けては必要な規模を持続的に活用していくとして、安全性等に優れた炉の追求などの技術開発や人材育成を進めることなどの方針が明記されております。

 原子力を持続的に活用していくためには、必要な規模をどのように確保していくのかを明らかにすることが重要となることから、こうした論点を含め、引き続き議論を深めるよう、国に対し求めてまいります。

 

 エネルギーを活用した地域振興について申し上げます。

 立地地域の将来像に関する共創会議については、次期エネルギー基本計画案に盛り込まれ、原子力関係の研究開発・人材育成だけでなく、産業の複線化、新産業・雇用の創出、関連企業等の誘致などについて、共創会議での議論を踏まえ、国が主体的に進めていくことが明記されました。

 本県としては、今月1日に実務担当者によるワーキンググループが開催されたところであり、将来の立地地域の発展に資する具体的なプロジェクトが示されるよう、地元からの提案を含め議論していきたいと考えています。

 

 以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、今回の一般会計の補正予算案の規模は全体として236億円、本年度予算額の累計は6,065億円となります。

 

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 


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