第420回定例県議会提案理由説明要旨

最終更新日 2022年2月14日ページID 048836

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                                                                       令和4年2月14 日                                                                第420回 定例県議会


                     知事提案理由説明要旨


                                               福 井 県

                                     

  

 

  

  

  

  

  

 

 

 

  

 第420回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和4年度当初予算案、令和3年度2月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 はじめに、昨年12月中旬以降、県内全域において断続的に降雪が続いており、小浜市では12月の観測史上最大となる積雪47cmを記録するなど、平年を上回る降雪量となっております。県では、除雪や路面の状況を県民へ迅速に情報提供するとともに、除雪機械とオペレータの増強により、最重点除雪路線などの除雪強化や凍結防止剤の重点散布を行っているところであります。引き続き、関係機関と連携し、県民生活を守る除雪対策に万全を期してまいります。

 

 新型コロナウイルス感染症について申し上げます。

 県内では、年明け以降、これまで経験したことのないペースで感染者が急増したことから、先月13日に「福井県感染拡大警報」を発令いたしました。

 医療体制については、入院病床と宿泊療養施設を合わせて1016床にまで拡充するとともに、オミクロン株の特性を踏まえつつ、重症者・中等症者の入院体制を維持するため、軽症者・無症状者の自宅での経過観察を開始いたしました。県庁内に新設した「陽性者・接触者サポートセンター」の保健師等が、入院コーディネートセンターの医師と連携して一元的に在宅での健康観察を行うとともに、医師会や薬剤師会との連携により、地域の医療機関が電話やオンラインでの診療・投薬を行うことで、体調の変化があった場合にも、入院等の必要な医療が安心して受けられる体制を維持してまいります。

 ワクチン接種については、市町や医師会と協力しながら3回目接種を前倒しで進めているところであり、今月19日には福井市のエルパプラスに、27日には敦賀市のプラザ萬象に県営の特設会場を開設いたします。来月には、職域接種や、5歳から11歳までの小児に対する1・2回目接種も始まることから、引き続き、市町や医師会、経済界等と連携し、希望者への接種が円滑に進むよう取り組むとともに、国に対して、ワクチンの確実な供給と、交互接種や小児接種の効果・安全性などに関する広報の強化を求めてまいります。

 引き続き、飲食時も含めた「おはなしはマスク」を徹底するとともに、高齢者がいる場合は家庭内でもマスクを着用するなど、感染の大きな割合を占める家庭内での感染対策についてさらなる注意喚起を行い、感染拡大の防止に努めてまいります。

 

 最近の経済情勢について、日本銀行金沢支店は2月の金融経済月報において、「北陸の景気は、持ち直しの動きが一服している。」として判断を引き下げております。

 県内においても、オミクロン株の感染急拡大により、宿泊・飲食・小売業等を中心として経済に影響が及んでいると考えられることから、国の事業復活支援金に加え、苦しい状況に置かれている県内事業者を早急に支援するため、県としても「中小企業者等事業継続支援金」を再度支給してまいります。

 また、今後もデジタルバウチャー「ふく割」を発行し、切れ目なく県内消費の喚起に努めるほか、観光業についても、「ふくい de お得キャンペーン」を継続し、厳しい状況にある県内事業者を支援してまいります。

 

 次に、北陸新幹線の整備促進について申し上げます。

 金沢・敦賀間については、軌道工事や電気工事が県内全域で着手されるなど設備工事がピークを迎えております。並行して駅舎の建築工事等も進められており、今月1日からは、敦賀駅上屋の鉄骨組立作業が始まるなど、敦賀駅舎においても建築工事が本格化してきました。令和5年度末の開業に向け、今後も引き続き、工程および事業費の適切な執行を確認してまいります。

 

 敦賀・新大阪間については、先月に開催された与党整備委員会において、環境アセスメントの進捗状況の確認が行われ、令和5年度当初の着工に向け、今後も精力的に委員会を開催していく方針が示されました。

 今月4日には、県議会議長、県議会北陸新幹線整備促進議員連盟とともに、県として、国土交通省に対し、早期着工に向けた議論の加速化を改めて求めました。また併せて、北陸新幹線建設促進同盟会長としても、沿線全体を代表して要請を行ったところです。

 今年は敦賀以西の着工に向けた山場となる重要な年であることから、沿線10都府県および経済界が一体となり、また、より一層県議会とも連携しながら、これまでの、定例的な時期や回数にとらわれず、機動的な要望活動を積極的に行うことで、早期着工を政府・与党に強く求めてまいります。

 

 並行在来線については、先月、国土交通大臣から、並行在来線準備会社が行う鉄道事業の許可を受けたところです。地域に密着した県民鉄道として多くの県民に親しまれ、積極的に利用していただけるよう、並行在来線準備会社や市町など関係機関とともに、開業準備を着実に進めてまいります。

 

 えちぜん鉄道については、今月3日に、新年度から5年間の支援スキームについて、県、沿線市町において協議を行いました。県からは、安全運行のための必要性を十分確認した上で、老朽化した設備の更新や大雪等の防災対策などの設備投資等に13.8億円、沿線市町からは維持修繕等に15億円の支援を行うことで合意しました。

 福井鉄道については、沿線市、市民団体等からなる福井鉄道福武線活性化連携協議会が同日に開催され、令和5年度からの支援スキームについて検討が開始されました。

 重要な交通手段である地域鉄道が安全で安定した運行を行えるよう、引き続き沿線市町とともに、積極的な利用促進を図りつつ、必要な支援を行ってまいります。

 

 中部縦貫自動車道大野油坂道路については、昨年12月の国の補正予算で88億円の事業費が追加され、当初予算と合わせて過去最大となる427億円の事業費が確保されたところです。

 大野・和泉間については、昨年末に「荒島第2トンネルにおいて、地山の状況が想定より悪く、工程が遅れている」と報告があったことから、今月4日に議長、高規格道路建設促進議員連盟会長、沿線首長とともに、国土交通省に対し、安全確保を前提に、令和4年度開通に向けた工程の精査を早急に行うよう要望いたしました。

 令和8年春の開通見通しが示されている和泉・油坂間については、引き続き、県選出国会議員、県議会、沿線市町と協力し、一日も早い全線開通を国に強く働きかけてまいります。

 

 次に、北陸新幹線福井・敦賀開業に向けた観光、まちづくりについて申し上げます。

  観光地の磨き上げについては、東尋坊や三方五湖エリアにおいて、市町等が行う観光施設の整備に対し支援を行ってまいります。六呂師高原においては、オートキャンプ場の整備やアウトドア・アクティビティの充実など、年度内に策定する「六呂師高原活性化構想」の実現に向け、民間事業者の誘致等を進めてまいります。

 また、三方五湖有料道路および法恩寺山有料道路について、10月以降無料開放を行うことで、観光誘客を図ってまいります。

 

 北陸新幹線福井・敦賀開業の翌年の令和7年に開催される大阪・関西万博については、国内外から多くの人の来場が見込まれており、本県の魅力を世界に発信する絶好の機会となります。関西広域連合のパビリオンへの出展により、産業の振興、国内外からの誘客に活かしてまいります。

 

 県都のまちづくりについては、今月10日に、県、福井市、経済界による県都にぎわい創生協議会が開催されました。まちなかに求められる新たな機能としてのアリーナ整備の検討を民間が主体で進めることや、新幹線開業に向けた観光客の受入れ環境の整備などについて議論されたところです。商業エリア再構築のため、県、福井市、経済界が連携し、「リノベーションまちづくり」の手法により、遊休不動産等の再整備を5年間で集中支援する方針についても合意いたしました。

 また、福井城址の活用については、昨年度から、有識者等で構成する城址活用検討懇話会において検討を重ねております。

 懇話会では、「歴史に触れ、学びを深める空間」、「人が集う、開かれた憩いの空間」を福井城址の目指すべき将来像として、歴史的価値のある石垣・堀の保全・利活用、坤櫓等の復元、駅前からの人の流れをつくるイベントの開催など、具体的活用方策を来月に提言として取りまとめることとしております。

 これらの協議の場での議論や提言をふまえ、今年夏頃を目途に、北陸新幹線福井・敦賀開業や大阪延伸を見据えた県都のグランドデザインの策定を進めてまいります。

 

 次に、農林水産業の振興について申し上げます。

 「いちほまれ」については、首都圏のCM回数を倍増したことなどにより、先月末現在の販売量は、前年同月と比べ約2倍と大幅に増加しております。新年度は、首都圏でのラッピング電車の走行や毎月1日の「いちほまれの日」に合わせた量販店での販促キャンペーンなど、県とJAが一体となって、全国の消費者への一層の認知度向上、販路拡大を図り、令和5年産の1万トン生産達成につなげてまいります。

 林業については、県産材の生産拡大に向け、間伐に加え、主伐を積極的に進めてまいります。そのうえで、「儲ける林業・稼げる林業」の実現に向け、効率的な主伐・再造林のためのコスト分析や、林業事業体と森林所有者との長期一括契約の検証などを行い、新たなふくい型林業経営モデルの構築を目指します。

 

 次に、経済・産業の振興について申し上げます。

 創業支援について、政府は「新しい資本主義」の実現に向け、イノベーションの担い手であるスタートアップの創出・成長発展を支援し、成長と分配の好循環を目指すこととしています。新年度からは、イノベーションの担い手となる学生・若者起業家の育成を進めるとともに、今月3日に設置した「ふくい地域経済循環ファンド」や「福井ベンチャーピッチ」を通じた資金調達・販路開拓の支援などを行い、新ビジネスへの挑戦を全力で支援してまいります。

 

 次に、原子力政策について申し上げます。

 「もんじゅ」の廃止措置については、昨年12月に文部科学省から説明があり、ナトリウムは令和10年度からイギリスへの搬出を開始すること、使用済燃料はフランスでの再処理を基本とすることが示されました。県としては、ナトリウムおよび使用済燃料の搬出に向けた検討を加速するとともに、廃止措置を安全かつ着実に進めるよう、国に対して引き続き求めてまいります。

 

 次に、女性活躍について申し上げます。

 新たな男女共同参画計画として、「ふくい“しあわせ実感”パートナープラン」を年度内に策定します。「がんばれ」から「楽しもう」を合言葉に、みんなで家事・育児を楽しむ共家事(トモカジ)の推進や、女性管理職登用の加速など、プランに沿った施策を展開し、一人ひとりがなりたい自分やかなえたい夢を実現し、活躍できる社会の実現を目指してまいります。

 

 次に、教育について申し上げます。

 特別支援学校については、昨年9月、国において「特別支援学校設置基準」が新たに公布されました。当基準を踏まえ、校舎の必要面積を確保するため、福井南特別支援学校および嶺北特別支援学校において校舎の増築を行います。

 また、病気療養中の子どもたちが病室から授業に参加できるよう遠隔ロボットを導入するなど、特別支援教育へのICTの活用を進めてまいります。

 

 県立大学については、本県の恐竜化石の調査・研究成果を活かし、恐竜等の古生物学を中心に地質・古気候学等を幅広く学べる「恐竜学部」(仮称)を令和7年4月に開設いたします。

 県立恐竜博物館との連携により特色ある教育・研究を実践し、世界的な学術研究拠点とするため、勝山市にある県立恐竜博物館の隣接地にキャンパスを整備します。

 

 最後に、子育て支援について申し上げます。

 これまで、子育て家庭のほか、Iターンで福井へ移住してきた女性や父親の育児支援をしている方などに直接話を伺いながら、実施すべき新たな子育て支援策を検討してまいりました。

 これらの意見を踏まえ、雨や雪の日でも親子で出かけられる遊び場の整備や子育て世帯限定の「ふく割」クーポンの発行、第2子保育料無償化の対象世帯の拡大など、予算額を倍増して子育て支援施策を大幅に拡充し、市町と協力して確実に実行してまいります。

 本県が、日本一幸福な子育て県、「ふく育県」であることを宣言し、福井のブランドとして全国に強く発信しながら、県民はもとより全国の若い移住希望者から選ばれる福井県を目指してまいります。

 

 以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、令和4年度当初の一般会計予算額は、5,112億円となります。歳出については、投資的経費1,044億円などを計上するとともに、歳入については、県内企業の動向や地方財政計画を考慮し、県税収入は1,245億円、地方交付税は1,307億円などといたしました。

 

 令和3年度2月補正予算については、国の経済対策予算に積極的に対応するほか、事業費の確定に伴う減額補正を行うものであります。この結果、令和3年度一般会計の現計予算額は6,339億円となります。

 また、今年度の県債残高は5,177億円、基金残高は137億円となり、いずれも行財政改革アクションプランの目標を達成する見込みとなっております。

 今回の予算編成に当たっては、新型コロナウイルス感染症への緊急的な対策を躊躇なく進めるとともに、北陸新幹線福井・敦賀開業を目前に控え、まちづくり・にぎわいづくりを加速していくこととしています。2年続けて5,000億円を超える歳出予算を計上する一方で、国の財源の確保に努め、限られた財源の中、健全な財政運営を図ることとしております。

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 

 以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題等について申し上げました。なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 


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