第427回定例県議会提案理由説明要旨

最終更新日 2023年6月23日ページID 053192

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                                                                       令和5年6月23日                                                                第427回 定例県議会


                     知事提案理由説明要旨


                                               福 井 県

                                     

  

 第427回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和5年度6月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 私は、4年前の知事就任後、それまでのマニフェスト政治から県民のみなさまと将来のビジョンを共有しながら進める行政へと大きく転換すべく、「県民主役の県政」、「徹底現場主義」、「チームふくい」の大きな考えのもと、県議会のみなさまとともに、本県発展のため、県政推進に全力で取り組んでまいりました。

 この間、県内各地に県民のチャレンジ意欲が生まれ、子育てや教育環境の充実により、出生率や学力・体力は全国上位を維持するとともに、5回連続の幸福度日本一を達成するなど、全国に誇れる成果を挙げることができました。

 みなさまの温かいご支援のもと、知事としての2期目に入り、まずはエネルギー環境部や防災安全部を創設するなど、組織改正や人事異動を行ったところであります。そして今回、新体制のもとで、100年に一度の好機を活かすための重要な予算案を、本議会に提案いたしたところであります。

 

 さて県内では、北陸新幹線福井・敦賀開業に向けた準備が着実に進んでおります。先月27日には、芦原温泉駅構内においてレール締結式が開かれ、金沢から敦賀駅までの総延長約125kmとなるレールが1本につながりました。この秋には、走行試験が予定されているところであり、これに合わせた企画や開業100日前のイベントなどを、節目の時期を捉えて開催し、県民の機運や期待感を一層高めてまいります。

 今後は、首都圏や沿線での誘客促進を加速してまいります。今月初めに実施した上野駅での出向宣伝を皮切りに、物産フェアなどのPR活動を開業まで切れ目なく行うとともに、開業直前・直後には、首都圏を走行する鉄道車両の車内・車体を活用した宣伝広告や大手テレビ局と連携した恐竜展の開催を行ってまいります。

 

 さらに開業を控え、「ふくい甘えび」、「若狭まはた」など、福井の新鮮な水産物は、お客様を呼び込む大きな魅力になると考えております。いつでもどこでも福井の新鮮な水産物を県内で提供できるよう、活魚車導入など、流通体制の整備に対して支援してまいります。

 

 さて今回の補正予算では、二次交通の充実に向けた対策を多く盛り込んだところです。県内観光地を効率的に周遊できる定期観光バスツアーの造成など、来県者に県内を広く周遊していただけるよう、一層の体制整備を図るとともに、タクシーやレンタカー、カーシェア事業者などの取組みを応援してまいります。

 

 福井駅西口再開発については、建設中のホテル棟の外装工事が完了いたしました。現在、「福井の食」を発信する場となる1階フードホールの出店希望者に対する審査が行われております。今後も官民一体となって開業準備を加速してまいります。

 

 恐竜博物館については、開館記念日である来月14日に、いよいよリニューアルオープンいたします。今月1日から入館予約の受付けを開始しており、既に休日を中心に多くの方にご予約いただいております。実物大の恐竜が登場する巨大スクリーンを備えるなど、これまで以上に魅力ある施設となって来館者のみなさまをお迎えしたいと考えております。

 

 次に、北陸新幹線敦賀・新大阪間について申し上げます。

 今年度新たに、国が予算化した「北陸新幹線事業推進調査」については、今月中に、ボーリング調査に着手するとの報告を受けたところであり、県としても沿線市町とともに最大限協力してまいります。

 また先月には、北陸と関西の沿線府県知事全員の参加のもと、北陸新幹線建設促進大会を開催し、一日も早い全線開業を実現するよう決議したところです。引き続き、県議会のみなさまをはじめ、沿線府県や経済界との連携を一層強化しながら、小浜・京都ルートによる早期全線開業を強く求めてまいります。

 

 次に、人口減少対策について申し上げます。

 本県では、これまで結婚・出産・子育て応援に全力を挙げて取り組んできたところであり、全国上位の合計特殊出生率を維持してまいりました。また、昨年度は「新ふくい人」が過去最高の1,229人、そのうちの6割を子育て世代が占めるなど、子育て先進県としての評価が全国的にも広がりつつあります。

 結婚・子育てに対する不安をなくし、子育ての楽しさや喜び、将来への希望あふれる社会を構築するため、県独自に結婚支援金を拡充するとともに、男性の育休取得を促進する事業者への奨励金制度を大幅に拡充いたします。さらに、ふくい家事育児サポーター「ふく育さん」の普及、子育て世帯対象の「ふく育タクシー」の運行など、より細かく支援を行い、日本一幸福な子育て県「ふく育県」の一層の強化を図ってまいります。

 子育て支援については、児童手当や育児休業給付金の拡充など、国が検討を進めている少子化対策に加え、県としても、多子世帯の保育料や高校授業料の無償化、県内大学進学者への授業料の減免など、結婚・出産から高等教育までの切れ目ない支援について、今後、県議会でのご議論や市町、関係者との丁寧な協議を重ねながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

 

 次に、教育について申し上げます。

理系人材の育成については、今年度新たに、小学生に対して、科学の楽しさを体感できるサイエンスショーなどを開催するとともに、中学生に対しては、専門家による研究の楽しさや魅力を伝えるためのキャリア教育を実施することにより、児童生徒の理系分野への興味関心を高めてまいります。

 

 県立高校の魅力化については、地域みらい留学による全国からの入学生や、強豪部活動への入部を希望する生徒等を受け入れるため、民間事業者の企画・提案に基づくデザインビルド方式により、丸岡高校および美方高校の寮を整備し、快適な住環境を整備してまいります。

 

 次に、女性活躍について申し上げます。

 先月、部局横断の「ふくい女性活躍推進チーム」を設け、各部局の取り組んでいる働き方改革や子育て支援などの関連施策の連携を強化するとともに、県内企業に対して、社会保険労務士の派遣などにより、女性管理職の登用や男性の家事育児への参加等を強力に進めてまいります。

 

 パートナーシップ宣誓制度について申し上げます。

 性的マイノリティのカップルには、婚姻カップルが受けられるサービスを受けられないという不利益や生きづらさが生じており、県では、多様な価値観を認め合う「共生社会」の実現を図るため、この秋頃を目途に、パートナーシップ宣誓制度の導入を目指してまいります。

 

 次に、9月に開催予定の「日本スポーツマスターズ2023福井大会」については、今月18日に、ハピテラスにおいて大会アンバサダーとともに、大会PRやカウントダウンボードのお披露目を行いました。本大会には、県内外から約1万7千人が参加し、14市町において13競技が繰り広げられます。大会の成功に向けて、日本スポーツ協会や各市町、競技団体とともに準備を進めてまいります。

 

 次に、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。

 県内では、感染症法上の5類への移行後、39の定点医療機関からの報告により、感染状況を把握しております。直近1週間における1医療機関当たりの感染者数は、3.85人と落ち着いてはいるものの、緩やかな増加傾向となっております。現在、外来診療や入院についてそれぞれ約8割の医療機関において対応いただいており、今後とも、医師会等と協力し、医療機関の拡充などを図りながら、感染対策に万全を期してまいります。

 

 徐々にコロナ禍から普段の生活や経済活動に戻りつつある一方、県内では、物価高騰により、依然として厳しい経営環境にあります。このため、資金繰り支援に加え、先月15日からは、大きな影響を受けている中小企業者等から、電気・ガス料金高騰に対する給付金の申請受付を開始いたしました。さらに今後は、国の支援が十分に行き届いていない特別高圧電力やLPガスを利用している事業者に対する支援を拡充してまいります。

 そのうえで、物価上昇等が進む中においても、県内経済が持続的に発展していくためには、賃上げやリスキリングなど「人への投資」を着実に行い、経済の好循環を生み出すことが重要であります。

 先般の連合福井の春闘中間報告では、平均の賃上げ率が3.81%と30年ぶりの高水準となりました。引き続き、県内企業の賃上げ促進に向けて、生産性向上のための設備投資や商品開発への支援に加え、個別相談会の開催や専門家の派遣など、適正な価格転嫁に向けた伴走型支援を強力に進めてまいります。

 

 国や県が実施する公共事業においても、物価高騰の影響が生じてきております。今月14日、中部縦貫自動車道九頭竜・油坂間について、資機材費や労務費の急激な上昇等により、事業費が390億円増となること、足羽川ダムについては、資機材費や労務費の急激な上昇のほか、地質が脆弱な区間の対策や働き方改革関連法に基づく労働条件を考慮した適切な工期設定などにより、事業費が1,200億円増、工期が約3年延伸となることが、近畿地方整備局長から報告されました。これを受けて、19日に国土交通省に対し、コスト縮減など事業費等監理の徹底と地元負担の軽減を求めるとともに、中部縦貫自動車道の早期の全線開通および足羽川ダム事業完成に必要な予算確保と着実な工事推進を要請したところであり、引き続き、事業の一日も早い効果発現を国に求めてまいります。

 

 今後の高速交通体系に関しては、本県の産業振興の促進や渋滞緩和への対策として、福井外環状道路の整備は極めて重要であると考えております。来月、「福井外環状道路整備促進期成同盟会」を設立する予定であり、県議会のみなさまをはじめ、沿線市町や地元経済界と一体となり、早期事業化を国に強く働きかけてまいります。

 

 次に、地域活力の向上について申し上げます。

 将来にわたる集落機能の維持・活性化を目的とした市町の取組みを引き続き支援するとともに、新たに自治会による住民交流イベントの開催などを促進し、地域活力の向上および自治会の強化に向けて全力で応援してまいります。

 あわせて、防犯カメラや防犯灯・看板等の設置など、地域の実情に応じたインフラの初期整備に対して支援し、安全安心なまちづくりを推進してまいります。

 

 次に、原子力について申し上げます。

 使用済燃料の中間貯蔵施設については、今月12日、関西電力の森社長から「使用済MOX燃料再処理実証研究の実施に伴い、県内に貯蔵されている使用済燃料を2020年代後半にフランスへ搬出することが決定した」との報告がありました。その際、関西電力は「使用済燃料が県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義があり、2023年末までの計画地点の確定は達成された」との認識を示しました。さらに19日、西村経済産業大臣からは「中間貯蔵に係る計画地点の確定は果たされたと評価できる」との考えが示されました。県として、今後改めて政策当事者である国の評価やその具体的な理由等について確認するとともに、立地市町や県議会の意見を伺ったうえで、総合的に判断してまいりたいと考えております。

 

 最後に、エネルギー政策について申し上げます。

 今年3月に改定した環境基本計画における2030年度の温室効果ガス排出量49%削減に向け、省エネ家電への買換えや次世代自動車の購入などへの県独自支援策を進めるとともに、県、市町、産業界、学術機関などで構成するコンソーシアムを立ち上げ、産学官民一体となって強力に取り組んでまいります。

 エネルギーを活用した地域振興の面では、昨日、立地地域の将来像に関する共創会議が開催され、私からは、安全確保の観点から、特に避難道路の整備を求めるとともに、国等からは、新たな交付金の創設や高速炉研究開発の中核的拠点化に向けた調査など、今年度実施する取組が示されました。今後は、国や嶺南市町等とともに、その具体化に向けて全力で取り組んでまいります。

 

 以上、予算および事業を含めて申し上げました。今回の補正予算案の編成に当たっては、幅広く業界団体や関係者の声を反映し、新幹線開業対策や人口減少対策、物価高騰対策に、きめ細かく対応することとしております。

 この結果、今回の一般会計の補正予算案の規模は、全体として376億円、本年度予算額の累計は
5,237億円となります。

 いわゆる「肉付け予算」では、直近20年間において最大となる一方、国の交付金や財源措置率の高い起債を十分に活用するとともに、前年度の余剰金を前倒しして充当することといたしました。これにより、財政調整基金を取り崩すことなく予算編成を行ったところであり、引き続き健全な財政運営を維持しております。

 

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 


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