第428回定例県議会提案理由説明要旨

最終更新日 2023年9月4日ページID 053833

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                                                                       令和5年9月4日                                                                第428回 定例県議会


                     知事提案理由説明要旨


                                               福 井 県

                                     

  

 第428回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和5年度9月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 今年の夏は連日、記録的な猛暑となり、今月に入ってからも厳しい暑さが続いております。県民のみなさまに熱中症予防の注意喚起を継続的に行うとともに、農業者に対して、高温・少雨への対応について周知徹底を図っているところであります。

 

 先般、北陸新幹線福井・敦賀開業の日が来年3月16日に決まり、最速列車「かがやき」が県内全駅に停車することとなりました。これまで求めてきたことが実現することとなり、一層の交流拡大に期待が膨らんだところであります。今月23日には、East-iによる走行試験が始まり、26日には、W7系車両が本県に初入線する予定であります。来月1日には、県内4駅において、各市主催による歓迎セレモニーが開催されるとともに、県民が福井をプロモーションする「情熱駅長」の動画の撮影イベントを行うこととしており、開業前後には県民の「熱い思い」をCMとして全国配信いたします。

 あわせて、今月30日から、JR東京駅や丸の内周辺エリアを中心として、イベントや物産展などを連続して実施し、首都圏でのプロモーション活動を加速してまいります。

 

 さらに10月から12月にかけては、来年秋の北陸DCに向けたプレキャンペーンを行います。北陸の魅力を全国に提案するとともに、11月には全国の旅行会社やJR各社が一堂に会する「全国宣伝販売促進会議」を本県で開催することとしており、唯一無二の観光素材をPRし、魅力的な旅行商品の造成につなげてまいります。

 

 一乗谷朝倉氏遺跡博物館については、開館からこれまでに約17万人の来館者にお越しいただいており、来月には開館1周年を迎えます。これを記念して、来月4日には東京丸の内の「KITTE」において、一乗谷朝倉氏遺跡などのPRイベントを開催し、さらなる認知度向上や首都圏からの誘客につなげてまいります。

 また、恐竜博物館については、リニューアルオープンからの来館者数が30万人を超え、多くの方に、新たに加わった恐竜展示や実物大恐竜が躍動する3面ダイノシアター、化石研究体験を楽しんでいただいております。今後、県内外の旅行会社等と協力しながら、団体旅行や教育旅行の受入れを強化し、さらなる誘客を図ってまいります。

 

 昨年、県内各地でロケが行われた映画「おしょりん」は、いよいよ来月20日から県内で先行公開され、11月3日からは全国公開となります。眼鏡産地福井の草創期を描くこの映画では、本県に息づく「ものづくり」の精神が情感豊かに表現されております。多くの方にご覧いただき、本県の魅力を感じていただけるよう、引き続きPR活動に取り組んでまいります。

 

 開業を控え、本県観光に携わっていただける人材の育成も重要です。先月8日、仁愛大学、県、越前市、県観光連盟により、「観光にかかる地域の専門人材育成に関する協定」を締結いたしました。今後は、新たに設置される仁愛大学の観光学特設コースと連携しながら、観光に関する専門的な知識や資質を有する人材の育成を図ってまいります。

 

 今後、新幹線駅からの二次交通の重要性が増す中、運転士等の確保は喫緊の課題であります。先月末、鉄道事業者および沿線市と緊急対策会議を開催するとともに、就職説明会等の支援を行ったところであります。さらに鉄道事業者の運転士の負担軽減となる「運転士支援システム」を導入することとしており、人材確保および離職防止への取組みを強力にバックアップしてまいります。

 また嶺南地域においては、タクシー向けのLPガススタンドが廃止される見通しとなり、ハイブリッド車など省エネ性能の高い車両への買換え支援を行い、開業を控えて重要な役割を担うタクシー事業者を応援してまいります。

 

 開業直後に開催予定の「ふくい桜マラソン2024」については、すでに1万人を超える参加申込みをいただいているところであり、今後さらに目標である1万5千人の参加者確保に向け、広報を一層強化いたします。また、今月26日には、日本陸連によるマラソンコースの公認が取得できる見込みとなりました。円滑な運営に不可欠となるボランティアの確保など、準備を着実に進め、県内外のランナーに満足していただける大会、さらには県民のみなさまに愛され、全国に誇れる大会となるよう取り組んでまいります。

 

 本県の農林水産物においても、開業に向け、認知度向上を図ってまいります。「いちほまれ」については、これまでの最大量となる約8千トンの収穫を見込んでおり、県内外ともに、今月23日から新米の販売開始を予定しております。新たなテレビCMの放映や全国大手量販店での企画販売などにより、生産拡大と高価格帯販売の両立を目指してまいります。

 

 次に、北陸新幹線敦賀・新大阪間について申し上げます。

 先月公表された令和6年度概算要求において、環境影響評価の終了までに一定の期間を要すること、引き続き施工上の課題の解決を図る必要があることから、「北陸新幹線事業推進調査」を継続することが示されました。県としては、この調査を加速させるとともに、施工上の課題を解決し、早期に駅位置・詳細ルートを公表していただく必要があると考えております。引き続き県議会のみなさまをはじめ、沿線府県や経済界と連携し、政府・与党に対し、強く働きかけてまいります。

 

 次に、中部縦貫自動車道については、勝原・九頭竜間がこの秋に開通します。これにより、誘客促進や産業団地の利便性向上などに一層の効果が期待されるとともに、大雨や大雪など災害時の広域的な迂回路の確保が図られるものと考えております。先月10日には、副議長や沿線の首長とともに、国に対し、早期開通と国土強靭化予算による事業の推進を求めたところです。引き続き、中部縦貫自動車道の令和8年春までの一日も早い県内全線開通を国に強く要請してまいります。

 

 舞鶴若狭自動車道については、県内初の4車線化工事に伴う着工式が来月29日に高浜町内において開催されます。引き続き関係者と協力し、早期の全線4車線化を国や高速道路会社に働きかけてまいります。

 

 次に、子育て支援について申し上げます。

 人口減少が進む中、希望する誰もがこどもを産み育てることができるよう、来年度から支援制度を大幅に拡充したいと考えております。「出会いから結婚・子育て、そして子どもの巣立ちまで」の切れ目ない支援を実現させるため、第2子以降の保育料や2人以上扶養している世帯の高校授業料の無償化について所得制限を撤廃するとともに、県内大学等進学者の授業料減免について、世帯年収や扶養人数に応じて拡充することとしております。そのうえで今後、この支援を継続的に行っていくため、前年度からの繰越金を活用し、子育て応援のための基金50億円を積み立てることといたします。

 今後も引き続き、日本一幸福な子育て県「ふく育県」を県内外へPRするとともに、子育て世帯や当事者である子どもたちも含め、関係者のご意見を丁寧に伺いながら、地域全体で子どもたちを育てていくためのサポート体制の充実・強化を一層図ってまいります。

 

 次に、教育について申し上げます。

 第3回全国高校生プレゼン甲子園については、北海道から沖縄までの34都道府県から、昨年を大きく上回る616チームの応募がありました。先月19日の決勝大会では、ブロック大会の予選を勝ち抜いた10チームが競い合い、本県からは高志高等学校のチームが特別賞を受賞しました。今後とも、主体的かつ探究的な学びの発表の場として、全国の高校生が目標とする大会に育てていけるよう、全国に広く周知し、参加チームの拡大を目指してまいります。

 

 清水特別支援学校については、新たに高等部を設置することといたします。これまで福井南特別支援学校高等部の分教室でありましたが、小学部から高等部まで12年間の系統性のある教育を提供いたします。今後とも教育委員会において、児童生徒の個人の特性に応じた教育を一層進めてまいります。

 

 次に、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。

 県内では、直近1週間における1定点医療機関当たりの感染者数は、13.72人とゆるやかな増加傾向にあります。今後とも、医療機関や高齢者施設への訪問時のマスク着用など、状況に応じた基本的な対策を引き続き呼びかけてまいります。

 

 次に、経済・産業振興について申し上げます。

 エネルギー価格等の高騰に対しては、国の支援が行き届いていない事業者への対応として、先月から、特別高圧電力利用事業者およびLPガス販売事業者への給付金の申請受付を開始いたしました。

 また、中小企業者等の資金繰り支援として、コロナ融資の借換えや物価高騰に伴う新たな資金需要に十分に対応するため、「新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金」の融資枠を拡充して、中小企業者等の資金繰りの円滑化を図ってまいります。

 物価上昇が高水準で続く中、今年度の本県の最低賃金の改定については、先月、福井労働局長および福井地方最低賃金審議会会長に対し、積極的な議論を要請するとともに、経済界に対しても、継続的な賃上げを求めたところであります。今般、国の目安額を上回り、過去最高となる時給931円が答申されたことは、都市部との賃金格差の是正・縮小、持続的な賃上げに弾みをつけ、県全体の給与水準の底上げに寄与する金額と受け止めております。県としては、引き続き、県内中小企業の価格転嫁を伴走型で支援するとともに、国の助成金に県独自で上乗せを行うなど、企業の賃上げしやすい環境整備に努めてまいります。

 

 次に、防災対策について申し上げます。

 7月13日未明から県内で非常に激しい雨が降り、嶺北を中心に住家の浸水被害や土砂流出による道路の通行止め、越美北線の運休など、県民生活に影響が生じました。県では、災害対策連絡室を設置するとともに、市町へ職員を派遣するなど、迅速な対応に努めました。さらに、今回の災害復旧にかかる予算案を本議会に提案したところであり、被災した道路、河川、農地等の速やかな本復旧および再度の災害防止に努めてまいります。

 

 最後に、原子力について申し上げます。

 関西電力高浜1、2号機の運転再開については、1号機が先月28日から営業運転を始め、2号機については先月10日に燃料装荷作業を終え、原子炉起動に向けた準備が進められています。県としては、プラントの状況を毎日確認するとともに、原子炉起動など重要な局面では現場に職員が立ち会うなど、監視を強化しているところです。

使用済燃料の中間貯蔵施設については、フランスへの使用済燃料の搬出に関して「計画地点の確定は果たされた」とする国の評価が県民に分かりにくく、具体性に乏しいことから、改めて国の責任ある対応を求めているところです。今後、国の考えが示されたうえで、立地市町や県議会の意見を伺いながら、県として総合的に判断してまいりたいと考えております。

 

 先日、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が開始されました。本県としても風評の払拭に向け、福島県の漁業者を応援することとしており、本県アンテナショップにおける福島応援フェアや県庁前広場での販売会など、県が主催するイベント等において福島県産水産物のPRを積極的に行ってまいります。

 

 以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、今回の一般会計の補正予算案の規模は、全体として166億円、本年度予算額の累計は5,403億円となります。今回の補正予算案においては、先般の大雨災害の復旧事業として、多くの経費を計上したところでありますが、国庫や財源措置率の高い起債を充当し、可能な限り財政負担を軽減しております。

 

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 


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