第431回定例県議会提案理由説明要旨

最終更新日 2024年2月13日ページID 055137

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                                                                       令和6年2月13日                                                                第431回 定例県議会


                     知事提案理由説明要旨


                                               福 井 県

                                     

   

 第431回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和6年度当初予算案、令和5年度2月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 

 はじめに、元日に能登半島を震源とする最大震度7の地震が発生し、甚大な被害をもたらしております。亡くなられた多くの方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災されたみなさま方にお見舞いを申し上げます。また、被災地の最前線においてご尽力されているみなさまに対しまして改めて敬意を表します。

 本県でも珠洲市を中心に、職員等の派遣や物資の提供などの支援を行うとともに、本県が開発したLINEシステムを活用するなど、きめ細やかな避難所の運営や自宅避難者の見守りに取り組んできたところです。私も先日、馳石川県知事、泉谷珠洲市長を訪問するとともに、被災現場や避難所を視察したところであります。被災されたみなさまが一日も早く日常生活に戻れるよう引き続き必要な支援を行ってまいります。

 また県内では、あわら市で震度5強を観測し、住宅や道路等の公共施設のほか、農業用ハウスや用排水路などにも被害が発生し、発災当日すぐに福井市、坂井市、あわら市に災害救助法を適用いたしました。今月5日から、あわら市において被災した住宅の再建に対する県独自支援の受付を開始するとともに、公共インフラの復旧に向け、その対応を進めております。

 被害を受けた中小企業者に対しては、施設復旧のための支援や新たな制度融資の創設により、経営再建に向け全力で応援してまいります。

 県内の飲食店や宿泊施設においては、発災直後から多くの予約キャンセルが見られたことから、今月21日から、「ふくいはぴコイン」を活用したプレミアム付商品券の販売により、消費喚起の拡大を図ってまいります。

 また、北陸新幹線沿線エリア等を対象としていた誘客キャンペーンを1月9日の開始当初から全国に拡大するとともに、期間を延長することとしております。そのうえで国の「北陸応援割」を活用しながら、切れ目なく誘客促進を図ってまいります。

 

 さて、50年来の悲願となる北陸新幹線福井・敦賀開業までいよいよ残り1か月となりました。先日開催された「開業50日前の記念イベント」には、約1万6千人もの方が来場するとともに、今月からJR等が開催している試乗会には、一般公募に倍率75倍となる応募があり、開業への期待の高まりと機運の盛り上がりを日に日に実感しているところであります。

 さらに開業1週間前となる来月9日からは、プロモーションCM「福井情熱駅長」を発信し、県民の熱い想いを全国に届けてまいります。開業日には、県内4駅の上空を航空自衛隊の「ブルーインパルス」が展示飛行を行うとともに、市町が連携して歓迎イベントを開催することとしております。

 この歴史の一幕をみなさまとともに祝い、しっかりと胸に刻みながら、「ふくいの新しい時代」に、開業効果の最大化と持続化の実現に向け、その対策に全身全霊を注いでまいります。そのうえで、一日も早い能登半島地震からの復興に向け、本県が先頭に立って北陸全体を盛り上げてまいる所存であります。

 

 観光地の磨き上げについては、坂井市が行う東尋坊の商店街や駐車場などの整備が今後本格化するとともに、六呂師高原では、新年度から民間主導によりオートキャンプ場などを整備することとしており、県としても、各プロジェクトが着実に進むよう支援してまいります。

 

 まちづくりについては、福井市などと連携して福井駅周辺に恐竜モニュメントなどを設置するとともに、足羽川でのアウトドアを楽しむ拠点施設を整備するなど、賑わい創生のためのプロジェクトを加速してまいります。

 

 アリーナ構想については、今月6日、経済界が基本計画案を公表しました。福井の新たな賑わい創出の場として、そしてホーム戦ではいまだ負けなしと好調な「福井ブローウィンズ」の活躍の舞台として、大いに期待できるものと感じております。県としては、今回示された計画案の内容をもとに、県議会のご意見を伺いながら、福井市とともに支援のあり方等について検討してまいります。

 

 さらに今後は、インバウンド需要の拡大にも力を注いでまいります。海外旅行会社に対する営業体制を強化するとともに、県内の免税店登録やキャッシュレス機器導入等の経費に対して支援するなど、受入環境の整備を進めてまいります。

 

 来県される方へのおもてなし向上にも取り組んでまいります。

 来月2日、福井駅東口にオープンする「ふくい観光案内所」では、コンシェルジュによる観光・交通案内や、多言語・手話にも対応した映像案内、さらには越前漆器や若狭めのう細工等の伝統的工芸品の展示や紙すきの体験会開催などによる情報発信を行い、県内周遊観光を強力に促進してまいります。

 また敦賀駅のコンコースには、大型の3面LEDビジョンを設置することとしており、観光地や食など北陸三県の魅力を発信するとともに、乗り換え時に抽選で「ふくいはぴコイン」を獲得できるキャンペーンを実施するなど、乗り換えを楽しむ工夫を進めてまいります。

 

 新幹線駅へのアクセス道路については、これまで福井駅西口の中央大通りや東口の東大通りのリニューアル、また芦原温泉停車場北野線や越前たけふ駅線、武生インター線などの整備を進めてきたところであります。来月10日には、越前たけふ駅と越前海岸を結ぶルートとなる国道365号梅浦バイパスが開通し、さらに開業日には、敦賀駅と国道8号を結ぶ敦賀駅東線が全線開通する予定であります。今後も着実に、県内道路網の整備を進めてまいります。

 

 さて敦賀・新大阪間については、令和6年度政府予算に「北陸新幹線事業推進調査」として前年度から2億円増額となる約14億円が計上されました。この調査を加速させ、駅位置・詳細ルートや今後のスケジュール感を早急に明らかにするとともに、財源議論を速やかに進めていただくことが極めて重要であります。先月30日にも、県議会とともに国に要請を行ったところであり、引き続き、県議会のみなさまをはじめ、沿線府県や経済界との連携を一層強化しながら、一日も早い認可・着工および全線開業を政府・与党に強く求めてまいります。

 

 次に、農林水産業の振興について申し上げます。

 福井米の振興については、輸出用米「シャインパール」の集約拠点の整備に対し支援を行うとともに、「いちほまれ」についても、北陸新幹線開業イベントとも連携し、新たな販路確保に向けた高品質米の安定供給を実現してまいります。

 

 県内水産物の販売強化については、新幹線の停車駅等においてポップアップストアを開設し、「ふくい甘えび」や「若狭まはた」をはじめ、本県ブランド魚の販路拡大を図ってまいります。

 

 次に、経済・産業振興について申し上げます。

 有効求人倍率が全国トップの本県では、北陸新幹線開業に伴い、今後さらなる人材確保が重要となります。県では、企業の採用力向上の取組みに対する支援や、すき間時間で働きたい主婦や大学生等とのマッチング支援、外国人材の受入体制の強化など、人材確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。

 また、いわゆる「2024年問題」に直面する物流業界に対しては、トラックドライバーの確保や荷役作業の省力化に向けた取組みを支援してまいります。

 

 企業のスタートアップ支援については、福井駅西口周辺に設置され、企業の活動拠点となる「民間イン
キュベーション施設」の整備に対し支援するとともに、県産業労働部の企業支援チームが入居することとしており、官民一体となってベンチャー企業の創出・成長を後押ししてまいります。

 

 県営産業団地の整備については、福井市稲津町・荒木新保町、小浜市平野の2か所を整備対象地に決定し、令和9年度の分譲開始を目指して整備を進めてまいります。一方、敦賀市においては調査の結果、事業実施が困難であると判断したところであり、改めて県内市町に対して候補地の公募を実施することといたします。

 

 次に、こども・子育て応援について申し上げます。

 来年度からは、第2子の保育料や高校授業料の無償化について所得制限を撤廃するとともに、県内大学等進学者の授業料減免の拡充を行うこととし、「ゆりかごから巣立ちまで」の切れ目のない「複育応援」をスタートするなど、日本一幸福な子育て県「ふく育県」の一層の拡大を図ってまいります。

 

 次に、教育について申し上げます。

 昨年12月、県内3会場で「高校生探究フォーラム」を開催し、県内高校生や地元企業の関係者など
635名が参加いたしました。生徒が地域課題の解決方法などの研究内容を発表し、地元企業の担当者や県内大学の研究者等から多くの助言をいただきました。今後も継続的に開催し、高校生の探究的な学びの推進に向けた取組みを一層充実してまいります。

 

 不登校児童生徒の支援については、今年度、小中学校5校に支援員を配置し、教室とは別の「校内サポートルーム」での支援を実施いたしました。新年度は、支援員の配置校を50校と大幅に増やし、不登校児童生徒や悩みを抱える児童生徒が安心して過ごすことができる居場所づくりを充実してまいります。

 また、十分な義務教育を受けられなかった方などの就学機会を確保するため、夜間中学の設置に向けた検討を行ってまいります。昨年、アンケート調査を実施し、県内にもニーズがあることから、令和8年4月開校を目指し、設置場所の選定や教育課程の編成など開校に向けた準備を進めてまいります。

 

 県立大学については、令和8年4月に、主体性と実行力を身につけたリーダー的人材を養成する「地域政策学部(仮称)」を開設したいと考えております。学びの特色であるフィールド演習など、新学部のカリキュラムの効果的な実践や、まちの賑わいづくりなどの観点から、福井駅周辺でのキャンパス設置を検討してまいります。

 

 次に、地域医療について申し上げます。

 地域のニーズが高い診療科を志す県内医学生等に対し、資金貸与制度を創設し、地域における医師の確保に努めるとともに、地域の公的病院に就職する薬剤師を対象とした奨学金返還支援制度を新たに創設し、積極的な採用につなげてまいります。

 

 次に、脱炭素化の推進について申し上げます。

 県内の住宅を対象に、自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池の導入にかかる経費に対して支援を行い、環境基本計画に掲げる「温室効果ガス排出量49%の削減」を目指すとともに、再生可能エネルギーによる地産地消の取組みを加速させてまいります。

 

 今回の地震を受け、住宅の耐震化に対する県民の意識も高まってきております。市町と連携して耐震補強に関する広報の強化に努めるとともに、耐震診断や耐震改修工事への支援を拡充し、木造住宅の耐震化を促進してまいります。

 

 社会基盤の維持補修については、道路舗装や河川の浚渫など県単独公共事業を前年度比103.7%に増額するほか、地域のきめ細やかなニーズを捉えて維持補修等に対応するための「地域の景観対応枠予算」を創設いたします。

 

 最後に、原子力について申し上げます。

 先月30日、齋藤経済産業大臣に対し、将来の原子力の規模とその確保に向けた道筋の明確化やエネルギー基本計画の早期見直し、使用済燃料対策への主体的な対応などについて要請しました。大臣からは、昨年閣議決定されたGX推進戦略に基づき、安全確保を大前提とした原子力の活用などを着実に進めるとともに、使用済燃料対策については、事業者全体の連携を強化し、関西電力の使用済燃料対策ロードマップの確実な履行に向けた取組みを一層推進するなど、責任を持って原子力政策を進める考えが示されました。引き続き、原子力政策のさらなる明確化や使用済燃料の確実な搬出を国に対し求めてまいります。

 また、立地地域の振興については、立地地域の持続的な発展に向け、今後、共創会議において地域の課題や要望の検討・調整を進めていく方針が示されました。原子力基本法に示された国や事業者の責務に基づき、立地地域の振興および課題解決に向けた取組みを着実に実行するよう、国・事業者に求めてまいります。

 使用済燃料の乾式貯蔵施設については、今月8日、関西電力から安全協定に基づく事前了解願いが提出されました。県としては、国への申請了承と国の審査後の事前了解の2段階で対応することとしており、今後、事業者の計画内容を精査し、県議会をはじめ、立地町や県原子力環境安全管理協議会における意見、県原子力安全専門委員会の議論を踏まえ、申請了承について判断してまいります。

 

 以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、令和6年度当初の一般会計予算額は5,047億円を計上しました。歳入については、県内企業の動向や地方財政計画を考慮し、県税収入は1,306億円、地方交付税は1,330億円などといたしました。「ふくい新時代の幕開け」にふさわしい予算を積極的に計上する一方、既存事業の見直しや歳入確保に努め、財政調整基金の取崩しを13億円にとどめたところであります。

 

 令和5年度2月補正予算については、地震への対応を躊躇することなく講じるとともに、国の補正予算に積極的に対応するほか、事業費の確定に伴う減額補正を行うものであります。この結果、令和5年度一般会計の現計予算額は5,565億円となります。

 今年度の臨時財政対策債を除く県債残高は5,679億円、財政調整基金の残高は163億円となり、いずれも行財政改革アクションプランの目標を達成する見込みとなっております。

      

 第131号議案については、「行財政改革アクションプラン2024」を策定するものであります。

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 

 以上、私の県政に対する所信の一端と県政の重要課題等について申し上げました。なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 


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