職場のトラブルQ&A ~組合加入を理由とする解雇~

最終更新日 2020年3月27日ページID 000284

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 当社に労働組合ができたため、今年度の社員採用面接時に、労働組合活動に関心があるかどうかを確認し、結果として組合活動に関心がないと答えた者を採用しました。ところが入社後間もなくして、この社員は労働組合に加入しました。
 会社としては、期待に反して労働組合に加入したこの社員を解雇しようと思うのですが、問題はないのでしょうか。

 労働者が労働組合に加入しないことを、使用者が採用条件として提示したり、約束させたりすることは、労働組合法により不当労働行為として禁止されており、契約の当該部分が無効になるとされています。
 また、労働者が労働組合に加入したことを理由とする解雇も、不当労働行為として禁止されています。したがって、そのことを理由に労働者を解雇することはできません。
 もし、使用者が労働組合に加入したことを理由としてその労働者を解雇した場合、解雇された労働者やその者が加入する労働組合は、労働委員会に対して不当労働行為救済申立を行うことができます。
 そして、その解雇が不当労働行為であると労働委員会が判定した場合、労働委員会は、解雇前の職場への復帰や解雇がなければ労働者が得られたであろう賃金相当額の支払いなどの救済命令を使用者に命じます。

解説

 労働組合に加入することは憲法上保障された労働者の権利であり(憲法第28条 労働基本権)、これを具体的に保障するために労働組合法が制定されています。労働組合法第7条は使用者による以下の行為を不当労働行為として禁止しています。

  1. 労働者が組合員であること、労働組合に加入したり労働組合を結成しようとしたこと、正当な組合活動をしたことを理由として解雇や転勤・賃金などで労働者に不利益な扱いをすること
  2. 労働者が労働組合に加入しないこと、あるいは労働者が労働組合から脱退することを雇用条件とすること
  3. 労働組合との団体交渉を正当な理由なく拒むこと
  4. 労働組合の結成・運営に対して支配・介入すること

 具体的に禁止される行為の例を挙げると、組合未加入の従業員に組合に入らないように勧めること、採用予定者に組合に加入しないよう提示したり誓約させること、組合に入っている者に脱退を勧めること、組合役員など組合活動に従事する者を不当に解雇・出向・遠隔地配転や賃金・昇給・賞与の差別などを行うこと、組合大会開催の運営に干渉したり妨害することなどが挙げられます。
 もし、これらの禁止行為を使用者が行えば、労働者・労働組合は、労働委員会に、不当労働行為救済申立を行うことができます。

参考

 

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