御食国の美しき至宝「若狭ぐじ」
若狭地方(福井県嶺南地域)は、その昔、朝廷に食べ物を供することを許された特別な国、御食国(みけつくに)と呼ばれており、その中でも和の最高級食材として知られていたのが若狭ぐじです。若狭ぐじは、鮮やかな朱色が大変美しい魚で、和名はアカアマダイと言います。
うろこを取らずにじっくりと加熱し、焼き色を見て丁寧に若狭地(たれ)を重ねて焼いていく「若狭焼き」。日本の食文化の粋とも言える極めて繊細なこの料理で使われる魚が若狭ぐじです。食べると、舌の上にふわりと上品な甘みが広がり、しっとりと繊細な身がほどけるような食感が大変美味です。
福井県では、延縄(はえなわ)や釣りで一年中漁獲される他、夏場には刺し網でも漁獲されます。県内で水揚げされたアカアマダイの全てが「若狭ぐじ」になるわけではありません。アマダイは、身が繊細で傷つきやすい魚のため、取り扱いに気を付ける必要があります。鮮度を保つために設けられたいくつかの基準を満たしたものだけが「若狭ぐじ」を名乗ることができるのです。
「若狭ぐじ」とは?
若狭湾で延縄漁・釣りで漁獲されたもので、重さが500g以上、鮮度が良く、姿形が美しいものが「若狭ぐじ」と認められます。アマダイは1尾ごとに釣り上げられた後、専用の保冷ボックスに入れられ、厳重な温度管理の下で港へと運ばれます。なるべく魚体に触れないようにするために、口にかかった釣り針が外れないときは、針を残したまま釣糸を切ります。港では、水揚げされたアマダイの重さを量り、姿形が整っているか、傷がないかなどを丁寧に検品します。さらに、魚箱に並べるときは、魚体に直接氷が触れないようウレタンシートを敷くなど、徹底した鮮度管理されたものだけが「若狭ぐじ」と名乗ることができます。「若狭ぐじ」に認められたアマダイには、1尾ごとに水揚した港と漁船の名前が入った専用ラベルを貼り、全国に向けて出荷されています。
プレミアムブランド「若狭ぐじ極」
令和2年11月、若狭ぐじの最上級ブランド「若狭ぐじ極」が誕生しました。若狭ぐじの中でも重さが800g以上ある身が厚いもので、従来の若狭ぐじよりも生で食べられる期間が延びるよう、船上で活〆による血抜きと、神経抜きを施したものを「若狭ぐじ極」とします。港名と船名が入った専用ラベルに加えて、新たに「極」タグを取り付けて差別化を図ります。活〆・神経抜きにより、刺身で食べられる期間が延びた若狭ぐじ極。若狭ぐじの刺身は、もっちりした歯ごたえと、アマダイ特有の上品な甘味が感じられる、とても美味な逸品です。
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