実用化技術等(平成2年)

最終更新日 2023年3月13日ページID 052139

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【平成2年度】

1.水稲品種キヌヒカリの直播適応性
2.水稲品種キヌヒカリの福井県における晩播植適応性
3.水稲の幼穂形成期の簡易予測法
4.簡易ELISA法によるラッキョウからのGLVの簡易・迅速検定
5.共台を利用した輪換畑スイカの生産性向上
6.冬期寡日照下におけるコマツナの品質向上技術
7.夏期日射量制御によるメロンの品質向上技術
8.雨よけハウスのおけるアールス系メロン播種限界
9.春まき一寸ソラマメの増収技術
10.日本スイセンの抑制栽培による3~4月開花
11.ニホンナシ「幸水」の側技養成法
12.ウメ「紅サシ」の優良側技の養成方法
13.性フェロモン剤によるウメのコスカシバ防除
14.ウメの葉分析による栄養診断技術
15.土壌窒素発現予測に基づく水稲の窒素栄養診断
16.ベノミル剤耐性スイカ炭そ病菌の出現と対策
17.イチゴを用いたフイルム食品の製造方法
18.脱渋柿加工における渋みのもどり防止
19.黒毛和種胚を移植したホルスタイン種受胚牛の分娩前の体温変化
20.受精卵移植によって生産された黒毛和種初生子牛の哺育育成技術
21.大豆皮・ビートパルプ給与による乳脂率向上対策
22.穀類混合アルファルファサイレージの調製

 

平成2年度

普及に移す技術

 

分類 研

契機  B

部門 水稲

技術名

水稲品種キヌヒカリの直播適応性

実施場所

福井県農業試験場

 

1. 成果の内容

 

1) 技術の内容および特徴

水稲品種キヌヒカリは直播栽培において、発芽・苗立が良好で、稈が短かく、直播法、施肥法、播種密度を異にした条件下において耐倒伏性もあり、収量・品質も安定して高いことから良質米地帯の直播用品種として利用できる。

 キヌヒカリはコシヒカリと比べて次の様な特徴がある。

 

 

(1)      湛水土壌中直播栽培における適応性(63年播種)

ア.施肥法・・・・・キヌヒカリは出芽苗立率が高く、施肥の違いによる生育反応(草丈・茎数)も緩慢で倒伏も少なく、穂肥重点や深層追肥等             により多収も可能であった。

イ.苗立密度・・・キヌヒカリは苗立量が多い条件(密播)でも倒伏せず、収量も大きな減収にならない。

 

(2)      乾田直播栽培における適応性(元年播種)

   ア.肥料の種類・・緩効性肥料を用いた場合にも適応性が高く、収量も安定しており、施肥の合理化が可能である。

イ.播種法・・・・キヌヒカリは条播・散播いずれも有効茎歩合が高く、短稈で倒伏もなく上位葉が直立しており、登熟歩合・整粒歩合が高く、収量品質は安定していた。

 

 

2) 技術の適応効果

   直播栽培の安定性が向上し、生産コストの低減が図れる。

 

3) 適応範囲

   県内の中山間、平坦肥沃地の直播栽培可能地域。

 

4) 普及指導上の留意点

(1)      発芽苗立の安定のための充実の良い優良な種子を用いる。

(2)      穂発芽性が「やや易」であるので刈り遅れないよう注意する。

(3)      いもち病、白葉枯病、紋枯病、その他病虫害に対しては適期防除に努める。h

 

 

具体的データ

第1表 湛水土壌中直播における施肥条件別の生育経過及び収量(昭和63年5月2日、3.7kg/10a播)

品種

施肥法

施肥(Nkg/10a×回数)

苗立

(%)

7月6日

出穂期

(月日)

成熟期

倒状程度

(0~5)

9/16

収量

(kg/a)

元肥

追肥

穂肥

草丈

(cm)

茎数

(本/㎡)

月日

稈長

(cm)

穂長

(cm)

穂数

(本/㎡)

キヌヒカリ

側条慣行

2.5

1.5×3回

 

51

580

8.13

9.24

78

16.3

333

0

57

 

穂肥多肥

2.5×3

89

51

592

8.13

9.24

81

16.6

410

0

65

 

緩効深層

5*

 

51

613

8.15

9.26

81

15.4

439

1

68

コシヒカリ

側条慣行

1.5×3

 

60

622

8.13

9.24

99

17.6

368

4.5

60

 

穂肥多肥

2.5×3

70

58

610

8.13

9.24

99

18.1

392

5

62

 

緩効深層

5*

 

59

653

8.15

9.25

107

17.9

448

5

50

* 緩効性肥料:セラコートM(70~80日タイプ)   

 

 

第2表 湛水土壌中直播における苗立密度別の生育及び収量(昭和63年5月2日播)

品種

苗立密度

(本/㎡)

施肥(Nkg/10a)

最高分げつ期

稈長

(cm)

穂長

(cm)

穂数

(本/㎡)

倒状

収量

(kg/a)

元肥

穂肥

月・日

茎数

キヌヒカリ

50

3

1.5×3回

7.13

600

80

17

384

0

65

 

100

2.5×3

6.29

673

81

16

430

0

64

 

150

6.29

783

78

16

411

0

61

コシヒカリ

50

1.5×3

7.6

658

96

18

365

5

60

 

100

2.5×3

7.6

723

94

17

380

5

58

 

150

 

6.29

738

97

17

426

5

57

出穂期:8月13日

成熟期:9月24日

 

第3表の施肥設計、このうち

収量の最も高い区を表示

 

元肥

追肥

穂肥

標準

1.5(3)

2.5(3)

6

緩効性

10(12)

4(6)

6

Nkg/10a,( )はキヌヒカリ

 

 

 

 

 

 

 

第3表 乾田直播における施肥の違いによる生育収量(平成元年5月10日播、キヌヒカリ4.5、コシヒカリ4.0kg/10a播)

品種

施肥(Nkg/10a×回数)

7月19日

出穂期

(月日)

成熟期

(月日)

稈長

(cm)

穂長

(cm)

穂数

(本/㎡)

倒状

収量

(kg/a)

品質

(1~9)

元肥

追肥

 

茎数

 

草丈

(cm)

茎数

(本/㎡)

キヌヒカリ

6*

6*

58

482

8.18

10.2

73

17.6

343

0

55

4

コシヒカリ

1.5

2.5

2×3回

59

482

8.19

10.1

87

18.9

310

1.5

49

4.5

* 緩効性肥料:C444M+C454S      

 

 

第4表 大区画水田での乾田直播における生育経過及び収量(平成元年5月9日播、4kg/10a播)

品種

播種法

施肥(Nkg/10a×回数)

7月19日

出穂期

(月日)

成熟期

倒状

収量

(kg/a)

整粒

歩合

(%)

有効茎

歩合

(%)

元肥

追肥

穂肥

草丈

(cm)

茎数

(本/㎡)

月日

稈長

(cm)

穂長

(cm)

穂数

(本/㎡)

キヌヒカリ

条播

作条散播*

3

6.7

2×3

42

410

8.17

10.1

76

17.7

346

0

53

71

84

 

42

573

8.17

10.1

71

17.6

366

0.3

55

75

64

コシヒカリ

条播

作条散播*

1

4

2×3

43

495

8.18

9.30

85

18.4

354

1.9

51

70

72

 

45

708

8.18

9.30

85

17.9

380

2.5

53

70

54

* 作条散播(畦立て→散播→畦くずし)

 

 

2. その他特記事項

研究期間  :昭和63年~平成元年         予算区分:国補

研究課題名 :大型機械による無湛水復帰田における水稲直播栽培法

      輪換畑における水稲代掻き同時直播栽培法

研究担当者名:佐藤勉・北倉芳忠・岩田忠寿

 

普及に移す技術

 

分類 B

契機 研  

部門 水稲

技術名

水稲品種キヌヒカリの福井県における晩播植適応性

実施場所

福井県農業試験場

 

 

1.成果の内容

 

 1)技術・情報の内容及び特徴

   キヌヒカリは、晩植に伴ない生育量は小さくなるが、受光態勢がよく、葉身の枯れ上りも少ないことから、登熟期の生育が良好で減収程度も少なく、品質も安定している。このため、本品種はコシヒカリに比べ晩植への適応性が高い。

 

(1)キヌヒカリはコシヒカリに比べて5月の育苗でも苗丈が過度にのびず、苗質の変動が少ない。また本田生育中の分げつ増加も緩やかで、草丈が短く、有効茎歩合の高い効率的な生育を示した。この傾向は晩植においてより顕著であった。

 

(2)出穂期が8月中旬以降になると、登熟中の日照時間は短くなるが、キヌヒカリは上位葉身が直立し、葉身の枯上りが少ないため、この期間の乾物増加量(CGR)は多く維持されたことから、晩植でも登熟歩合は低下しない。

 

(3)キヌヒカリ、コシヒカリとも、晩植によって移植期~出穂期の期間が短縮し、移植期から成熟期までの生育日数は標準値(5月10日)の130日に対し、5月30日植は120日、6月16日植は112日となった。晩植では生育量(茎数、LAI)が低下し、穂数は5月30日植で標準植の85%、6月16日植は80%と少なくなった。また、キヌヒカリの5月30日植えは標準植えの日本晴と同熟期に相当する。

 

(4)晩植の収量は㎡当り総籾数の低下によって標準値に比べて漸減したが、コシヒカリに比べて年次変動が少なく、整粒歩合および食味も安定している。

 

 

 2)技術・情報の適用効果

  良質品種の作付拡大をはかるため、晩植栽培により、作業の分散、機械・施設の有効利用をはかる。

 

 

 3)適用範囲

  一品種への偏重が強い晩植栽培可能地域。

 

 

 4)普及指導上の留意点

  (1)キヌヒカリは穂発芽性が「やや易」であるので刈り遅れないよう注意する。

  (2)いもち病、白葉枯病、紋枯病、その他病虫害に対しては適期防除に努める。

 

 

2.具体的データ

 

 表1 移植時期と生育経過(昭63、平元年)

品種

 

苗質

最高分げつ期

出穂期

成熟期

稈長

(cm)

穂長

(cm)

倒状

0~5

有効茎

(%)

 

移植期

(月日)

葉令

(L)

草丈

(cm)

乾物

(mg)

充実度

月日

葉令

(L)   

草丈

(cm)

茎数

(本/㎡)

(月日)

LAI

(月日)

LAI

キヌヒカリ

5.10

2.1

11

11

1.0

7.7

10.1

52

647

8.8

5.9

9.18

3.0

77

17.4

1.3

65

 

5.30

2.1

13

12

0.9

7.7

8.8

48

471

8.14

5.4

9.27

2.8

77

17.1

0.5

78

 

6.16

2.2

12

11

0.9

7.24

9.5

56

394

8.24

4.8

10.6

3.3

77

17.0

0

90

コシヒカリ

5.10

2.2

12

12

1.0

7.7

10.3

60

661

8.7

5.5

9.16

2.1

95

18.0

4.3

64

 

5.30

2.2

15

10

0.7

7.17

10.3

67

518

8.15

5.2

9.25

1.8

93

18.0

3.2

67

 

6.16

2.2

13

10

0.8

7.24

9.7

56

400

8.24

4.6

10.5

2.0

90

18.4

2.0

84

 

 

 表2 収量及び収量構成要素(昭63、平元年)

品種

移植期

(月日)

玄米重(kg/a)

平均値

の比較

穂数

(本/㎡)

一穂籾数

(粒)

総籾数

(万粒)

登熟歩合

(%)

千粒

(g)

食味評価

官能試験

63年

元年

キヌヒカリ

5.10

63.1

62.4

(100)

419

74

3.11

91

22.5

0

 

5.30

60.7

55.4

(90)

359

78

2.79

91

23.1

0.083

 

6.16

52.4

54.3

(82)

339

77

2.62

90

22.7

‐0.125

コシヒカリ

5.10

62.0

59.6

(100)

419

76

3.17

87

22.1

0

 

5.30

57.0

43.4

(83)

351

80

2.81

80

22.3

0.083

 

6.16

47.8

46.4

(77)

338

78

2.63

80

22.3

‐0.250

 

3.その他特記事項

1)研究年次   昭和63年~平成元年

2)参考資料   日作紀 58巻(別 1 1989)

        水稲品種コシヒカリ・キヌヒカリの晩植栽培における生育特性比較

        (笈田豊彦・間脇正博・岩田忠寿)

 

普及に移す技術

 

分類 B

契機 研  

部門 水稲

技術名

水稲の幼穂形成期の簡易予測法

実施場所

福井県農業試験場

 

1.成果の内容

 

 1)技術の内容および特徴

   水稲の肥培管理や水管理を効果的に行うには、水稲の発育段階を的確に把握する必要がある。そのために現在は生育調査により観察している。しかし、予測性に欠けている。

   発育段階のうち特に重要な幼穂形成期を日長と旬別気温によって平年からのズレ(移動日数)を簡潔に予測できる図表を開発した。

   これによると5月中旬から旬別平年気温と当年気温の差(+4~-4℃)毎に幼穂形成期のズレをよみとれるように棒グラフにしたものである。

   予測は、任意の時点までの旬別幼穂形成期のズレを積算し移動日数を知る。さらにそれ以降については、気象予報からも同じ方法で予測することもできる。

 

 2)技術の適用効果

 

  (1)予測図によると幼穂形成期の及ぼす気温の影響は生育の初期段階で非常に大きく、後半に至りズレ巾は小さくなっている。

   このことから、この幼穂形成期の移動日数を6月中旬頃に予測することにより生育量の予測も可能となり的確な水管理対策が樹立できる。

  (2)幼穂形成期の予測はさらに穂肥やその後の肥培管理の指標になる。

 

 3)適用範囲

  嶺北平坦

  コシヒカリ

 

 4)普及指導上の留意点

  (1)地域別、品種別に予測図を作成する。

 

2.具体的データ(図表)

 

 

3.その他特記事項

 1)研究年次   昭和61~63年

 2)参考資料   研究速報 №56 水稲の生育ステージおよび生育量の予測

普及に移す技術

 

分類 A

契機 研  

部門 野菜 

技術名

簡易ELISA法によるラッキョウからのGLVの簡易・迅速検定

実施場所

福井県農業試験場

 

1.成果の内容

 

 1)技術の内容および特徴

  福井県では組織培養によりラッキョウウイルスフリー株を作出しているが、これを普及に移すため、簡易で迅速なウイルス検定技術の確立が早急に求められている。そこで、Takahashiら(1987)がイネ縞葉枯ウイルスで報告した簡易ELISA法をラッキョウからのニンニク潜在ウイルス(GLV)の検定に応用することにより、従来のELISA法に比べさらに簡易で迅速な検定を可能にした。また、Bar-Josephら(1979)およびTakahashiら(1987)が報告した塩酸処理によるマイクロプレートの再使用がGLVの検定でも可能であることが明らかにした。

  (1)簡易ELISA法の手順:抗GLVγ-グロブリンを0.05M炭酸緩衝液(pH9.6)で1μg/mlに希釈して、マイクロプレートの各穴に0.2mlずつ分注する。37℃、2時間静置後、PBSTで4回洗浄する。PBST0.05mlを分注し、これに3~5mm角のラッキョウ葉を入れて直径5mmのガラス棒ですりつぶす。これにPBSTで750倍に希釈したコンジュゲートを0.15mlずつ分注し、37℃に2時間静置したあと、PBSTで洗浄し、基質液を0.2mlずつ分注する。25℃で1~3時間静置後、405nmの吸光度を測定する。従来のELISA法では乳鉢による試料の磨砕と遠心分離による汁液の清澄化が必要であったが、本法は不要で、しかも検定に要する時間も従来の2日間に比べ数時間と著しく短くなった(第1図、第1表)。

  (2)マイクロプレートの再使用:使用後のマイクロプレートをPBSTで2回、蒸留水で2回洗浄後、0.1N HC1で1時間処理する。これをPBSTで4回洗浄することにより、r-グロブリンを吸着したままの状態でプレートが再利用できる(第2表、第2図)。

 

 2)技術の適用効果

  1日に数百株の検定を正確に行うことができ、しかも検定費用が大幅に低減する。

 

 3)適用範囲

  ラッキョウウイルスフリー株供給施設でのGLV検出用

 

 4)普及指導上の留意点

 (1)検定には新しい抽出葉を用いる。

 (2)冬期と夏期はウイルス濃度が減少するので、検定はなるべく春期、秋期に行う。

(3)ELISAによる判定は肉眼でも可能であるが、できればマイクロプレートリーダーによって行うことが望ましい。

 

 

2.具体的データ(図、表)

 

3.その他特記事項

 1)研究年次   平成元年~5年

 2)参考資料   第42回北陸病害虫研究会講演要旨集;14(1990)

 

普及に移す技術

 

分類 A 

契機 研  

部門 野菜 

技術名

共台を利用した輪換畑スイカ生産性向上

実施場所

福井県農業試験場

 

1.成果の内容

 1)技術の内容及び特徴

   麦あと輪換畑において自根スイカに劣らない品質を確保し、自根より高い収量を得るためには共台(品種「ケルン」)の利用が良く、施肥法は基肥+玉肥が良い。又、育苗法では人工気象室を活用した断根挿し接ぎ法により良苗を量産化できる。

 

 (1) 自根スイカは果肉が柔らかで糖度が高く、良食味であるが、草勢は中位で、収量は低い傾向である。共台に接ぎ木した場合は果肉はやや硬く、糖度もやや低くなるが食味の低下はなく収量は高い。品質、収量からみて「ケルン」が最も優れた。

 

 (2)「ケルン」はつる割れ病多発地において抵抗性が強く、草勢が旺勢であることから輪換畑でスイカを連作する場合の台木として実用性が高い

 

 (3) 果実品質が優れ、高い収量を得ることができる共台利用の施肥法として基肥+玉肥が最も適している。

 

 (4) 接ぎ木技術を平易にし、接ぎ木苗を量産化するのに人工気象室の活用が有効で、出庫後パスライトでべたかけすれば入庫期間は3日、入庫密度は1,200本/㎡でも良苗が得られた。

 

2) 技術の適用効果

  輪換畑での良品多収が可能である。

 

3) 適用範囲   県内一円

 

4) 普及指導上の留意点

 

 (1) 排水の良い輪換畑で栽培する。

 

 (2) 麦収穫後できるだけ早く定植する。麦の畦はこわさずにそのまま活用するものとし、耕耘砕土は丁寧に行い、畦中央に巾1m程度のポリマルチをする。

 

 (3) 梅雨明けの直後に一斉着果させ、草勢に応じた個数に制限する。

 

 

2.具体的データ(図表)

 

 表1麦あと輪換畑におけるスイカの共台品種と収量、品質(昭63)

品種

1果重

kg

上物率

%

1株当り

平均

着果日

月,日

収穫時

の草勢

糖度

果肉

硬度

(g/c㎡)

黄帯

空洞

皮厚

食味

収量

kg

収穫

果数

ヤマシタ

6.85

75

13.7

2.0

8.1 

3

12.3

243

1.0

0.7

1.6

健康

7.90

63

18.1

2.3

7.28

2

12.1

218

1.5

0.3

1.4

ケルン

5.69

81

21.1

3.7

8.5

4

13.2

210

1.0

0.3

1.8

強剛

5.91

76

17.7

3.0

7.28

3

12.6

233

0

0.3

1.6

鬼台

5.42

68

24.0

4.4

8.1

4

12.0

243

0.5

0.3

1.7

自根

6.67

71

13.3

2.0

7.28

3

12.9

170

0.3

1.3

2.0

5/19接ぎ木  6/13定植  品種 「甘露稿王」

 

表2 連作輪換畑におけるスイカの共台品種と生育(昭63)

品種

接木20日後

の発根数

    本

1株当り 1)

最大 1)

着果時

の草勢

つる割れ病抵抗性 2)

つる数

つる長

 cm

葉数

葉長

cm

葉幅

 cm

枯死株数

 %

抵抗性

指数

ヤマシタ

4.6

4.0

236

29.2

17.3

18.3

2

22

25

健康

1.1

4.0

340

36.8

18.3

19.0

3

89

3

ケルン

19.1

4.4

473

45.8

19.6

20.7

5

0

83

強剛

9.8

5.4

456

47.0

19.3

20.0

4

89

3

鬼台

4.0

440

38.4

20.3

21.5

4

44

31

自根

5.0

417

44.0

18.2

17.8

3

100

0

4/13接ぎ木  5/13定植(28株/a)  1)定植20日後  2)収穫時

 

 表3 麦あと輪換畑におけるスイカの施肥方法と収量(昭63)

施肥方法

1果重

 

kg

上物率

 

1株当り

平均

着果日

月.日

糖度

果肉

硬度

(g/c㎡)

黄帯

空洞

皮厚

 

cm

収量

Kg

収穫

果数

全量基肥

5.48

68

19.1

3.5

8.5

12.5

243

1.7

0

1.8

基肥+玉肥

5.88

81

19.3

3.3

8.5

13.5

203

1.0

0.3

1.9

基肥+追肥+玉肥

6.05

74

17.4

2.9

8.5

12.6

257

1.3

0

1.1

6/22定植 「甘露稿王」 台木:ケルン  畦巾5m 株間70cm

施肥量(N)基肥1.96 追肥0.64 玉肥0.32Kg/a

 

表4 人工気象室入庫期間と接ぎ木苗の生育(平1)

処理区

 

供試数

出庫時

接ぎ木後20日目

接木

活着率

%

 

(本/㎡)

発根数

最大根長(cm)

葉数

(枚)

子葉

黄化度

 

20≦

10~19

10>

2≦

1~2

1>

 

530

16

0

0

0

0

0

0

2.9

0.6

100

3日

800

16

0

0

0

0

0

0

3.1

0.4

100

 

1,200

16

0

0

0

0

0

0

3.2

0

100

 

530

16

3

9

4

0

1

15

3.4

0

100

5日

800

16

0

1

15

0

1

15

3.0

1.7

100

 

1,200

16

7

8

1

0

5

11

3.8

0

100

 

530

16

5

10

1

3

11

2

3.6

0

100

7日

800

16

3

8

5

1

10

5

3.0

0.5

100

 

1,200

16

11

5

0

3

12

1

3.8

0

100

5/8接木(台木:ケルン) 入庫条件:25℃。 4,000Lux12時間日長

出庫後パスライトべたがけ(3日区は7日.5日、7日区は4日)

 

3.その他特記事項

 1)研究年次   昭和63年~平成元年

 2)参考資料   福井農試野菜花き試験成績書(昭63.平1)

 

普及に移す技術

 

分類 B 

契機 研  

部門 野菜 

技術名

冬季寡日照下におけるコマツナの品質向上技術

実施場所

福井県農業試験場

 

1.成果の内容

 

 1) 技術の内容及び特徴

   冬季寡日照下におけるコマツナは品種及び光、温度等の栽培環境の違いにより内容成分が変化することが明かとなり、品種は濃緑色で光沢のあるもの、又、光量は多く、温度は高いほど内容成分は優れる傾向である。

 

 (1) 品種は外観的に葉形、はかまの有無、葉色、光沢等によりグループ分けできるが、葉色が濃く光沢のあるものは標準品種「みずき」に比べて1株重は劣るが、ビタミンCが高い傾向で「はるみ」、「おはな」が有望であった。

 

 (2) 光量の多少が生育、内容成分に及ぼす影響は大きく、4,000~1,2000Luxの範囲では光量の多いほど地上部の生育が良好で、ビタミンCや還元糖等の内容成分も多くなった。

 

 (3) 生育前半は一定温度を保って生育を促進し、その後、温度差を与えた場合、温度条件が地上部の生育に及ぼす影響は光条件よりも小さいが、内容成分は5~15℃の範囲内では高いほど多くなる傾向であった。

 

 2) 技術の適用効果

   冬季無加温ハウスにおいて内容成分に着目した良品質生産が可能となる。

 

 3) 適用範囲   県内一円

 

 4) 普及指導上の留意点

 

 (1) 冬季間は低温、寡日照であるので、被覆資材は新しいものを用いるとともに、多重被覆による光線不足とならないよう留意する。

 

 (2) 間引きは早めに行うとともに株間を広くし、株元まで光線がよく当たるよう管理する。

 

2.具体的データ(図表)

 表1 コマツナの品種と生育の違い(昭62)

品種名

葉長

cm

葉身長

cm

葉幅

cm

葉数

1株重

g

葉色

はかま

光沢

みすぎ

30.4

12.0

9.9

7.1

27.8

黒みすぎ

26.6

11.7

8.8

5.4

16.9

まどか

30.1

12.0

9.9

7.4

26.5

つむぎ

32.1

13.1

10.3

7.1

29.8

はるみ

30.9

11.9

9.5

6.8

23.2

おはな

29.7

13.0

9.7

6.1

23.5

11/27播種、1/18収穫

 

 表2 コマツナの品種と内容成分の違い(昭62、63)

品種名

昭62

昭63

水分

ビタミンC 1)

mg

水分

クロロフィル2)

mg

ビタミンC 1)

mg

還元糖 3)

mg

みすぎ

93.6

95

91.3

119.5

96.6

521

黒みすぎ

92.9

177

90.4

165.0

95.6

537

まどか

93.9

97

90.2

150.0

97.4

587

つむぎ

93.3

95

90.8

126.5

92.4

419

はるみ

93.3

115

90.2

151.0

100.0

571

おはな

93.9

170

91.5

139.5

107.8

465

*四訂       

91.9

75

 

 

 

 

*「四訂日本食品標準成分表」 科学技術庁 1)、2)、3)生鮮重100g当り

昭62:11/27播種、1/18収穫、昭63:11/25播種、2/3収穫

 

 表3 光量がコマツナの生育、内容成分に及ぼす影響(昭63)

光量

葉長

cm

葉身長

cm

葉幅

cm

葉数

葉重

g

水分

クロロフィル

mg

ビタミンC

mg

還元糖

mg

15.0

8.7

8.0

7.5

7.2

92.5

134.0

46.8

73.7

22.4

13.3

11.4

9.4

23.4

92.0

151.0

54.1

80.2

28.8

17.3

13.6

10.2

38.5

93.2

167.0

55.6

145.4

光量少:4,000Lux、中:6,000Lux、多:12,000Lux、10時間日長、15℃

2/3播種、3/28収穫、品種:みすぎ

 

 表4 温度の違いがコマツナの生育、内容成分に及ぼす影響(昭63)

温度

葉長

cm

葉身長

cm

葉幅

cm

葉数

葉重

g

水分

クロロフィル

mg

ビタミンC

mg

還元糖

mg

5

23.3

13.0

10.3

7.5

19.6

90.9

163.0

58.9

10

24.4

13.7

10.9

7.9

20.1

92.2

176.5

53.7

183

15

25.9

13.4

10.6

7.9

24.9

88.4

172.0

97.2

276

12/22播種~1/28迄15℃.1/29~2/23迄各温度処理.6,000Lux10時間日長.品種:みすぎ

 

3.その他特記事項

 

 1) 研究年次   昭和62年~平成元年

 2) 参考資料   福井農試野菜花き試験成績書(昭62、平1)

 

普及に移す技術

 

分類 B 

契機 研  

部門 野菜 

技術名

夏期日射量制御によるメロンの品質向上

実施場所

農業試験場

 

1.成果の内容

 1) 技術・情報の内容及び特徴

   坂井丘陵地では施設化が進んでいるが、そのほとんどは連棟(雨よけ)ハウスである。これらは、夏期の換気面積が不足し、過高温になり易く、抑制メロンの品質劣化が問題となっている。そこで、定植前に動噴によりハウスビニールにクレフノン(沈降性炭酸カルシウム、粒径0.1~1.0μ)希釈液を塗布し、日射量を制御した場合の環境、生育、品質に及ぼす影響を検討した結果、ハウス内の昇温を抑制し、メロンの品質向上効果が認められた。

 

 (1) クレフノンの5~10%液塗布により、最高気温は1.2~2.8℃低くなった。(表1)

 (2) 透光率は、43%(10%液)~55%(5%液)に低下し、約75日後(降水量累計約700mm)ほぼ100%に回復した。(図1)

 (3) 樹勢が後半まで維持され、収穫率が高まった。(表2)

 (4) 果実はやや大玉化し、ネットの品質、糖度が向上した。(表2、3)

 

 2) 技術の適用効果

 

 (1) 比較的安価で抑制メロンの品質、生産性が向上し、より安定生産が可能となる。

 (2) 労働力の高齢化にあって、ハウス内の昇温抑制により、肉体疲労が軽減され作業能率が高まる。

 

 3) 適用範囲

    県下一円

 

 4) 普及指導上の留意点

 

 (1) クレフノンの付着性向上のため、木工用ボンドを加用する。(0.5%程度)

 (2) クレフノンやボンド濃度が高すぎると、透光率の回復が遅れたり、日射量不足によりかえって品質が低下する場合があるので留意する。

 (3) アールス系メロン等立作りの場合は受光態勢が変わるためクレフノン及びボンド濃度に留意する。

 

2.具体的データ(図表)

表1 クレフノン塗布

と最高気温との関係

クレフノン濃度

      %

平均最高気温1)

   ℃

0

41.8

5

40.6

10

39.0

1) 平成元年7月26日~8月18日

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表2 クレフノン塗布1と着果

状況との関係

クレフノン濃度

      %

着果率

  %

着葉日

月.日

着果節位

0

70

8.24

11.7

5

75

8.24

11.9

10

75

8.26

12.0

1) 7月25日 塗布

供試品種:ボルガ、播種期:7月12日、定植期:7月26日、整技法:

2本整技 4果どり、栽植密度:42株/a、施肥量:N 1.3、

P2O51.9、K2O 1.1kg/a

 

 

 

 

 

 

図1 クレフノン塗布による透光率の経時的変化

 

 

 

 

 

 

表3 クレフノン塗布と収量及び品質との関係

クレフノン濃度

     %

1 果重

    Kg

収穫率

  %

A当り収量

   Kg

ネット1 )

果肉厚

  cm

糖度

株重2)

    kg

0

1.63±0.51

40

110

3.3

3.7

13.8

0.42

5

1.79±0.46

70

211

4.3

3.8

14.2

1.72

10

1.90±0.49

70

221

3.6

4.6

15.1

1.36

LSD 5%

NS

0.5

0.5

NS

0.27

  1) 1(不良)~5(良)、 2) 10月16日(収穫時)

  供試品種他  表2に準じる

 

 

3. その他特記事項

 1) 研究年次 元号 昭和63年~平成元年

 2) 参考資料 昭和63年度 坂井丘陵地野菜試験成績書

        平成元年度  坂井丘陵地野菜試験成績書

 

普及に移す技術

 

分類 B 

契機 研  

部門 野菜 

技術名

雨よけハウスにおけるアールス系メロンの播種限界

実施場所

福井県農業試験場

 

1.成果の内容

 

 1) 技術の内容および特徴

   消費者の高級化志向により、アールス系メロンの需要増加が見込まれており、今後、坂井丘陵においても作付けが増加すると考えられているが、産地の形成、拡大のためには作期巾を拡大し、収益性の向上を図ることが必要である。そこで、雨よけハウス地床栽培における半促成作の早播き、抑制作の遅播きの限界を明らかにした。

 

 (1) 半促成の早播きでは、雌花着生率が低下するとともに低温による生育、着果の遅延が認められた。また、ネットも密に発生しやすいことから、実用的には2月下旬が限界であると判断された。

 

 (2) 抑制作の遅播きでは、雌花着生率が低下し、果実の肥大が抑制された。また、果実腐敗症が多発し、収穫率の低下を招いた。ネットはやや密になり、糖度も低くなるため、7月下旬が限界であると判断された。

 

 2) 技術の適用効果

   アールス系メロンの作期拡大の基礎資料となり、産地形成に寄与できる。

 

 3) 適用範囲

   坂井北部丘陵地一円

 

 4) 普及指導上の留意点

 

 (1) 半促成作の早播きでは特に果実の肥大性が劣るので、保温管理に留意するとともに、極端な節水を避け、草勢の確保に努める。

 

 (2) 半促成作ではネットが密に発生しやすいので、開花後12~14日頃の果実硬化時期であっても、状況により少量の潅水を続ける。また、硬化が過ぎないように昼間の温度は28℃くらいに管理し、夜間の保温にも留意する。

 

 (3) 上記播種限界は、品種により、多少の変動が予想される。

 

 

2.具体的データ(図表)

 表1 播種期と着果及び収穫状況との関係

播種期

月.日

雌花着生率1)

着果率

着果日

月.日

着果節位

収穫日

月.日

2.13

75

100

5.8

17.8

7.4

2.23

91

100

5.7

13.9

7.4

3.3

92

100

5.11

14.6

7.8

7.12

90

85

8.22

12.6

10.13

7.22

80

95

8.31

11.5

10.26

8.1

78

90

9.12

13.4

11.11

1)11~15節

供試品種:半促成作 カビ-ナ、抑制作 アールスセイヌ夏II

 

 表2 播種期と収量及び品質との関係

播種期

月.日

1果重

kg

収穫率

a当り

収量

kg

ネット1)

糖度

密度

揃い

盛上り

太さ

2.13

1.19±0.25

93

221

4.5

4.7

3.0

3.2

13.8

2.23

1.16±0.19

87

202

4.3

3.9

3.6

3.5

14.0

3.3

1.17±0.16

87

204

4.1

4.1

3.5

3.7

13.9

LSD 5%

NS

NS

0.3

0.3

NS

NS

7.12

1.84±0.29

85

282

3.0

3.9

3.6

3.4

15.1

7.22

1.52±0.25

58

159

3.2

4.0

4.7

4.6

14.4

8.1

1.45±0.28

54

141

3.4

4.0

4.1

3.9

12.7

LSD 5%

0.16

0.2

0.2

0.2

0.3

NS

1) ネットの密度1(粗)~5(密)、揃い1(不良)~5(良)、盛上り1(低)~5(高)、

  太さ1(細)~5(太)

 供試品種:表1と同じ

 

 

3. その他特記事項

 1) 研究年次   元号 昭和63年~平成元年

 2) 参考資料   昭和63年度 坂井丘陵地野菜試験成績書

          平成元年度  坂井丘陵地野菜試験成績書

 

普及に移す技術

 

分類 A

契機 研  

部門 野菜 

技術名

春まき一寸ソラマメの増収技術

実施場所

福井県農業試験場

 

1.成果の内容

 

 1) 技術の内容および特徴

 

  春まき栽培は、秋まき栽培に比べて栽培期間が短く植物体が小型になりやすい。この対策として、定植期を早めるとともに育苗期間の延長、窒素の増施により生育量の増大をはかる。

  (1) 定植期は慣行より10日早め、3月初旬がよい。

  (2) 定植期の葉齢は5~6葉がよく、育苗日数は慣行より長く50日程度とする。

  (3) 本圃における窒素の施用量は2.5kg/a程度がよい。

 

 2) 技術の適用効果

 

  は種期の前進化と窒素肥料の増施を行うことによって、春まき一寸ソラマメの増収が期待できる。

 

 3) 適用範囲

 

  県内全域の春まき一寸ソラマメ栽培地域

 

 4) 普及指導上の留意点

 

  (1) は種期の前進化は、少雪年にのみ可能である。

  (2) 50日間育苗する場合は、10.5cm程度のポリポットが必要である。

  (3) 育苗期間が長くなると肥料切れを起こす場合があるので葉色に注意し、早めに液肥などを施用する。

  (4) 施肥量を決定する場合、土壌の養分状態がそれぞれに異なると考えられるので、圃場の状態を把握しておくことが重要である。

  (5) 育苗方法は20℃で催芽後、ポリポットには種し、無加温ハウスで育苗する。なお、徒長を防ぐため最高気温は、15℃以下とする。

  (6) 圃場は降雪前に耕起、うね立て、施肥、マルチ(透明)等を行っておく。

 

 

2.具体的データ(図表)

 

 表1 定植期および育苗日数が生育、収量、品質に及ぼす影響

定植期

育苗

日数

草丈(cm)

可販収量

同左比

3+4

粒収量

3+4

粒莢率

定植時

30日後

開花期

着莢期

 

 

 

 

 

 

kg/a

kg/a

3/1

30

8.7

10.3

23.4

95.0

123.2

109

55.8

45

3/10

30

8.9

12.2

41.4

94.6

113.3

100

71.1

63

3/1

30

13.5

15.9

34.4

102.0

173.4

153

79.9

46

     ※ 施肥量(成分量Kg/a)N:1.28 P:2.60 K:1.70

 

 表2 窒素施用量が生育、収量、品質に及ぼす影響

 

施用量

草丈(cm)

可販収量

同左比

3+4

粒収量

3+4

粒莢率

定植後30日

開花期

着莢期

1988年

Kg/a

 

 

 

kg/a

kg/a

0.64

15.3

26.6

62.4

75.0

88

24.0

32

1.28

15.8

30.4

68.4

85.0

100

18.0

21

2.56

16.8

32.5

73.2

93.0

109

20.0

22

1989年

0.64

11.9

38.7

92.4

120.6

106

79.8

66

1.28

12.2

41.4

94.6

113.3

100

71.1

63

2.56

12.7

47.0

105.1

145.0

128

87.9

61

※       育苗期間30日で、7.5cmのポリポットを使用し、3月10日に定植した。

 

 

 3. その他特記事項

  1) 研究年次   昭和63年~平成元年

  2) 参考資料   

     研究速報 「春まき一寸ソラマメの増収技術」 №56

     福井園試 野菜試験成績書 (平成元年度)

 

普及に移す技術

 

分類 A

契機 研  

部門 花き  

技術名

日本スイセンの抑制栽培による3~4月開花

実施場所

福井県園芸試験場

 

1.成果の内容

 

 1) 技術・情報の内容及び特徴

  日本スイセンは年末から年始にかけて越前海岸の傾斜畑で生産される本県の特産切り花であり、これを周年開花させて市場流通及び観光イベントに利用したいという要望が最近特に強くなってきている。現在、10~11月は促成栽培で、12~2月は露地季咲きで開花、出荷が行われているが、3月以降は促成・露地では対応できず抑制栽培が必要となる。本技術は、球根の高温貯蔵と加温栽培によって3~4月の開花を可能にしたものである。

 (1)抑制栽培に使用する球根は、10月中~下旬、芽の動き出す前に25℃で貯蔵を開始する。

 (2)開花目標時期に合わせて1~3月に順次植え付ければ、3~4月に開花する。

 (3)植え付け後は、施設の能力に合わせて10~20℃で加温栽培する。

 

 2) 技術情報の適用効果

  日本スイセンの開花・出荷時期の拡大によって、用途拡大と消費拡大が期待できる。(本技術で、平成2年に6万球開花させ、4月1日から8日までExpo’90に展示した。

 

 3) 適用範囲

  県下の園芸施設(加温)

 

 4) 普及・指導上の留意点

 (1)球根は、掘り上げ後通風のよいところで充分乾燥させてから貯蔵する。

 (2)球根貯蔵は、25℃を厳守し、貯蔵庫内の温度むらがないように気を付ける。

 (3)貯蔵中、湿度が高いと発根するので、庫内の乾燥(除湿)に努める。

 (4)球根は、促成に用いる程度の、35g以上のものを用いる。

 (5)目標とする開花期に合わせて、栽培施設の管理温度を加減する。

 

 

2.具体的データ(図表)

 表1 日本スイセンの抑制栽培による3~4月開花

栽培温度

植付時期

開花率

開花初日

開花終日

平均開花日

到花日数

10℃加温

1月20日

73%

2/25

3/10

3/4

43日

10℃加温

2月4日

79

3/9

3/23

3/14

38

10℃加温

2月20日

65

3/23

3/31

3/27

35

10℃加温

3月7日

92

4/3

4/15

4/6

30

10℃加温

3月24日

67

4/16

4/27

4/19

26

20℃加温

1月20日

79%

2/11

2/21

2/15

26日

20℃加温

2月4日

83

2/26

3/12

3/1

25

20℃加温

2月20日

88

3/11

3/20

3/16

24

20℃加温

3月7日

83

3/26

4/7

3/31

24

20℃加温

3月24日

78

4/8

4/23

4/14

21

3.その他特記事項

 1) 研究年次  昭和63年~平成元年度

 2) 参考資料  福井園試 平成元年度花き試験成績書

 

普及に移す技術

 

分類 A

契機 研  

部門 果樹      

技術名

ニホンナシ‘幸水’の側枝養成法

実施場所

福井県農業試験場

 

1.成果の内容

 1) 技術の内容及び特徴

   幸水は短果枝の維持が困難な品種であり、高品質果実を毎年、安定して生産するにはえき花芽の着生した新梢を長果枝として利用するせん定、結実管理が求められる。

   新梢は放任状態では棚栽培に適した長果枝になり難く、かつえき花芽の着生も不安定であるため、新梢の出し方、および管理法について検討した。

   また長果枝のえき花芽を主体にした果実生産は必然的に側枝としての利用年限を短くするため、更新枝を得るためのせん定法についても検討した。

 (1) えき花芽利用を目的とした長果枝養成法

  (1)新梢から直接長果枝を養成する場合

   潜芽、不定芽から発生した新梢は伸長停止前の6月下旬~7月上旬に約30゜に誘引するとえき花芽着生率が高くなる。

  (2)予備枝から長果枝を養成する場合

   冬季せん定時に1年生枝を勢力に応じ30~50cmに短切して予備枝とし、翌年その定芽からの新梢を伸長停止後に約30゜に誘引すると不定芽、潜芽からの新梢を(1)のように誘引した場合に比べて下位節から均一にえき花芽が着生した優良な長果枝が得られる。

 (2) 側枝更新時における側枝基部の切り方

   側枝の基部5cmを残してせん定すると新梢の発生本数が多く、しかも切り口からの枯れ込みが少ない。

 

 2) 技術の適応効果

 (1) えき花芽の着生が促進され、花芽の確保が容易になることにより生産が安定する。

 (2) 側枝更新が容易になる。

 

 3) 適用範囲

   幸水の栽培地帯において幅広く活用できると思われる。

 

 4) 普及指導上の留意点

(1)       芽かき、徒長枝の間引を適宜行い誘引枝の日当りを良くする。

(2)       予備枝法による長果枝養成には2年を要し、主枝が確立した成木に適用する。

(3)       側枝の更新は3~4年を目途に計画的に行う。

 

 

2.具体的データ(図表)

 

 表-1 新梢の誘引時期とえき花芽着生(1988)

区分

予備枝(cm)

誘引

時期

(月日)

新梢

(cm)

節位別花芽率(%)

えき花

 

 

芽数

えき花

 

 

芽率(%)

 

基部径

 

長さ

 

1-7

 

8-14

 

5-21

 

22以上

 

頂目

潜芽から

の新梢

 

 

6.23

101

0.0

42.9

71.4

100

100

12

48.0

 

 

7.5

112

4.8

47.6

47.6

20.0

100

9

33.3

 

 

7.25

123

4.8

42.9

52.4

50.0

100

10

35.8

 

 

8.2

121

0.0

5.7

17.1

14.3

100

3

11.5

予備枝

定芽から

の新梢

1.5

51

7.25

122

21.4

50.0

78.6

80.0

100

16

57.4

1.3

36

8.2

113

40.0

82.9

94.3

95.2

100

20

77.1

 

 

 表-2 側枝の切戻し位置と新梢の発生(1989)

側枝の

切戻し位置

 

処理数

発生率

(%)

1か所当り

発生本数

平均長

(cm)

1か所当たりz)

優良新梢数

基部より2cm

6

50.0

1.2

89

0.8

 〃  5cm

9

88.9

2.4

105

1.8

 〃  10cm

15

100

2.6

129

1.5

  z) 真上および真下から発生した新梢を除いた数

 

 表-3 側枝の切戻し位置と枯込み(1989)

側枝の

切戻し位置

先端新梢のz)

発生位置(cm)

側枝の枯れ込みy)

長   (cm)

基部より2cm

0

0.2

 〃  5cm

0.6

0.8

 〃  10cm

3.6

3.5

   z)切口からの長さ

   y)枯込み部分の最も深い位置から切口までの長さ

 

 

3.その他特記事項

 1) 研究年次 昭和62年~平成元年

 2) 参考資料 福井農試果樹試験成績書(昭和62年度.63年度.平成元年度)

 

普及に移す技術

 

分類 B

契機 研  

部門 果樹      

技術名

ウメ「紅サシ」の優良側枝の養成方法

実施場所

福井県園芸試験場

 

1.成果の内容

 

1)技術の内容および特徴

 

 ウメ「紅サシ」は短果枝の枯死率が高く、さらに、側枝の更新に利用しやすい中庸な発育枝の発生も少ないため、側枝の更新が実施しにくい品種である。このため、側枝は長大化・老化しやすく結果部位の上昇をまねき、良質果の安定生産を阻害している。しかし、骨格枝からの強勢な発育はかなり認められるので、これらの側枝化を検討した。

 

(1)       側枝養成のための候補として適当な発育枝は、基部の太さが0.9~1.2cmで、枝長120~160cmである。

 

(2)       上記の発育枝は1年目のせん定で100cm前後で切り返し、2年目に結果枝を着生させ側枝に養成する。 (図-1)

 

(3)       2年目のせん定は、結果部位の上昇と光環境の劣化を防止するため、発生した30cm以上の新梢はせん定する。

 

 2) 技術・情報の適用効果

 

 (1) 長大化・老齢化した側枝を容易に更新でき、樹高の低下が可能である。

 

 (2) 1果重23g以上の良質果が1側枝当たり平均700g以上収穫できる。

 

 3) 適用範囲

 

 (1) ウメ「紅サシ」

 

 4) 普及指導上の留意点

 

 (1) 養成側枝における短果枝の枯死率は高いため、原則として養成3年目すなわち1作収穫後、冬季に更新する。

 

2.具体的データ(図表)

表-1 養成側枝の枝条と収量                   量

試験区

結果枝長

  (cm)

同左枯死率

   (%)

結実率

 (%)

結果枝10cm当たり

収穫果数 (個)

収益

 (g)

平均果重

  (g)

60cm

140.1

57.7

17.0

1.05

314

20.7

80

162.2

62.1

41.4

1.43

488

23.6

100

178.8

66.3

41.3

2.03

733

23.3

120

194.4

70.1

43.4

1.94

738

22.3

F検定

n.s.

n.s.

#

#

#

n.s.

 

3.その他特記事項

 研究年次 昭和61~63年

 参考資料 福井園試 果樹試験成績書(昭和63年度)

 

普及に移す技術

 

分類 A

契機 研  

部門 果樹      

技術名

性フェロモン剤によるウメのコスカシバ防除

実施場所

福井県園芸試験場

 

成果の内容

 

 1) 技術の内容および特徴

 

  合成性フェロモン剤を封入したプラスチック製ディスペンサー(スカシバコン)を地上1.5~2.0mの日影部の枝に吊るすことにより、コスカシバ雄成虫の交尾行動を阻害し、次世代成虫の発生を抑制する。

 

  使用基準

   10a当たり50本程度

   年1回成虫羽化前に枝にセットする。

 

 2) 技術の適用効果

 

   (1) 効果の出現は遅いが、連年使用によりコスカシバの発生密度が低下する。

 

   (2) 減農薬栽培の一助になり、農薬の危害防止・クリーン果の生産・生産原価の低下に有効である。

 

 3) 適用範囲

 

   ウメ園

 

 4) 普及指導上の留意点

 

   (1) 効果の出現は遅い。

 

   (2) 連年使用が必要である。

 

   (3) 風当たりの強い園では、効果が低下する。

 

   (4) 処理面積の単位を大きくすることが有効である。

 

2. 具体的データ

 

 第1表 トラップによる雄成虫の誘殺数

 

1988

1989

処理

無処理

処理

無処理

7/上

0

0

0

2

/中

0

3

0

0

/下

0

0

0

0

8/上

0

4

0

0

/中

0

0

0

4

/下

0

1

0

2

9/上

0

1

0

1

/中

0

1

0

2

/下

0

0

0

1

合計

0

10

0

12

 

 

 第2表 虫糞の発生密度(箇所数/㎡・表皮)

 

新糞

旧糞

処理

紅サシ(28)

0

4.7

 

鴬宿(28)

0

6.1

無処理

紅サシ(18)

1.7

1.5

 

普及に移す技術

 

分類B  

契機 研  

部門 果樹      

技術名

ウメの葉分析による栄養診断技術

実施場所

園芸試験場

 

 1.成果の概要

 

 1) 技術の内容および特徴

   ウメの栄養診断技術は、他の果樹に比べ研究事例が少なく、その基準は未確認である。そこで、多収樹群と低収樹群の葉と短果枝の無機成分含量を比較し、診断時期とその基準値の目安を明らかにした。

 

  (1) 栄養診断の葉分析を行う時期としては、落葉前の10月上旬または収穫前の6月上旬が適している。

 

  (2) 診断基準値は、10月上旬で概ね窒素2.3±0.1%、リン0.15±0.01%、カリウム3.3±0.4%、カルシウム2.1±0.2%、マグネシウム0.31±0.06%、また6月上旬で概ね窒素3.6±0.1%、リン0.23±0.01%、カリウム4.4±0.2%、カルシウム1.7±0.1%、マグネシウム0.36±0.05%が目安となる。

 

 2) 技術の適用効果

   この指標に基づく栄養診断を行うことにより、的確な栄養管理を可能にし、ウメの安定生産に寄与することができる。

 

 3) 適用範囲

   標準的な施肥を行っている‘紅サシ’に適用することができる。

 

 4) 普及・利用上の留意点

 

(1)       分析用試料は、樹間周辺の目通りの高さの10cm前後の新梢から採種する。

 

 (2) ウメの葉分析値は、ウンシュウミカン、ナシ、カキ、モモ、ブドウなどの診断値と比較して高い傾向であり、中でも窒素とカリウム含量は主要な果樹の中では最も高く、特に、カリウムは他の果樹の3~4倍であることを理解しておく。

 

2. 具体的データ

3. その他特記事項

 

 1) 研究年次   昭和61~63年

2) 参考資料   石原正義、1982、果樹の栄養生理.P.19-105.農文協.

 

普及に移す技術

 

分類B  

契機 研  

部門 水稲       

技術名

土壌窒素発現予測に基づく水稲の栄養診断

実施場所

福井県農業試験場

 

1. 成果の内容

 

 1) 技術の内容および特徴

  水稲とくにコシヒカリは、窒素吸収パターンにより倒伏や、収量が大きく影響を受ける。そこで、土壌窒素発現予測と水稲の窒素吸収パターンを明らかにした。

 

(1) コシヒカリの窒素吸収と倒伏について図-1に示したが、幼穂形成期に4~5kg/10aにすることが安全で、これ以上では倒伏危険性が増大する。

 

(2) 収量と窒素吸収について図-2、図-4に示したとおり、幼穂形成期以降の吸収量を増大する必要があり、特に米質から第1回目の施肥量が重視される。

 

(3)基肥および穂肥の施用量は土壌窒素発現量が大きく関係するため、土壌別、有機連用、輪換田毎に積算地温による回帰式により求めた(表-1、図-3)。

 

2) 技術の適応効果

 

(1)       基肥量、穂肥量が簡単に計算により推定出来る。

(2)       土壌や地域別、輪換田の土壌管理基準が策定できる。

 

 3) 適用範囲

 

  県下 平坦 水田 コシヒカリ

 

 4) 普及指導上の留意点

 

  山(中山)間、礫質、特殊水田等により異なるので、別途データ処理が必要である。

 

 

2. 具体的データ(図表)

 

表-1 積算地温と土壌窒素発現量の関係

土壌条件

回帰式

強グライ土

連続水田

Y=0.0021X+0.04

稲わら連用田

Y=0.0027X+0.13

輪換田(麦-大豆跡)

Y=0.0024X+0.02

輪換田(野菜跡)

Y=0.0029X+0.07

灰色低地土

粘質田

Y=0.0015X-0.01

X=積算地温(℃・日) Y=土壌窒素無機化量(kg/10a)

 

3.その他特記事項

 

 1) 研究年次   昭和61~63年

 2) 参考資料   水稲の生育診断予測技術の開発(地域重要新技術)

          福井農試 土壌肥料に関する成績書(昭61~63)

          研究速報 №55(1989.7.1)「土壌窒素無機化量の推定」

 

普及に移す技術

 

分類 A  

契機 研  

部門 野菜         

新技術

ベノミル剤耐性スイカ炭そ病菌の出現と対策

実施場所

福井県農業試験場

 

1. 成果の内容

 

 1) 技術の内容および特徴

  福井県ではベノミル剤およびチオファネートメチル剤に対し、スイカつる枯病菌の耐性菌が出現している。一方、同剤で防除を行ってきた炭そ病についても、近年の防除効果を示さない例が目立ってきている。そこで耐性菌出現の疑いをもち調査を行い、その対策を検討した。

(1)   ベノミル剤耐性菌のMIC値:1982年から1989年まで福井県下8ヵ所のスイカ畑の炭そ病発病葉から単菌糸分離した病原菌のMIC値の頻度分布は1.6ppmと3,200ppmにピークを持つ明瞭な2峰性である(第1図)。

(2)   ベノミル耐性菌の県内分布:耐性菌は、現在のところ三国町、金津町、坂井町、武生市に出現しており、福井市、大野市、勝山市では出現していない(第1表)。

(3)   耐性菌に対するベノミル剤の防除効果:5~7葉期のスイカ苗にベノミル剤を散布し、その前あるいは後にベノミル剤耐性菌あるいは感性菌を有傷噴霧接種すると、感性菌に対しては両散布時期とも発病阻止効果を示すが、耐性菌に対しては全く示さない(第2表)。

(4)   他薬剤に対する感受性:ベノミル剤耐性菌は、同じベンズイミダゾ-ル系殺菌剤であるチオファネートメチル剤には交差耐性を示すが、スイカ炭そ病に登録があるその他の薬剤に対しては耐性を有しない(第2図)。

(5)   対策:耐性菌発生地帯では他系統薬剤への切り替えまたは他系統薬剤との混用を図る。未発生地帯においても、ベンズイミダゾ-ル系殺菌剤の使用を減らすか、他系統薬剤との混用により耐性菌出現を防止する。

 

 2) 技術の適用効果

   福井県におけるベノミル剤の防除効果低下の原因が耐性菌の出現によっていたことが明らかになったことから、今後スイカ炭そ病の的確な防除指導ができる。

 

 3) 適用効果

   福井県内のスイカ栽培地帯

 

 4) 普及指導上の留意点

   それぞれの地区における耐性菌出現の有無に留意し、散布薬剤の選定を行う。

 

2. 具体的データ

第1表 県内のベノミル剤耐性スイカ                         第2表 ベノミル剤耐性スイカ炭そ病菌に対

     炭そ病菌の出現状況                                                 するベノミル剤の防除効果

調査地点

供試

菌株数

耐性

菌株数

同左率

(%)

 

 

分類菌株

病斑長(mm)a

三国町西野中

8

8

100

 

接種直前 散布

接種2日後散布

金津町清王

28

27

96

 

R-11-3(耐性菌)

4.7

7.5

金津町柿原

24

24

100

 

R-18-2(耐性菌)

2.1

7.0

坂井町西長田

46

46

100

 

R-COR11(耐性菌)

4.4

5.7

福井市下河北

9

0

0

 

S-78710(感性菌)

0

1.1

大野市森政地頭

8

0

0

 

注a)病斑長はDiskの大きさ5mmを差し引いた値

勝山市檜曽谷

3

0

0

 

武生市都辺

13

13

100

 

 

 

 

合計

139

118

85

 

 

 

 

 

3. その他特記事項

 

 1)研究年次   昭和57年~

 2)参考資料   日本植物病理学会報 55(4):524(1989)

 

普及に移す技術

 

分類 A  

契機 研  

部門 加工           

技術名

イチゴを用いたフイルム食品の製造方法

実施場所

福井県農業試験場

 

1. 成果の内容

 

 1) 技術の内容および特徴

 

 イチゴは主としてジャム加工に利用されているが、近年、安い加工品の輸入増大や学校給食での利用減少など需要が低迷している。そこで県産イチゴの消費拡大を目的に、加工イチゴの濃縮果汁を主原料として、砂糖、ゲル化剤及びイチゴパルプを用い、風味豊かで食感の良いイチゴフイルム食品の製造方法を確立した。

 

 (1) イチゴ果汁の抽出方法は、石灰処理や圧搾法に比しベクチナーゼ処理が良かった。(表1)

 

 (2) ゲル化剤には、K-カラギーナンとローカストビーンガム(LBG)の混用が良く、LBG5%区が食感、作業性ともすぐれた。(表2)

 

 (3) ゲル化後の乾燥は真空乾燥40℃、9時間が色調、乾燥速度とも良かった。(図2)

 

 (4) イチゴパルプの添加により、食感が良く、厚みも増した。(表3)

 

 (5) 製品の色調保持には、冷凍保存が良く、食感にも影響が見られなかった。(図3)

 

 2) 技術の適用効果

 

   利便性が良く、調理材料として、サンドイッチ、サラダなどに利用できる。

 

 3) 適用範囲

 

   イチゴ加工業やそう菜業などで利用できる。

 

 4) 普及指導上の留意点

 

   ゲル化が瞬時に行われるため、予め用具など準備しておく必要がある。

 

 

2.具体的データ(図表)

果汁・イチパルプ抽出

 

イチゴフィルム製造

 

乾燥

 

冷凍保存

 

 

 

凍結、解凍

ぺクチナーゼ処理

遠心分離-果汁・パルプ

果汁を5倍に濃縮

パルプの乾燥・粉砕

     (100mesh)

 

5倍濃縮果汁   100部

砂糖       30部

ゲル化剤(17%溶液)

(LBC/kk=0.05)120部

イチゴパルプ    2部

 

真空

40℃・9hr

最終水分

  約30%

 

 

         図1  イチゴフィルムの製造方法(平成元)

 

 

表1 果汁抽出法と収率・評価(平成元)

 

表2 κカラギーナンとローカストビーンガムの

   割合とフィルムの物性(平成元)

処理区

収率(%)

評価

 

LBG/kk

破断強度

(g/c㎡)

のび

(mm/c㎡)

食感

作業性

ぺクチナーゼ処理法

90

良好

 

100

367

17.9

チューインガム様

石灰処理法

81

色やや悪い

 

50

268

14.5

ゴム様

圧搾法

75

良好

 

5

117

13.7

 

 

 

 

0

110

9.8

 

 

 

 

 

フィルムは水分が約30%になるまで乾燥調製した。

 

 

表3  イチゴパルプ添加量とフィルムの物性(平成元)

イチゴパルプ

添加量(%)

フィルムの厚み

(mm)

破断強度

(g/c㎡)

のび

(mm/c㎡)

食感

0

1.05

429

10.5

チューインガム様

2

1.10

200

9.1

4

1.48

162

5.4

ざらつく.のび不足

6

1.75

149

4.6

非常にざらつく

フィルムはそれぞれ真空で40℃、9時間乾燥した。

 

3.その他特記事項

 1)研究年次  元号 昭和61~平成元年

 

 2)参考資料

   平成元年度  食品加工研究所  試験成績書

     「ふるさと特産物付加価値向上」

 

普及に移す技術

 

分類 A  

契機 普  

部門 加工           

技術名

脱渋柿加工における渋みのもどり防止

実施場所

福井県農業試験場

 

1. 成果の内容

 1) 技術の内容および特徴

    脱渋柿を原料とする柿ジュース加工において、加熱殺菌時における渋みのもどりを明らかにし、果汁中に含まれるタンニン細胞を遠心分離で除去することにより、渋みのもどり防止技術が確立された。

  (1) 柿果肉のホモジネート液は、加熱時間が長くなるほど渋みが増した。また、加熱時のpHが4以下になると急激に渋みが増し、可溶性タンニン量も著しく増加した(図1、2)。

  (2) 柿果肉のホモジネート液を遠心分離すると、赤褐色の粒子の粗い下層とオレンジ色の柔らかい中間層と上澄みの三層に分かれた。

    タンニン細胞はほとんど下層に集積していた(図3)。

  (3) 下層を含まない液を低いpHで加熱しても渋みの増加はなかった(図2)。

この下層を含まない液は、低速回転の連続遠心分離(50ml/min)によって容易に得られた。1,000~5,000rpmのうち、タンニン細胞の除去と固形分の残存状態から2,000rpm(350G)での連続遠心分離が最適と思われた(図4)。

 

柿ジュースの調製方法(例)

 

     水                   クエン酸

               ↓                     ↓

柿果肉 → ホモジネート → 連続遠心分離 → 均一化 → pH3.5に調整

                         (高圧ホモジナイザー)

 

 2) 技術の適用効果

   脱渋柿を用いた柿ジュース等の渋みのもどり防止。

 

 3) 適用範囲

   (1) 脱渋した渋柿に限る

   (2) 脱渋装置の開発にたずさわる者

 

 4) 普及指導上の留意点

   (1) 柿の風味を残し、適度の酸味を加えるため、pHは3.5付近に調整する。

 

2. 具体的データ(図表)

3. その他特記事項

  1) 研究年次   昭和62~平成元年

  2) 参考資料   平成元年度食品加工研究所試験成績書「ふるさと特産物付加価値向上」

 

 

 

黒毛和種胚を移植したホルスタイン種

受胚牛の分娩前の体温変化

福井県畜産試験場

 

1. 成果の内容

 1) 技術・情報の内容及び特徴

 現在、黒毛和種由来の1胚、2胚または切断2分離胚をホルスタイン種へ移植する方法による肉用子牛の生産がすすめられているが、これらの技術利用に伴う受胚牛(ET)の分娩時の事故も多く見られる。

 このため、分娩監視をより効率的に行い、かつ分娩時刻を的確に予測するため、受胚牛の分娩前の体温を調査した。

 (1) 朝の体温は分娩2日前までは差がなく、平均39.02±0.31℃で推移した。分娩前日の体温(平均38.49±0.18℃)は、朝の分娩2日前までの体温より平均0.51℃有無に低下した。(p<0.01)

 (2) 夕刻の体温は分娩3日前までは差がなく、平均39.38±0.27℃で推移した。分娩2日前は平均39.13±0.29℃に低下し(p<0.05)、分娩前日はさらに平均38.62±0.17℃に低下(平均0.51)した。(p<0.01)

 (3) 分娩は体温が前日の測定値より有意に低下した時刻から、平均20.3±5.8時間後に見られた。

 (4) ホルスタイン種に人工授精し、妊娠した牛(AI)の体温変化はET牛と同様な傾向であった。

 

 2) 技術・情報の適用効果

 分娩時間の予測が可能であることから、効率的な作業準備と、生まれた子牛に効果的な初乳が給与できる。

 

 3) 普及・利用上の留意点

 (1) 体温測定は、すくなくても分娩予定日1週間前から実施する。

 (2) 定刻に体温測定を行う。 (今回は朝8:30夕刻4:30)

 (3) 牛が採食している時は、体温測定を避ける。

 

2.具体的データ(図表)

表-1分娩前の体温変化(ET:n=19) 

 

表-2 分娩前の体温変化(AI:n=14

分娩前日数

体温(℃)

 

分娩前日数

体温(℃)

朝      夕  

 

朝      夕

1

38.49±0.18 38.62±0.17

 

1

38.65±0.32 38.65±0.22

2

38.92±0.30 39.13±0.28

 

2

38.95±0.18 39.10±0.31

3

39.09±0.31 39.26±0.28

 

3

38.94±0.15 39.35±0.26

4

39.15±0.29 39.36±0.36

 

4

39.07±0.19 39.39±0.26

5

39.01±0.25 39.36±0.22

 

5

39.02±0.19 39.44±0.29

6

39.04±0.30 39.39±0.26

 

6

39.06±0.23 39.40±0.28

7

38.99±0.32 39.40±0.27

 

7

39.06±0.23 39.44±0.21

 

3.その他特記事項

  研究期間 :昭和63年~平成元年   予算区分:国補

  研究課題名:牛の人工妊娠技術の実用化に関する研究

 

 

受精卵移植によって生産された

黒毛和種初生子牛の哺育育成技術

 

福井県畜産試験場

 

 

1.成果の内容

 1) 技術・情報の内容及び特徴

(1)     ホルスタイン種を借腹牛とした、受精卵の移植によって生産された黒毛和種初生子牛を、分娩直後に別飼いした、哺育育成技術は確立されていない点が多い。そこで、受精卵移植によって生産された子牛の哺育・育成期における、適正な飼養管理を検討した。

(2)     管理方法は、分娩直後にカーフハッチに移し90日まで単飼し、その後8ヵ月齢までスーパーハッチ付き放飼場で群飼した。

(3)     給与方法は、生後7日間は初乳を平均4ℓ/日給与し、8日目から表-1に示す試験区の量を1日2回給与した。43日齢から哺乳量を漸減し、77日齢で離乳した。単飼期間は人工乳を中心に給与し、群飼後は人工乳・濃厚飼料・粉砕ヘイキューブ・ビートパルプをオールイン飼料として給与した。乾草は2週齢から自由菜食させた。

(4)     哺乳方法は、全乳3ℓに代用乳1%(30g)を加えたものを1日2回計6ℓ給与する方法が最も適した方法と考えられた。

(5)     単飼期間中(カーフハッチ期間)は、呼吸器病に罹患したものはなく、下痢回数は平均0.67回であった。

 

 2) 技術・情報の適用効果

   本技術は黒毛和種初生子牛の人工哺乳並びに哺育育成のマニュアルとして活用できる。

 

3)       普及・利用上の留意点

(1) 分娩後できるだけ早く初乳を給与し、カーフハッチに移す。

(2) 哺乳は、定刻・定温・定量にすること。

(3)       哺育管理は、カーフハッチの利用を推奨する。

(4)       早くから人工乳に慣らし、その摂取量が800g以下の場合、離乳時期を延ばすことが望ましい。

 

 

2.具体的データ(図表)

表―1 体高の推移

試験区

 

 

体高(cm)

 

頭数

生時

3ヶ月齢

8ヶ月齢

I

全乳6ℓ

6

66.1

88.2

107.4

II

全乳6ℓ+代用乳60g

8

69.1

90.3

110.1

III

全乳4.6ℓ+2.4ℓ醗酵初乳

4

68.3

85.7

107.0

IV

代用乳600g+温湯

6

67.7

88.0

106.1

 

平均

 

68.0

88.4

107.7

*哺乳は1日2回(朝夕)給与・数字は1日量

 

表―2 試験区および体重の推移

 

 

体重(Kg)

1日当りの増体量(Kg)

試験区

頭数

生時

3ヶ月齢

8ヶ月齢

1~3ヶ月

4~8ヶ月

通算

I

6

22.6

86.9

214.6

0.72

0.85

0.80

II

8

28.3

94.1

224.5

0.74

0.86

0.82

III

4

25.0

86.6

195.8

0.67

0.72

0.71

IV

6

25.3

80.1

207.9

0.61

0.85

0.76

平均

 

25.5

87.5

214.3

0.69

0.85

0.79

 

 

 

3.その他特記事項

 

 研究期間 :昭和62年~平成元年   予算区分:県単

 研究課題名:受精卵移植により生産された黒毛和種初生子牛の哺育育成技術

 

 

大豆皮・ビートパルプ給与による乳脂率向上対策

 

福井県畜産試験場

 

 

1.成果の内容

 

1)       技術・情報の内容及び特徴

 

   地域外から導入した初産牛、育成時に十分粗飼料を食い込めなかったと考えられる初産牛及び高温多湿時における経産牛が、粗飼料を摂取できず、乳脂率を低下させる場合がしばしば見受けられる。

   そこで、配合飼料に高繊維質飼料を入れ、粗繊維含量を11.3%と6.4%の2試験区で、粗飼料の給与量を一定に制限して、配合(濃厚)飼料の粗繊維含量を高めることによる乳脂率の改善効果を検討した。

   試験牛は搾乳牛6頭を用い(乳量15kgから32kg、平均乳量20.6kg)、反転法により実施した。

   試験実施期間は平成元年7月17日から9月15日である。

 

(1)       配合飼料中の粗繊維源として、大豆皮17%およびビートパルプ13%を配合した(表-1)。なお、飼料の養分含量が低下するので、加熱大豆8.4%を配合しCP、TDNを調整した。

(2)       乳脂率の改善効果は、すべての乳牛に認められ、その差は平均で0.2%であった。なお、両試験区間に1%水準で有無差が認められた。

(3)       乳蛋白率はやや低下する傾向が認められたが、有無な差はなかった。

(4)       無脂固形分率は差がなかった。

 

 2) 技術・情報の適用効果

 

   粗飼料を十分に食い込めない乳牛に対して、配合飼料中に粗繊維含量の高い飼料を配合することによって、乳脂率の改善が期待できる。

 

 3) 普及・利用上の留意点

 

(1)       飼料の変更による改善効果は、1週間程度で認められるので、効果のない場合は他の方法を考慮する。

(2)       高温多湿時の飼料変更は、乳牛の健康状態に留意し、飼料摂取状況を把握し、良質粗飼料の給与に努める。

 

 

2.具体的データ

 1) 給与飼料の内容

 (1) 濃厚飼料

 

表―1 濃厚飼料の配合割合(原物%)

飼料名

試験飼料

対照飼料

トウモロコシ

21.1

33.8

皮付大麦

16.9

25.3

大豆粕

8.4

16.9

綿実

8.4

8.4

糖蜜飼料

4.2

4.2

大豆皮

16.9

ビートパルプ

12.7

8.4

加熱大豆

8.4

その他

3.0

3.0

栄養濃度(%)

 

 

CP

17.3

16.8

TDN

72.4

73.2

粗繊維

11.3

6.4

 

 (2) 粗飼料(原物)

  ヘイキューブ2kg及びヘイレージ7kg(オーチャードグラス主体、水分50%)

 

 2) 給与飼料と乳量、乳質

 

表―2 飼料の給与量と乳量、乳質

区分

試験飼料

対照飼料

給与飼料(kg)

 

 

 配合飼料(表―1)

11.5

11.0

 粗飼料(原物)

 

 

  ヘイキューブ

2.0

2.0

  ヘイレージ

7.0

7.0

平均乳量(kg)

21.2

20.0

乳質

 

 

 乳脂率

3.54※※

3.32

乳蚕白率

2.98

3.14

無脂固形分率

8.57

8.66

※※に有意差(P<0.01)

 

 

3. その他の特記事項

 

  研究期間 :平成元年度     予算区分:県単

  研究課題名:乳牛における粗飼料摂取不足時の乳脂率の向上試験

 

穀類混合アルファルファサイレージの調製

 

福井県畜産試験場

 

1. 成果の内容

 

 1) 技術・情報の内容及び特徴

  アルファルファの乾草調製は、落葉のため栄養分の損失が大きい。また、多回刈りを行なう場合、北陸地域では晴天連続日数が少なく、調製が天候不順時にあたることが多い。一方サイレージ調製は、予乾処理が一般的であるが、常に高品質のサイレージを調製することは難しい。そこで高水分時における安定的な調製法として穀類混合サイレージについて検討した。

(1)       スクリーニング試験を行なった結果では、高水分時には蟻酸添加効果が最も高く、穀類粕類混合サイレージでは、これらの添加時の特徴として酪酸がやや高いものの、いずれも良質な乳酸醗酵を示し、官能的にも問題なく、予乾サイレージに比べ良質のサイレージであった。ただし、ビートパルプ添加は予乾サイレージとほぼ変わらないものであった。これにより取扱いの困難な蟻酸を用いなくとも、穀類混合サイレージの調製が可能であると思われた。なお、この場合の添加濃度は、乾物比同量が適量であると思われる。(表-1)

(2)       実規模の試験としてドラム缶サイロを用い、圧偏トウモロコシ混合サイレージ(以下混合サイレージ)を調製した。対照乾草は適水分にもかかわらず、数日後カビが発生し、落葉に加え廃棄ロスが多かった。一方、予乾サイレージは、水分ムラが見られたが、全体として良質であった。これに対して混合サイレージは均一で安定良質な飼料が調製でき、栄養損失も押えることができた。(表-2、3)  

以上の結果、穀類混合サイレージは大量調製時の機械化、省力化に問題があるものの、栄養レベル的にも粗たん白含量を押え、TDNの高い、しかも調製ロスの少ない飼料であり、アルファルファサイレージ調製法として有効な手段と考えられる。

 

 2) 技術・情報の適用効果

  アルファルファの効率的利用に寄与できる。

 

 3) 普及・利用上の留意点

  穀類添加サイレージ調製にはフレールハーベスタ、大型カッターなどの機械体系が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.具体的データ(図表)

 

 

表―1 アルファルファサイレージ醗酵品質

処理区分

水分

pH

有機酸組成(%/FM)

NH3-N

CP

予乾

添加物

 

総酸

乳酸

酢酸

酪酸

T-N

(%/DM)

ダイレクト

無添加

79.4%

5.75

1.11

0.18

0.29

0.65

14.1%

22.5

 

圧コーン同量

64.1

4.35

2.69

1.76

0.26

0.67

8.6

17.4

 

〃 倍量

56.9

4.13

2.41

1.73

0.15

0.53

6.1

15.7

 

乳配1号同量

64.4

4.32

2.59

2.13

0.36

0.10

6.1

22.0

 

〃 倍量

56.0

4.37

2.91

2.33

0.43

0.15

4.5

21.5

 

ふすま同量

66.1

4.67

2.52

1.46

0.51

0.55

10.9

21.8

 

〃 倍量

56.1

4.47

3.72

2.31

0.81

0.59

10.1

21.8

 

ヒートパルプ同量

64.8

4.78

1.47

0.71

0.32

0.44

7.3

17.5

 

〃  倍量

57.3

4.64

1.43

0.82

0.23

0.38

5.7

16.4

 

圧大麦同量

64.7

4.24

2.83

1.40

1.06

0.38

6.8

18.2

 

〃 倍量

54.8

4.49

2.38

1.40

0.32

0.66

8.2

15.5

 

蟻酸3%

76.0

4.13

1.40

1.25

0.12

0.03

2.7

22.5

予乾I

無添加

46.8

5.50

0.28

0.11

0.09

0.07

2.3

21.0

 

蟻酸3%

51.6

4.81

0.64

0.52

0.08

0.03

1.2

22.5

予乾II

無添加

33.0

5.66

0.69

0.45

0.12

0.13

2.0

22.2

 

蟻酸3%

37.2

4.74

0.97

0.69

0.21

0.07

1.5

22.0

*)添加量は乾物比率

 

表-2 供試飼料の品質

処理区分

水分

pH

有機酸組成(%/FM)

NH3-N

総酸

乳酸

酢酸

酪酸

T-N

予乾サイレージ

42.5%

5.52

1.22

1.02

0.17

0.03

0.2%

混合サイレージ

49.7

4.05

2.60

2.23

0.25

0.12

0.2

*)混合サイレージは圧コーン乾物比同量添加

 

表―3 供試飼料の成分と栄養価(%/DM)

処理区分

DM

CP

CFat

NFE

CFib

CAib

DCP

TDN

対照雑草

84.4%

18.4

1.9

42.4

29.5

7.9

12.7

52.3

予乾サイレージ

57.5

20.5

2.1

38.3

30.7

8.5

15.5

54.5

混合サイレージ

50.3

14.8

3.0

60.6

16.8

4.9

10.5

73.6

供試家畜;日本在来種去勢山羊

 

 

3.その他特記事項

 

 研究期間  :昭和63年度~平成元年度     予算区分:国補

 研究課題名 :アルファルファ栽培調製試験

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